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8.そして特殊部隊

前話を少し書き直しています。

ストーリー的には変わってないので読まなくても別段問題はありません。

 目を覚ますとそこは、医務室だった。痛む頭をさする、寝息が聞こえ、ふと横を見た。


「真紅…」


 時刻は10時を少し回ったところだ。体を起こすとやはり頭が痛い。

ガラッと戸が開いた、何故だろうか医務室の扉は他とは違い自動ではない。


「目が覚めた見たいですね」

「パパルか…真紅は大丈夫なのか?」

「自分の心配より部下の心配ですか、大丈夫ですよ、彼は疲れて眠っているだけです」 

「そうか」

「どちらかというと、紫音さんの方が重症です」


 まだ体の至るところがズキズキする、体を起こすだけでこれだ。


「ふっ、面目無い」

「聞かないんですか?」

「この様子だとなんとかなったのだろ」

「ええ、彼の活躍で」


 再び真紅を見る、すやすやと寝息をたてながら、穏やかに眠っている。


「私はあのとき、真紅に助けられ・・・た?」

「みんなです」

「何があった?」

「とにかく凄かったです」





「紫音さん!」


 声を張り上げる、墜ちた紫音を追い数機の敵機が急降下して行く。それにいち早く対応したのはヨハネだった。


「行かせるかぁ!」


 ヨハネは敵機と同じように急降下し後ろから迫る。一機目のブースターを破壊、炎上して墜落、二機目三機目を蹴りつける、バランスを崩し墜落、紫音機との間にはあと五機、紫音さんの機体は三番格納庫の天井を突き破り墜落する。


「くそッ!」


 四機目をひっつかむ、残りは遠すぎた、銃を抜いて射つが外れ、四機目が暴れる、バランスを保つだけで精一杯だっただろう。機体が傾く。その視線に映ったのは未だ衰えない敵機の大群だろうか。呟いた。


「なんだこれ、地獄かここは…」


 横を閃光がつかする、狙いはヨハネだ、ひっつかんだ機体を盾にして防いでいる、地面が近い。


「体勢を立て直せヨハネ!」


 再び視線は空いた穴。

 目を見開いた、格納庫の側壁から機体が放出される、一番に穴へ飛び込んだ敵機だ。


「紫音さんは無事なのか!」


 再起動が間に合った、そう思ったが、それが紫音でないのに気づくのはすぐだった。敵機の次の機が格納庫に突入しようとしたときだ、敵機は爆発する。

続く2つの機体も一瞬で破壊された、何が起こった?


「シャーロット!」


 なぜだ。


「なんだこの機体…」


 爆煙の中から、異常な速さで機体が飛び出る、金色に輝いた機体は、ヨハネの機体、横を通過、自機の横も通過した。そして敵機の群の中心でとまる。


「いったい誰が乗ってるんだ」

「おい、なんなんだあの機体は?」

「シャーロットだ」

「シャーロット?」


 敵も呆気にとられているのだろうか、どの機体も突然の乱入者にまったく対応できていない。


「誰の機体だ」

「今は誰も乗ってない」

「紫音さんか?」

「違う、あの機体は紫音さんには乗れない」

「どういうことだ」

「機体が乗る人間を選ぶんだ」


 微動だにしない、凍りついたようだ、

何故動かない、そうヨハネが口走ると同時に黄金に輝く機体は動く。そのあとのことは人知を越えたものだった。


 3時間が経った、向かう機体はことごとく撃ち落とされ、残ったのは僅かに八機、それが落とされたのもすぐだ。


「正直何が起こってるのかわからない…」

「俺もだ」


 駆けつけた増援も、帰還したゼロ、エリーも地上に積もった残骸を見て、何が起こったのか全く理解できないまま、ただぼんやり明るくなりかけた空から輝きを弱めながら降りていく機体を眺めるだけだった。



「あれ」


 寝ぼけ眼を擦りながら体を起こす、横では紫音さんとパルパさんがいた、僕を見たあと顔を見合せ笑う。


「えっ、えっ? どうしたんですか、紫音さんにえっとパルパさん」

「パパルだ」


 紫音さんはさらに笑う、笑い方も上品だ、いやまずは間違えたことを謝るのが先かとパパルさんに向く。


「すいません」



「真紅」

「紫音さん、大丈夫なんですか、確か…墜ちてきました!」

「大丈夫だ、お前のおかげでな」

「僕の?」

「とりあえず…目を覚ましたことを伝えにいこう」



 新人強化期間が終わった、残りの期間は訓練よりも基地の修繕にほとんどの時間を費やした。その間、筆記試験を終えた、新人隊員も加え、さらにハードになった訓練を彼らは耐え忍んだ。

