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ゆあのアイドル物語  作者: ゆめ
9/11

9…謎の少女

登場人物紹介

•ゆあ

かわいい系の見た目の男子高校生。女装が良く似合う。

•アノン

学園長の子供。秀才。全てにおいてパーフェクト。性別不明。

•ラノ

???

•まろん

ゆあより先にデビューしているアイドル。

自分が世界一かわいいと本気で思っている。自分より得点の高いゆあに勝負を挑む。

素直じゃない。


(なぜ…?なぜそうなる!?この流れで…!?)

明らかに動揺するゆあの様子など一切気に留めない様子で、まろんは満足気に

「明日、待ってるわ。逃げないでよね!」

それだけ言って帰ってしまった。

「嘘でしょ…ぼく、デビューしたばっかりなのに…」

…経験の差があり過ぎる。どう考えたって明日の対決はぼくの負けだろう。どうしたものか…。

ん…?果たし状をよくよく見てみると小さな文字で『自分で作詞した曲に限る』と書かれていた。

ゆあは作詞をした事が無かった。…コツなんてわからないが今の気持ちを歌にしてみよう!

ゆあは一晩かけて曲を作り上げた。

当日の朝、ぼくは早めにレッスン室へと向かった。対決は午後からだ。歌の練習やダンスの振りも完ぺきにしなきゃ…!

レッスン室へ向かう途中、練習中のまろんを見かけた。あっちも本気だ。

(本気には本気で応えなきゃ失礼だよね…!)

自分のレッスン室の前でゆあの足が止まった。

「誰かいる…?」

誰も居ないはずのレッスン室から音楽が聞こえてきた。

(一体誰が…?)

どうしても気になってしまい、そっとドアを開けてみた。

そこにはピンク色の髪をした可愛らしい女の子が居た。リボンとフリルがこれでもかというぐらいにあしらわれたお姫様のようなふんわりとしたドレスを着た女の子だ。

(ピンクの髪…あれ?この子どこかで見たことあるような…?)

彼女がクルリとターンする度に二つに結われたふわふわのツインテが揺れた。そしてなんと言っても透明感のある声がとても綺麗で聴いているだけで心が安らぐ様な…そんな表現がピッタリな美しい歌声であった。

「ねぇ、君は誰?あと…何でぼくのレッスン室に…?」

ゆあがそう聞くと、彼女は

「ラノ…私の名前はラノ…。突然歌いたくなったの」

と言った。

(不思議な人だな…)

と思いながらゆあは彼女に続けて聞いた。

「ラノ…?ラノさん?」

そう聞くと彼女はコクンと首を縦に振って頷いた。彼女はあまり話さないタイプの子なのかもしれない。

「それにしても…素敵な歌声…。心が癒やされたよ…!」

ゆあがそう言うとラノは首を振って

「これじゃダメなの…」と言ってうつむいた。

何がダメなのだろうか…?彼女の歌声はこんなにも美しいのに。

他に空いている部屋は無いようでゆあとラノは一緒にレッスンをすることになった。

ラノはゆあが作った新曲をすぐに覚えてゆあと一緒に踊って歌った。誰かと一緒にレッスンするのは楽しくてあっと言う間に午後になってしまった。

ついに対決の時間。雪が降りそうな程寒い外でまろんはゆあの到着を待っていた。だが、一向に来る気配が無い。まろんは苛立ちを隠そうともせず、ゆあに電話を掛けた。

約束の時間を過ぎるぐらいだから電話にも気付かないのでは?そんな考えがまろんの頭をよぎったが、意外にもゆあはワンコールで電話に出た。

「あなた…今どこに居るの?」

「あの…迷子になっちゃって…」

「…。迎えに行くわ。今いる場所の目印になりそうなものを教えてちょうだい。」

「…来てくれるの?ありがとう!?」

「…!?あ…当たり前でしょう!?あなたが来ないと対決にならないじゃない…!!」

赤くなっていく頬を隠すように下を向き、急ぎ足でゆあを迎えに行った。その足取りは心なしか軽く感じた。




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