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Walk Hand in Hand  作者: 阿瀬 ままれ
第二章 ニンジャと名乗る泥棒猫
13/66

 それから、二人は駆け足で道なき道を突き進んでいった。先程は道に沿って歩いていただけだったので、そこまで迷う気にはならなかったが、こうして樹木に囲まれると、ラースもいよいよどこにいるのか分からなくなってしまった。

 数分ばかり進んだところで、ラースは足を止めて周囲を見渡した。しかし、どの方向を見ても、視界に入って来るのは木、木、木──。それも、奥の方まで隙間なく広がっていて、その先がほとんど見えないほどだ。昼頃であるにもかかわらず、その上空は枝葉に覆い隠され、日光が微々たりとも差し込まれることはなかった。

 こんな薄暗い上に、どこにいるのか分からない状況で、アイツを見つけ出すのは無茶にもほどがある──。腹立たしく思い、ラースは大きく舌打ちをした。

 耳を澄ましてみても、足音や枝葉を掻き分ける音は聞こえてこない。となると、女の子は今、逃げているよりも身を潜めている可能性の方が高い。まだそこまで距離は離れていないはずだと、ラースは自分に言い聞かせ、捜索を続けた。


「ラースさん……」


 一緒に女の子を捜していたセラが、ラースに声をかけた。


「何だよ? こんなときに」


 ラースは苛つきながら返事を返した。


「あ、スミマセン……ちょっと、あの子のことで気になって」

「あのこそ泥が、どうした?」


 歩みを続けながら、セラが言う。


「あの子……一体どこの文化の人なのかなって。身なりとか、何もかもが私達と違うから……」


 その言葉に共感し、ラースは一度立ち止まって考えた。確かに、あの身なりに身に覚えはなかったのだが、心当たりはあった。


「あれは……ニンジャ、だろうな。きっと」

「ニンジャ、ですか?」


 言い慣れない口調で言葉をなぞるセラに対し、ラースは少し自信ありげにうなずいた。この時、ラースはネムヘブルで騎士が言っていたことを思い出していた。


 ――『ニンジャ』と呼ばれる者逹が使う道具の一つで、『煙玉』と言う物らしい……。

 ――どうだ、なかなか便利なものだろう? 貴様の視界を遮るにはとても十分な代物だ……。


「あの時、騎士はあれを『ニンジャが使う道具』って言っていた。もしそれが本当なら、アイツはきっと……」


 セラも、昨日の出来事を思い返してみる。確かに、あの時騎士が使っていた物と、先程女の子が使っていた物は同じ物だった。


「まぁ、結局ただの予想に過ぎないがな。ニンジャかどうかなんて、あの泥棒猫を取っ捕まえりゃいくらでも聞き出せることだろ」

「そうですね……」


 ラースが鼻でため息をつきながら続ける。


「だからよ。今は口を動かすんじゃなくて、泥棒猫を捜すことに集中しようぜ」

「分かりまし……た……」


 何気なく横を向いたとき、一本の木の幹を目にして、セラは呆然とした。


「……セラ?」


 変に思ったラースが訊くと、セラは視線を逸らすことなく、木の幹に指を差して言った。


「ラースさん、いました。あの子」

「はぁ?」


 セラの言葉を理解できず、ラースは眉をひそめた。そんなあっさりと見つかるわけがない……と思っていたのだが、セラが指差した方向を見るなり、ラースも同じように固まってしまう。


「あれって……そう、ですよね?」


 セラの問いに対し、ラースは首を縦に振った――これは逆に、そうでなければおかしい。木の幹から視線を外すことなく歩み寄り、目の前まで来たところで、ラースは木の幹に向かって声を上げた。


「おい、見つけたぞ」

「えっ!」


 木の幹から、酷く動揺した声が返ってくる。


「な……何で分かったの?」


 女の子の問いに、セラが少し離れた所から答えた。


「派手です。すっごく」

「まぁ……派手、だよな。かなり」


 ラースもセラの言葉に同意した。ラース達の視線の先で、女の子は木の幹に背中を付けながら、鮮やかな花柄の風呂敷を広げていたのだ。どうやらそれで身を隠していたつもりだったようだが、森の中に合わない風呂敷のきらびやかさに、傍から見れば目立つことこの上ない。


「あっ! 表裏間違えてた!」


 風呂敷の上から顔を覗かせながら、女の子が叫ぶ。


「ほ……本当は、こうやって隠れるはずだったのに……っ」


 焦った様子で弁明しながら、女の子は風呂敷を裏返してみせる。すると、花柄の裏は、周囲の木々の幹と同じ絵柄になっていた。


「うわぁ、凄いです! 本当に見ただけでは分かりません!」


 再び、セラが目を輝かせる。


「へへーん! どうよ、凄いでしょ!」


 セラの反応を聞き、女の子は得意気な笑みを浮かべる。確かに、風呂敷を裏返したことによって、女の子は背景に溶け込み、目視してもそこにいるとは容易に判断できなくなった。


