4.改造
ブリキ女という言葉にプリスは顔を近づけた。その顔にあるフェイスガードのバイザーのしたから視覚センサーの電光が点滅しているのがわかった。それはプリスの感情の変化を表していた。
「まあ! ブリキとはひどいわ! もうすぐあなたもどんなものか分かるわよ。この素晴らしいモノの内臓になる事がね。その前にあなたの内臓なんかをね機械娘のシステムと結合してあげるわ。この時少し気持ち良くなるわよ!」
そういったあと麗良は本当に気持ちよくなっていた。その時彼女の身体は興奮に激昂していたが、その心は恐怖に支配されていた。身体が乗っ取られるのではないかと!
「いやよ、やめてよ、いやよ、はあ! あたいは人間よ! あんたのようなブリキ女になりたくないわ! いやよ、いやあ!」
麗良は抵抗の言葉を口にしていたが、身体は受け入れつつあった。彼女の身体は機械娘の外骨格と生体を同調させる初期化が行われていた。気持ちよくなった麗良の生身の部分は機械娘の駆動装置に変えられていた。初期化によって女の身体はクレアに早くなる事を望んでいた。
「もうすぐねえ、あなたがクレアに私たちの仲間になるのは。わかるわよ機械娘の素晴らしさが」
「いやよ、分かりたくないわ! そんなものなんか」
「そんなことを言って後で自己批判しないでちょうだい! なんで理解できなかったのかんてね。いい? はやくクレアの駆動装置におなりなさい!」
プリスは女の、クレアの駆動装置の素体の身体を嘗め回すように触った。その手はザラザラしていたが、その刺激が彼女の身体にある種の想いを想起させていた。プリスの身体のようになったらそうなるのだと、そうなれば何かが変わるのだと!
プリスは女の身体を一通り撫でまわした後で、彼女の顔にもう一度近づけた。
「あーら、あなたって結構良い素材しているわね。人間として置いておくのも悪くわないけど、私のように機械娘になるほうがもっといいわよ。あなたのその身体はクレアの内臓に生まれ変わるのよ。そしたら、もう二度と人間体で暮らすのがいたになるわよ」
そういって機ぐるみに閉じ込める準備が始まった。女は自分が「改造」される材料に過ぎない事を思い知らされた。真っ赤なクレアが自分の横に置かれたが、その中に入れる材料が自分なんだというのだ!
「いやよ! いやよ! そんなボディの中に入るなんて! あんた本当は機械で頭がおかしくなっているんじゃないのよ! 気持ちよくならないはずよ! そんな金属に覆われたら暑くてしかなないでしょ!」
女は抵抗したが狭いカプセルの中で固定され身体も思うように動かないので、むなしさの方が募るだけだった。そうしたなか、女の白い身体に最初の外骨格がはめられた。その時彼女の脳裏にものすごい衝撃が走った。なんて気持ちいいんだろうかと! 彼女の顔は快楽で歪んでいた。最初にはめられたのは腰の部分だった。腰にはめられた外骨格から排泄用ドレーンなどが挿入され気持ちよかったのだ。
「どう? 気持ち良いでしょ! あなたはねえクレアの内臓なんだから上手に接続してもらわないとこまるのよ! 外骨格と!
そうそう外骨格には体温調整機構と皮膚呼吸代行機能などが備わっているから、これから外骨格があなたの皮膚になるのよ!」
プリスはそういって次々と女の身体をクレアのボディに変えていった。彼女の白い肌もそれなりの胸も、細い手足も、軽量金属と超強化樹脂の複合材にピンクの保護膜を纏った外骨格に覆われて行った。外骨格の内側にあるナノマシーンが女の汗穴などから侵入し、外骨格と内臓たる女の身体を結合させていった。結合がすすむにつれ、女はクレアとして自覚するようになった。
「わたしの身体は・・・機械なの・・・」
外骨格に覆われた鏡に映る自分の姿をみて麗良は呆然とした。自分のボディラインは残ってはいるが、引き締まったウエストはエナメルのバックのような光沢を放っており、緩やかなカーブを美しく描いていた。




