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転生祭り


その日、世界に百通の招待状が届きました。

そこには、このように書かれていました。


ー招待状ー


今、この手紙を読んでいるあなた。

世界を救ってみませんか?


救いたいと思ったあなたは、この手紙をこのまま破り捨ててください。

そうでないならば、静かに折りたたんでください。一度折りたたんだら、この手紙は消えます。


ー転生協会よりー



俺は、手紙を有無を言わさずに破り捨てた。

すると、世界が闇に包まれた。

闇の中から、声が聞こえる。


「この度は、契約いただきまことにありがとうございます。私、転生協会の使いのものです。本日、谷川柊様の転生を案内させてもらいます」


えっと、待って。理解が追いつかない。

え、転生って、こんな感じなの?

俺の想像してた転生って、もっとこう、神様の手違いでーって感じなんだけど。


「偉大な神様が、そんな手違いなんて起こすわけがないでしょう」


え、これ、聞こえてるの?


「はい、より正確な転生システムの運営のために、柊様の思考はすべてこの空間では筒抜けです」


なるほど。


「ご理解いただけたようなので話を続けますね。今回は、第四十五世界を救ってもらうために、その資質がある方を第三世界の人間から百人選び出し、先ほどの招待状をお送りしました」


世界ってそんなにあるんだ。


「はい、現在、世界は第六十世界まで存在しております。ちなみに、第一世界が神々の住まう世界、第二世界が我々転生協会員などの天使が住む世界、第三世界からあなた方のような者が住む世界となっています」


天使だったんですね。


「はい、天使です」


そのお姿を見ることは?


「なりません」


どうしてですか?


「天使ですので」


あっ、はい。


「では、あなたがこれから転生する第四十五世界について説明を始めます。四十五世界は、あなたの大好きな剣と魔法の世界となっており、ステータスが具体的な数値で表記される世界になっています。その世界の人間は生まれ持った素質で、さまざまなスキルを生まれた時から一つ持ちます。その後の人生で、スキルは条件を満たすごとに新たに解放、強化などが可能です」


本当に、俺の大好きな世界じゃないですか!

実際に、そんなゲームみたいな世界が存在するんですね。


「はい。この世界は、あなた方の作るゲームに興味を持った神が作った世界ですので」


世界作るのって、そんなに緩いんですね。


「決してそんなことはないと言いたいのですが。神が、することなので、私の口からはなんとも言えません」


中間管理職って、大変なんですね。


「そうなんです。一応、転生協会に就職できるのはエリートなのですが。どうしてでしょうかね」


話、続けましょうか。


「そうですね。先ほど述べたとおり、この世界の人には、生まれ持ったスキル、ナチュラルスキルが素質によって与えられます。転生した際に、優れたナチュラルスキルを得られるであろう人を、我々は選んで招待したわけです」


なるほど。つまり、俺はチートスキルで転生できると!


「そうなりますね。転生のサービスとして、素質に合わせた強力なスキルが与えられます」


どんなスキルになるんですか?


「それは、転生してからのお楽しみです。あちらの世界では、七歳の誕生日でステータスカードと言うものをもらえるので、そこでスキルの詳細やステータス数値を知ることができます」


楽しみです!


「つきましては、七歳までならどの時期からでも転生が可能です。転生家庭は、上の方が現在もっとも、力を発揮できるよう調整をしています」


あー、じゃあ、俺は七歳からで。


「分かりました。それでは最後に、あなたの目的についてお話しします」


はい。


「四十五世界では、十八年後、あなたたち転生者たちが十八歳になるころ、魔物を統べる王が成熟し魔王軍を率いて人間と争いを始めます。あなたには、その魔王軍を倒し世界のバランスを保って欲しいのです」


えっと、転生に頼るほどの出来事って、おかしくない?神が世界作ってんだろ、だったら、そこらへんのバランスは取れるはずじゃない?


「この世界を作った神が、ノリでぶっ壊れたナチュラルスキルをもたせた人間を魔物の国に作り出したんです。その結果、この世界の崩壊が決まったんです。ノリで、世界を壊しかけた罪で、現在その神は転生協会に降りてはたらいています」


神、使えなすぎだろ!

え、バカなのその神!まあそのおかげで、転生できるんだから、いいか。


「えっと、その神があなたのナチュラルスキルの設定をするので、なんて言うか、今のあなたの思考も筒抜で、えっと、あとは察してください」


え、聞いてるのか、これ。

神様!神様は素晴らしいです!あなた様のおかげで、私は夢だった転生をかなえられるのですから!ああ!感謝しても、したりないくらいですよ!


「あー、がんばってくださいね!」


なにその、同情する感じ、


「それでは!転生を始めます!あなたの人生にどうか幸多からんことを!」


こうして、俺は第四十五世界、剣と魔法の世界に転生した。


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