表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

柴犬童話集

ネコのおしごと?

作者: 柴犬

改訂版です

 タマはとてもブサイクな猫です。

 にらんでも無いのに潰れたようなブサイクな顔で誰もが嫌な顔をします。


「ほっとけ」


 等と言うタマ。

 中々良い性格をしてます。

 白い体にシミの様な黒い模様があり其れの所為で更に嫌われてます。


「身体的特徴で差別するのは良くないと思う」


 鳴き声は聞くに堪えない声です。

 不快な声で皆嫌な顔をします。


「煩いな」


 ……。

 其れで益々嫌われてます。


 母は美しい白い猫なのに何故かブサイクに生まれました。


 兄弟も美しい猫なのに何故かタマだけがブサイクでした。

 ですがタマは優しい心の持ち主です。

 多分……。


「何で自信なさそうに言う」


 そんな所です。


「そうかい」


 ですが誰も其のことに気が付きません。

 何故ならタマが醜いからです。



「やだやだ誰に似たのかしら此の子はブサイクで嫌だわ」



 等と我が子を見て嘆く母の言葉にタマは何時も傷ついていました。

 という訳ではなく平気な顔をしてます。

 神経が太いので。

 

「お母さんに似て無いね弟は」

「よその子が紛れ込んだんだろうお母さん」


 愚兄達の言葉にタマは眉をひそめる。

 

「はあ? 何言ってるのあんたら」

「「「はっ?」」」


 タマの言葉に固まる三匹。

 まさかの弟からの反抗。

 思わずイラっとしたみたいだ。


「僕がブサイクなのはお母さんの男の趣味が悪いのが原因だろう?」

「「「マテ」」」

「メンデルの法則を知らんのか?」

「「「ネコが知るかっ!」」」


 タマの言葉に思わず声を上げる三匹。


「ブス専でなくてブ男が趣味のお母さんの所為だろうが」

「はあ? 何言ってるの弟の分際で?」

「絞める? ねえ絞める?」


 何やら愚兄二匹が殺気立ってるが知らんのだ。

 そう知らんのだ。

 お母さんのタマを見る目を。


「その証拠にお母さんの僕を見る目が少々危ないぜ愚兄達」

「イヤイヤッ! そんなまさかっ!」

「というか口の聞き方っ!……」

「ほれっ見ろ」


 タマが右手をお母さんの方に向ける。

 其れにつられ愚兄たちお母さんの方を見る。

 

 

「ハアハア~~良いハアハア~~あの人にソックリ」

「なっ?」


 タマはドン引きしながら促す。

 お母さんの目はいっていた。

 ドン引きレベルで。


「「……」」


 タマをみて息を荒げるお母さん。

 顔は真っ赤で可成り興奮してる。

 明かに欲情してる。

 タマに向かって。

 発情期に成りかけてる。

 その時期でもないのに。

 その事実に愚兄達は沈黙した。

 いや良いけど。


「という訳で身の危険を感じたんで離れて暮らします」

「タマ~~カンバック~~」

「「……」」


 では。

 等と手を振りタマはその場を離れる。

 お母さんは涎を垂らしながら手を振る。

 其れを黙って見送る愚兄達。


「「……」」


 白目ですね。

 というか呆気と言うか……。


「何だろう此の形容しがたき感情は……」

「もうやだ此の親子」

「俺らの親でもあるんだけどな」


 目が死んでいた。

 愚兄達の目が。

 気の毒である。

 本気で。

 

「あ~~やだやだ身内の悪口なんて~~傷つくな~~」



 更に二人のお兄さんの蔑んだ言葉に益々タマは傷つきました。

 というか嘘です。

 全然傷ついてません。

 というか当然です。

 外見だけで其のネコを判断するなんて言語道断です。

 タマの神経はナイロンザイルレベルの太さです。

 だから平然としてます。

 いや本当に。


 冷たい風が直に当たる木の下で寒さに震えながら暮らすことになったタマ。

 子猫のタマは寂しい思いをしながら一人暮らしていました。

 家族の温もりに飢えながら……。

 なんて事は無く。



「うむ百害あって一利なしの家族だが湯たんぽ代わりに良かったな」


 温もりは温もりでも湯たんぽ扱いにしていた。

 というか家族の情など持つわけない。

 あんな外見でしか判断しない馬鹿なんぞ此方からお断りだ。

 うん。

とはいえお母さんは一人立ちするまでは面倒をみてくれる気だ。

 其れは有難い。



「まあ~~多分僕が発情期に成る迄傍に置く気だな」


 お母さんの目がヤバイ。

 息子を見る目ではない。

 アレは獲物を見る目だ。

 性的な。


「タマ何をブツブツ言ってる」

「何でも無いですよ」


 兄の言葉を流すタマ。

 流石はタマ。

 生まれて其れほど経ってないのに母親の思惑に気が付いてました。


 そしてご飯ですが二人の兄の後なのは変わりません。

 年功序列って嫌だね~~と思うタマ。


 二人兄はお母さんのお乳をお腹いっぱい飲むのでいつも少ししかタマは飲めません。

 お腹がちっとも膨れません。

 いつも空腹で眠れぬ夜を過ごしました。

 という訳ではない。

 そんな訳ない。

 お母さんは何とかタマにお乳を飲ませようとしてるが断ってるだけです。

 少しでも大きく成りたくなくて。

 当然だ。

 日に日にお母さんの目がヤバいから。

 少しでも成長を遅らせないとっ!

 貞操がっ!

 貞操がヤバイッ!