そして今日、新人隊員を加えた新たな隊編成が発表される。我々特殊部隊隊長と各隊隊長には予め隊編成が知らされる。


「反対です!」

「ゼロッ」


 総司令に突っかかりそうなほど詰め寄る俺をエリーがとめる。


「総司令はあの機体の危険性をわかっていない、新人隊員に乗せるのは間違いです!」

「ゼロ、私たちに猶予はない、今回の事件をはじめ、月咲昴の問題、リジウスの問題もある、少しでも使える戦力は我々の力にしなければならない」

「そうやって前のようなことが起これば意味がないではないですか! 今回のことは運がよかっただけです」

「運で数百もの機体を落とせるものか、私たちには戦力が必要だ、彼は間違いなく我々の大きな戦力になる、部下を守ることも大事だ、だが私達には世界を守るという義務がある、違うかゼロ特務隊長」

「しっ、しかし」


「ゼロッ!」

 そこで紫音さんの鋭い声。

「決定事項は覆らん、こんなところで喚き散らす暇があるのなら、部下を危険から守るために動いたらどうだ、それが隊長たるものの使命だろ」

「紫音さん…」



 沈黙、紫音さんは俺から目を離すことなくジッと睨み付けるかのようにみている。


「…すいません、取り乱してしまいました」

「かまわん」

「あの総司令」


 そう司令は俺の声を遮る。


「ゼロ、私は今まで多くの戦場で戦い、多くの戦友をなくし、多くの仲間、部下を見てきた、そして多くの隊員の中から部隊長を選びだす仕事をまかされる…

君はまだ若い、失敗もすれば過ちも犯すだろう、だが私はそんな君を部隊長に選んだ、前回も、今回も、何故だかわかるか、君はハザック・バルドの代わりではない、彼の意思をついだ立派な隊員だ、私が部下を従えるように、君にもその資質があると見込んだからこそ部隊長に選んだのだ、自信を持ちなさい」

「総司令…」


 姿勢を正す、背を伸ばし、足をピッと揃え、手を添える。ビビっているだけでは何も始まらない、俺の手で守ればいい、簡単な話だ。


「このゼロ・ショーサー、全力を持って新部隊を、部下を守ります」

「ああ」


 熱いにゃ〜、そう茶化すパパルを紫音さんが肘で小突く、恐らくもろに鳩尾入ったのだろう、パパルの表情が歪む、それを見て少し気分が和らいだ。



 施設内のロビーには、部隊編成表が張り出されている、数百もの隊員が 積める寄るのだ、ロビーはすでに満杯だ、さらに編成表はA4の紙数枚に分けて張り出されているの、見るには前の方まで行かなければならない、順番が回ってきたのはかなり後だった。


「あった、ありました」


 名前はすぐに見つかった何せ、上から9番目の位置に自分の名が書かれているのだから。


「…ってええー! ぼっぼぼぼ僕が特殊部隊!!」


 何度も目を擦り確認する、間違いはない、横にいるヨハネをみる、彼はずいぶん、すかしている。


「ふん」

「ヨハネ君、ぼっ僕」

「特別なのはお前だけじゃない」


「えっ?」


 そう言われヨハネの名を探す、ヨハネの名もやはり特殊部隊の欄にあった、よくみると名前は自分より前の位置にかかれていた。

 しばらくそこから動けなかった、ゼロさんとエリーさんがそんな僕を見つけて面白そうに近づいて来たのはすぐあとことだ。



隊編成表

○特殊部隊(本年度より部隊数を3→4へ増隊)

チームrising

部隊長 瀬戸雷瞬

副隊長 オルガノ・セントルイス

ビル・アーベック

チームsneak

部隊長 鳳紫音

副隊長 チュニク・シーハート(昇)

ヨハネ・エクステル(新)

チームeden

部隊長 ゼロ・ショーサー

副隊長 エリー・ザジョイ

砂原真紅(新)

チームpluto

部隊長 ナギサ・アブソーバ(移)

副隊長 パパル・アブソーバ(移)

ニビル・ヘッダー(派遣兵)


○通常部隊

第1部隊

部隊長…(以下略)




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