2…祝!入学!!
正門を抜けピロティーに入るとクラスの振り分けが書かれた紙が壁一面に貼り出されていた。
「えぇっと…ぼくの名前…ゆあ…ゆあ…あった!ぼくの名前!」
昔から憧れていた学校のクラス分けに自分の名前が入っていると思うと、嬉しくてしかたが無い。まぁ、ぼくの場合、知っている人は一人もいないのだけれど…。楽しい高校生活を夢見て今日まで頑張ってきたのだ。
(精一杯楽しもう!)
校舎に入ってみると予想通りどこを見てもピカピカで電球もLEDだった。流石、この街1番の有名高校…地元のオンボロ中学校とはえらい違いだ。辺りを見回すと新しい制服、ネクタイ!どこを見ても1年生だらけだ。
(ぼくの教室はどこだろう…?)
しっかり地図は見ているはずなのに自分の教室がわからない…。ゆあは方向音痴なのだ。
(もしかして地図が間違っているとか…?いや、そんな訳無いか…)
地図をひっくり返したり向きを変えたりしてみてもさっぱりわからない…。困り果ててしまったその時だった。
「どうしたの…?」
と突然誰かに声を掛けられた。
…この出会いがゆあの運命を変えるきっかけになっていく…少しずつ、少しずつ歯車は進んでいく。