 

 

 そんなある日。

 ご飯はお母さんのお乳から虫や小さい動物に変わりました。

 小さい動物を御飯にするのは狩りの仕方を教える為です。

 いずれ独り立ちするためです。

 傷ついたスズメやネズミを前に兄たちは一生懸命に狩りの仕方を覚えます。

 ですがタマは其れができません。

 なぜならネズミやスズメたちが死にたくないと言ったからです。


「ネコさんネコさんお願いします助けて下さいお礼に美味しいご飯を貰える所を教えるから」

「良いけど絶対だぞ」

「ゑ?」

「嘘だったら地の果てまで追いかけて親戚一同全員喰い殺す」

「ゑ?」

「それだけじゃないオスとメスのみ一組残して延々と非常食用に繁殖させる」

「分かりました……」


 助けて欲しいと願うネズミを口でくわえ家族の目の届かない所にはなしてやるタマ。

 なおネズミは助けを乞うんじゃなかったと深く後悔しました。

 此の後子々孫々までタマに尽くす羽目になりました。

 というかネズミを脅迫するネコって……。

 此れで優しいと言えるのだろうか?


「今すぐ死ぬよりマシだろう?」


 ナレーションにツッコミは無しにしてください。

 そして次にスズメの場合。



「ネコさんネコさん美味しいお米を上げるから助けて下さい」

「いらんから食わせろ」

「ゑ?」

「だから喰わせろ」

「いやあああああっ! 止めてえええええっ! 人でなしいいいいっ!」

「助けても良いけど他の鳥かお前の家族を寄こせや」

「鬼っ! 悪魔っ!」

「いや~~其れほどでも~~」

「褒めてないっ!」

「仕方ないだったら死期の近い親戚を寄こせや」

「鬼かアンタはっ!」

「仕方ないない~~だったら虫で良いから寄こせや沢山」

「それで手を打ちます……」



 傷ついて弱ってるスズメを口で運んで逃がしてあげました。

 何かスズメが泣いてるが気のせいである。

 そう気のせい。

 鬼畜の所業だけど。


「だから今死ぬよりマシだろ」


 だからナレーションにツッコミなや。

 そんな時にネズミやスズメを逃がしている所を家族に見つかりました。


「あ~~やだやだこの子はご飯を逃がすなんて何て愚かなんだ」

「ご飯を逃がしてお腹を空かせて倒れてもしらないよ」

「いまごろ逃げた御飯たちはお前のような馬鹿をあざ笑ってるだろうね」


 家族からの心無い言葉に反論するタマ。


「いやそうでも無いですよネズミから美味しいご飯の有る場所を教えて貰ったし」

「「「ゑ?」」」

「スズメは毎日沢山の虫を貰えましたけど?」

「「「ゑ? ゑ?」」」

「だから毎日たらふく喰えてますが何か?」

「「「え~~」」」


 唖然とするタマの家族。

 予想外の事態に混乱してます。

 というか羨ましいみたいだ。

 何しろ何の代償もなくご飯が食えるんだ。

 普通に羨ましいだろう。

 まあ~~見方によれば鬼かと思う所業だろう。

 というか鬼だ。


「ほっとけ」


 そうして暫くして独り立ちした。

 お母さんから逃げ出すように。

 愚兄達?

 知らんがな。

 いい加減虫とかネズミから教えて貰った場所のご飯に飽きたタマ。

 だから出会った犬にご飯を分けてくれるように頼みました。


「犬さん犬さんご飯をくれませんか?」

「嫌だよ図々しいそれよりお前を食べてやる」

「ふう~~戦略的撤退っ!」


 其れどころかタマを追いかけてきました。

 捕まえて食べる為に。

 恐ろしい思いをして逃げるタマ。

 必死の思いで犬から逃げました。

 そうして見上げた空に流れ星がいました。


「流れ星さん流れ星さんお腹が空いたので何か食べ物を下さい」

「断るお前はネコとしての仕事をしてはいないだろうが」

「仕事ですか?」

「働からず者食うべからずだ」

「流れ星さんネコの仕事とは何です?」

「ネズミをやスズメを捕まえる事だ」

「別に捕まえなくて良いんじゃね?」

「だがネズミやスズメを捕まえないと困る者がいる」

「知りませんがな」

「ネズミは何でも沢山食い荒らすからそれを食べてる者が困る」

「僕は困りません」

「誰かが捕まえないといけないのだ」

「だったら僕では無く他のネコで良いですね」

「お前……無責任だな~~」

「其れほどでも~~」

「褒めてない」


 タマの言葉に頭痛を堪える流れ星。


「さて……ネズミとスズメの飯を巻き上げるか」

「お前……ヤクザと同じレベルだな~~」


 呆れる流れ星。


「まあ~~ね~~でも……飯の切れ目が縁の切れ目だよ~~」

「何が言いたい?」

「そん時はネズミとスズメの命の切れ目という事さ」

「食うんかっ! 喰うんかっ! 喰うんかいっ!」

「あたぼうよっ! 其れがネコのしごとさ」

「うわ~~鬼だ此奴~~」


 流れ星は唖然とした。

 タマは優しい心の持ち主だ。

 但し自分に対して。


「ほっとけ」



 

すみません。


駄作に成りました……。


しかも伝えたいことからマッハで遠ざかりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 加筆修正お疲れ様でした。そして、「大変よくできました。」判こをぽん! 文の勢いはそのままに、さらにテンポよく面白く読めました。 二回の「ほっとけ」が、いいです。 >タマは優しい心の持…
[良い点] 感想欄を拝見しましたが、そこまで考えておられたなら「もうひと頑張り」で名作に! [一言] でも、表と裏ですからね(笑) 活動報告では恥を晒しました(怒) 絶対数百人には全国で「私の動揺」…
[一言] タマ、面白すぎるネコですね〜。
2021/12/21 16:08 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