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なせば大抵、どうにかなる

ひたむきに訓練していれば、ステータスだっていつか伸びるはず、そう考えていた。

あれから四年と何ヶ月か経ちました、ですがステータスは相変わらず1のまま、ナチュラルスキルの解放もできていません。マグナイツ学園の入学試験はもう、一週間後に迫っているというのに。


いや、訓練の成果はすごいでてるんだよ。多分。

体力も力も弱いけど体の使い方はよく知ってるし。木登りでも崖登りでも壁キックでも三段ジャンプでも水面を駆け抜けるでも、なんでもできるよ!疲れを気にしなければいくらでも連続で運動できるからね。精神力次第じゃ、もう体力無限みたいなもんだよ。


戦闘術はやっぱ、力が弱いからイマイチ伸び悩んでるけど、相手の攻撃をいなす事に関しちゃ誰にも負けない!


でも、魔法が一番好きかな。魔力の問題で結局魔法の矢しか使えないけれど、魔法の矢に関しちゃプロフェッショナルだよ。今では、3000本までなら自由に操れる。束ねれば単純計算で威力は三千だからね、ステータスが低くても魔法ならコントロールだけで戦えるんだよ。だから好き。


うん、こうやって考えるとステータスが1で固定って、だいぶチートかもしれない。まあその分、最初からステータスが高い人たちよりも努力したわけなんだが。


でも、スキルがまだ条件解放できてないんだから、スキルの効果は別の効果があるはずなんだけど。いくら考えてもさっぱり分からない。


でさ、俺思うんだよ。

せっかく異世界に来たのに、異世界の美少女とまだ出会えてない。

てか、そもそも、両親とあとは買い物に行く店のじいちゃんばあちゃん以外の人すら出会っていない!やばい!俺まじ箱入り息子だわー。


異世界転生って言ったら、やっぱチートで無双して可愛いヒロインたちのハーレムを作る!これが醍醐味だろ!いつになったら出会いがあるんだよ!


学園にさえ入っちゃえば、同年代の子と出会うことができる。学園に入らない道もないわけではないが、やはり、異世界の学園生活は体験しなければならない。

だから、俺はマグナイツ学園に何としても受からなければならないんだ!


今年の試験の要項

面接と実技で裁量を決めます。

面接……ステータスとスキル、その後の進路についての質問等 1000点

実技……戦闘術と、魔法の二科目 計500点

戦闘術……試験官との戦闘 150点

受験生同士の戦闘 100点

魔法……魔法披露(持ち時間五分の間、自分の魔法を披露する。いくつ魔法を使用しても構わない) 250点



これもう、ほとんど積んでないかな?

面接の配点高すぎだろステータス至上主義にもほどがあるよ。

正直、実技の方は満点を取れる自信がある。てか、せめて実技だけでも、と、四年間訓練して来たのだから。

でも、それでも、三分の一しか点を取れない。これは辛い。毎年の合格基準は四分の三、王都にある国立校は伊達じゃない。

これで、せめてスキルだけでもわかってれば、面接での戦いようはあるのだが、スキル不明でステータス1は地雷すぎる。


そんなことを考え悩んでいると、父が話しかけて来た。


「なあ、スキルを身につけてみないか」

「どういうこと?」

「ステータスが伸びるかは分からないが、ステータスアップのスキルを身につけるのはどうかと思ったんだ。そうすれば、試験官にも話せる内容が増えるだろ」


なるほど、その手があったか。

この世界では、ナチュラルスキルの他にも様々なスキルを条件を満たすことで身につけることができる。

しかし、その条件はとても12歳やそこらで身につけられるものではない。


「ヒイラギはステータスこそ伸び悩んでいるが、体の使い方や魔法は一流といっても過言ではない。スキルの一つや二つ、身につけることだってできるはずだ」

「分かったよ。それで、どんなスキルを身につけるの?」

「ふっふっふー、父さん考えたんだよ。これなんてどうだろうか」


そう言って、自信満々に本のページを開いて見せて来た。

そこには、


〜スキル[肉体強化レベル10]〜

効果……一定時間体力と力を3倍にする

解放条件……二十四時間歌いながら走り続ける(ブレスは三秒まで)


と、書いてあった


「できるか!」

「痛い!」


そう叫んで、クスノキに本を思い切り投げつけた。


その後挑戦してみたところ、できました。

しかし、スキルを発動してもステータスは何も変わりませんでした。


余談ですが、このスキル父も身につけているそうです。

あの親にしてこの子ありですね。

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