表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡な男子の非平凡生活  作者: もげラッタ星人
9/13

九話 しおりと俺と

「……い……ーい……おーい」

「浩介ー、起きてーついたよー」

「爆睡やったなー浩介www」


三人の声で俺は目を覚ました。目をこすりながら周りをみると、行きに乗ってきた普通電車の中で

今は通過の急行を待っているようだった。駅名を確認すると俺としおりが降りる駅だった。

俺はさっきまでの景色が頭から離れない。


(今度この電車の終点まで行ってみるか…)


「ねえ、浩介聞いてる?というか起きてる?」

顔の真ん前にしおりが顔をずいっと寄せてきた。俺は一瞬焦った。しおりの顔がここまで近くなることなんてあまりないし、ましてやしおりの顔なら尚更だ…


「起きてるし、聞いてる」

「なら良かったー」


俺はぶっきらぼうに答えたが、しおりは御構いなしのようだ。これでこそしおりだと俺は思うが…

そんなことしているうちに急行列車が警笛を鳴らしながら、駅を勢いよく通過した。沈みかけた陽の光が点滅しながら車内を照らす。


ーまもなく、この電車は発車いたします。扉にご注意くださいー


唐突に流れたアナウンスを聞きながら、しおりと俺はホームに出る。雄亮ゆうすけと高橋さんは電車の中から手を振ってくれていたが、電車が発車する時にはまたなにか言い合っていた。

電車がホームを出ていった後、俺としおりは改札に向かった。


「そういえば、浩介どんな夢を見てたの?ボソボソなんか言ってたよ?」


しおりが唐突に聞いてきた。少し俺は焦ったが、いつものように

「特に何も見てねえよ」と言い放つ。

「ふーん…まぁいいっか。それより浩介ー家まで送ってー。お願い♡」

「は?なんで?」

「だって暗いし、一人じゃ怖いもん」

「へえ、しおりみたいな見た目からは想像できないゴリラおんn…っていたいっいたいっ」

「私全然力強くないもん。か弱い女の子を一人にする子じゃないよねー浩介くん♡」


(誰が、か弱い女の子だ…)


俺は、しおりに掴まれた手をさする。相変わらず女子とは思えない力だった。見た目と言動からすると想像もつかないほど強い。しおりの父親が空手を教えていたらしいが、こっちにはいい迷惑である。


「ねえ、送ってよー。浩介ー」


俺の痛さなど、知らずにまだ言ってくる。さすがに二発目は食らいたくないので

「わかった、わかった。その代わり、今日だけだからな」と俺は言い放つ。

しかし、こうは言うもの結局送ってしまう俺だった。俺の前を軽やかに歩くしおりの後ろ姿に俺は少しドキドキした。


(昔から見てるのにどうしたんだろ俺…)


俺は何気に上を見上げるとそこには満月が煌々と夜の街を照らしていた。




更新が遅くなってしまいました。何かと忙しく、インフルエンザと格闘中です泣

読者の皆様をお待たせしてすいません。また不定期更新になりそうですが、どうか宜しくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