3…運命の出会い?
声のした方向を振り返ると、同じくらいの背の人が立っていた。同級生だろうか…?でもそれにしては、制服のデザインが少し違うような…。
綺麗な銀髪、透き通るような白い肌、美しい紫色の瞳。全てが完ぺきで美しく、まるでおとぎ話に出てくる王子様のようだ。その人形のように整った顔に見とれていると彼がもう一度聞いてきた。
「何か困っているようだけどどうかしたの?」
間違いない…これはぼくに向かって話しかけているようだ…。彼が何者かはわからないがおそらく同級生だろう。とすると彼もこの学園の事には詳しく無いかもしれない…。
(でも…聞くだけ聞いてみよう!)
「あの…えっと…1年2組の教室ってどこにあるか知ってる…?」
「1年2組…?あぁ、そのクラスの教室ならそこの廊下を曲がってしばらく行った所にあるよ」
「あ…ありがとう…!ぼく、方向音痴で…すぐ迷っちゃって…」
そういうと彼は少し考える素振り見せてから
「まだ時間あるし、教室まで送ろうか?すぐそこだし」
「えっ!?ほんとに?ありがとう…!助かる…!」
「大袈裟だよ…君、面白い子だね」
「…そうかな…?」
「そこ右に曲がって」
「へっ?あ…!うん!」
そのまましばらく歩いて行くと1年2組と書かれたプレートが見えた。
「あった…!ここ…だよね!案内してくれてありがとう!…えっと名前…」
「そういえばまだ言ってなかったね。僕の名前はアノン。君と同じ1年2組だよ。よろしく」
(やっぱり同い年だった…!)
「ぼくの名前はゆあ…!これからよろしくね!」
よろしく。そういうとアノンは少し用事があるからと言ってどこかへ行ってしまった。
用事ってなんだろう…?まぁいっか。自分のクラスの扉を目の前にして胸が高鳴った。
(同い年の友達…たくさんできるといいな…!)
ゆあは教室の扉を勢いよく開けた。