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ノゾキアナの恐怖シリーズ

ノゾキアナの恐怖 変

作者: リィズ・ブランディシュカ



 俺は今日も、アパートにあるノゾキアナから隣の部屋の彼女を見つめる。

 彼女は最高に可愛い。

 日課としていつも眺めてるけど、色褪せない美って本当にあるんだな。


 歩いている姿も、立っている姿も、すべて可愛い。


 居間で食事をしている姿とか、くつろいでいる姿も最高だ。


 隣の部屋にあんな美人が越してくるなんて、俺は何てラッキーなんだ。


 この部屋にはもとからノゾキアナがあったけど、隣の部屋にいた前の住人のいびきとか、どうでもいい話し声しか伝えてこなかった。

 けど、それがこんなにも役に立つものだったなんて。


 誰がノゾキアナを作ったのかしらないけど、ありがたく使わせてもらう事にした。


 最初に使った時のわずかな罪悪感はすでにもう吹き飛んでいた。

 俺はすっかり開き直って、ノゾキアナを使い続けた。


 しかし、数日後に異変が起きた。


 ノゾキアナで見ていると、その部屋にいる彼女が何かに怯え始めたのだ。


 原因は音だった。


 彼女は一人暮らしだ。

 家族と住んでいるわけではない。


 なのに、ガチャガチャとドアノブの音をたてて、その部屋に侵入してきた人間がいたのだ。


 部屋の主に声をかけずに無言で入って来たそいつは男だ。


 まさかと思い、俺は自分の部屋を飛び出して、彼女の部屋にやってきたその男になぐりかかった。


「彼女の部屋から出ていけ!」

「何を言ってるんだ。この部屋は俺の部屋だぞ!」

「そんな馬鹿な事があるかっ!」


 だが、彼は嘘をついていなかった。

 その部屋に元々いた女性は、俺達が持ち合っている内に逃げ出して、二度と戻ってこなかったからだ。



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