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3.the new arrival and intruder.―22


「っていうか、『私は龍二の事好き』だからさ。心配なんだよ」

「!?」

 突然の告白に龍二は驚きを隠せなかった。当然だった。驚かない理由の方が見つからない。

 龍二のそんな驚きは他所に、春風は相変わらずの恐ろしい笑み浮かべたまま、続けた。

「っていうか、日和ちゃんにもさ、何も言わずに突然死にましたーなんて言えると思うの?」

 告白がなかった事になるかの如く、春風の口からはそんな事がすんなり漏れる。それに対して「あぁ……」ともどかしげに口から漏らす事しか出来なかった。だが、実際にそうだった。考えてみれば分かる。日和とずっと一緒にいて、死んだ時の事なんて考えた事がなかった。

「そうだよな。考えてなかった……」

「考えなしすぎるよね。っていうか今ので龍二が死んで悲しむ人がいるってのもわかったでしょ?」

 ね? と首を傾げて可愛らしげに笑う春風。龍二の顔を覗き込むように傾げられた首。それを見て龍二は自分が少しうつむきがちだったと気づく。すぐに顔を上げ、春風の顔を見る。が、どうしても視線をそらしたくなった。あの時の「惚れるぞ!」という言葉を思い出す。思えば、あの時から少しだが春風の事を意識していたかもしれない。と、龍二は思った。

 緊張の生唾を呑み込む。だが、

「ま、わかったならいいよ」

 春風はそう言って押しの笑みを龍二に向けると、踵を返してアトリエから出ていこうとした。龍二はその小さな背中を引き止めようと思いはしたが、実行には移さなかった。移せなかった。

「…………、」

 アトリエから去る春風。あの告白も彼女にとっては今の叱責の一部でしかなく、告白ではなかったのかもしれない。龍二も恋愛経験豊富というわけではないが、告白されれば答えを返さなければいけない事くらいは分かる。だが、相手は答えを求めていないようである。

「ん?」

 どうすればいいのか、と悩む事もできそうになかった。


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