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男装彼女とゲイな俺  作者: 緋月
2/4

俺の恋はまだ始まらない

「え…嫌です。」

俺の名前は橘見里(たちばなみさと)

ごく一般の中三だ。

「頼む、お前しかいないんだ…」

え?今何をしているかって?

それは会話でわかるばずだよ

「いや、僕より最適な人はいっぱいいるかと…」

「お願いだ!俺はお前がいいんだよ!!」

もうおわかりかな?そう、俺は今

「いや、でも」

「頼む!〇〇中の代表として、△△高に行ってきてくれ!!」

めちゃくそめんどくさい仕事を教師から頼まれている最中だ。


「いや、ほんっと嫌ですって…何で僕?」

「お前が一番礼儀がなってるからだ」

卒業を間近に控えた俺達3年は、進路に向けて忙しい日々を送っている。

無論俺も忙しい。

だが、△△高校で行われる、各中学教師生徒一人づつ参加の高校入試説明会に、何故か俺が選ばれたのだ。

こんな忙しいってのに!

「ちょっとだけだから、すぐ終わるから」

「いやいやいや、そこに約二時間って書いてあるじゃないですか。受験生の二時間は大事ですよ」

ここはなんとしても断らねば、こんな茶番に付き合ってられねぇぞ…

「二時間ぽっちかわんねぇよ!なんなら睡眠時間を二時間減らせばいいだろ?」

「受験生の睡眠時間は大事ですよ」

「あ~も~、時間にとらわれすぎ、もっとフリーダムになれよ…」

ったく、何だよこの教師は…俺は●●高校目指してんだから、この時間も勉強してたいっていうのに…

「えぇもうほんっと勘弁してください…この時間がもったいない…」

「んだよガリベン!お前の悪いところは真面目すぎるところだ。もちと先生を見習え!」

「説教なら帰りますね、説明会の件は他の人に」

「あ、すまん冗談だぜ!」

くっそ…!こうしている間にも、他の受験生との差がどんどん広がっていく…

「あの僕何があってもいかないんで」

「よし、じゃあ来てくれたら入試に役立つ参考本をくれてやる!」

「で、説明会の日程は?」




くっそ…俺としたことがワイロでつられてしまうとは…

結局説明会には俺が行くことになった。

だが、参考本をもらえるなら…


いつからだっけか?俺がこんなに真面目になったの

あ、こうみえても俺学年トップ10に入ってるほど頭いいんだぜ?

ま、中一の頃はちがかったけど…

|(え?ここまで恋愛要素もギャグ要素もゼロだって?頼む!もう少し待っててくれ!これ前置きみたいなもんだから!あとから盛り上がるから!)


「ただいま~」

ま、とにかく勉強だ。さっきのつまらん前置きの間分勉強せねば

「お帰り見里」

「うわっ、もう帰ってきてんのかよ…」

リビングにはすでに先客の姿があった

コイツは小5の俺の妹の凜花(りんか)

妹がいるとうるさくて集中できねぇんだよな…

「なあに?また勉強するから私が邪魔ってこと?」

「まさにそのとうり」

何だ、わかってるじゃねーか

ここは気をきかせて出てってくれるよな

「見里…あんた勉強しすぎでしょ…。ガリベンもいいとこだわ。見里のせいで私なんて呼ばれてると思う?」

「天才の妹」

「違う!たちバナナよ!何よバナナって?これも全部、見里が勉強の合間にバナナ沢山食べるから…!!」

「いや、それ俺関係ないから、間違いなく苗字(たちばな)のせいだから。」

たちバナナって下ネタ?

最近の小学生怖いわ~…

「とにかく、あんたは勉強しすぎ!息抜きも必要だよ?残りの中学人生楽しく生きよ?」


コイツは小5の分際で兄である俺に指図しやがる。

残りの中学人生どう頑張るかで高校の人生が決まるというのに

「勉強してねーと不安なんだよ…。俺のとっての息抜きは勉強だ」

このセリフは勉強大好きクンが言うセリフだが、俺は勉強好きじゃねぇ。

でもとにかく死ぬほど勉強しないとあの高校にいけないけらな


ここで言っておこう!

俺が目指している高校は偏差値70越えのまぁ、頭のいい高校だ

そこは同じ中学の奴が一人も受けない為、俺は高校でイメチェン出来るわけ。

なんてったって俺今、学校でぼっちですから!俺の性格180度回転させて一人称が『僕』キャラ作ってますから!

まぁ、詳細はいずれか話すぜ!

とにかく、高校で楽しい生活を過ごすために俺は勉強しなくては!

「恋かしら?」

「えっ?」

突然凜花が呟く

濃い?鯉?故意?

「見里は恋心とかないから、そんなに勉強一筋なのよ。あんた人好きになった事ある?」

なんだよいきなり…

恋だって?んなんあたりまえじゃねーか。

恋くらいするわ!俺だって!!

「あるね、それも何度も」

「うっそお!!見里全然女の子に興味ないと思ってたのに」

「え?あぁ、まぁ、女子にはな…」

「え?何て言った?」

「別に」

「でもあんたには真の愛がないわ。この機会に恋しちゃいなさいよ、そしたら毎日ウキウキするから」

「恋ねぇ…」


俺にはそんなの要らないな

どうせ片想いで終わるし…

俺の恋は叶わねぇ

だってゲイな訳だし…



この時の俺はまだ知らなかった。

世界にはあんな人間がいるなんて…



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