「でも、もう遅いよな。今頃隠れても、とっくにばれているわけだし」


 ラースの一言により、女の子の表情から笑みがみるみる失せていく。


「なぁ、今度こそ大人しく……」

「遅くなんかなーい!」


 そう女の子が叫ぶと、女の子は白い玉を一つ放り投げた。辺りを濃い煙が包み、またしてもラース達は視界を遮られてしまう。


「隠れる手段なんか、他にもまだあるもんね! そう簡単に捕まってたまるもんかよ!」


 べえと舌をラースに突き出して、女の子は再びラース達の前から走り去って行った。


「……あっ! あの子がまたいないです!」


 煙が晴れ、再び女の子が姿を消したことに気付き、セラは目を丸くした。


「ラースさん、早くあの子を追いかけないと……」


 慌てた様子でセラが言うも、一方のラースはというと、焦ろうにも焦ることができなくなってしまっていた。あの女の子が、また潜伏になっていない潜伏を繰り返すのかと思うと、むしろ微笑ましくすら感じてしまう。気の抜けた返事をしてしまうのも致し方ない。


「そんなに慌てる必要はないんじゃないか? また隠れたとしても、多分またすぐに見つかるんだろうし」


 そう言って、ラースは後頭部を掻きながら面倒くさそうに歩き出した。セラはラースの言葉がとても信じられない様子で、疑念を抱きながらしぶしぶラースの後を追った。

 女の子がすぐに見つかるかどうか――。結論から言って、ラースの予想は間違っていなかった。再び歩き出してから五分も経たないうちに、ラース達は、不自然なほどに整った直方形の岩に遭遇した。


「おい、お前だろそこにいるの」


 やけに綺麗な形の岩に向かって言うと、「ギクッ」というあからさまな声が岩の中から返ってきた。


「不自然だよな? こんな整った形の岩なんて」

「……不自然じゃないです」

「何丁寧語使ってんだ? 口調を変えたところで、ばれてるものはばれてるんだよ」

「人違いだって!」

「ならそのへんてこな箱をどけてもいいんだな? 人違いだって言うなら、姿を見られても別に問題ないもんな?」

「あーもぉーっ!」


 女の子がやけになりながら、岩の中から立ち上がって姿を現した。


「もうそろそろ逃げるの止してくれないか? これ以上、無駄なことを繰り返すのもだるいだけだからよ」


 ため息混じりにラースは言ったが、女の子は依然として抵抗の姿勢を崩さなかった。


「ま、まだだからな! まだ他に隠れる方法が……」


 気付くと、女の子は腰のポーチに手を忍ばせて、中身を漁っていた。それが煙幕を取り出すためならば、面倒なことになりかねない。また煙を巻かれて逃げられてしまったら、同じ手間をかけることになる。

 それだけは困ると思い、ラースがすぐに女の子の手を止めようとしたときだった。それとほぼ同時に、女の子はふと、あることに気付き、硬直した。


「煙玉がない」


 女の子の一言により、その場に長い沈黙が流れる。


「……いや! こうなったら自力で逃げ切ってやる!」


 叫ぶや否や、女の子は不意を突くように、ラース達に背を向けて走り出した。

 すぐ近くにある一本の木の前で足を止めると、女の子は軽く跳び、幹の少し高い位置に足を強く踏み込ませた。幹の反対側に目をやり、一番近くにある別の木に狙いを定めると、今度はその幹に向かって跳躍し、片足を付ける。

 壁を蹴る要領で、女の子は二本の木を行き来しながら上へと登っていった。その一連の動作は、人が普通に地面を走るのと同じくらい滑らかだった。


「へんだ! かけっこも得意分野だからね、あたしは!」


 枝葉まで辿り着いたところで、女の子はラース達を見下ろしながら、小生意気に笑う。


「ま、捕まえられるものなら捕まえてみなよ!」


 挑発的な言葉を残し、女の子は枝の上を足場にして跳び、その場から逃げていった。


「ら、ラースさん……!」


 セラがどうすればよいか分からずに困惑する一方で、ラースは心底面倒くさそうにため息をついた。


「セラ、悪いがお前も下から後を追って来てくれ」


 それだけを言って、ラースはセラの返事を聞くこともなく、先程女の子が足をかけた木に向かって走り出した。速度を落とさずに幹に足を踏み込むと、女の子と同じように木々を足で行き来し、登っていった。枝葉の所に辿り着くなり、ラースは女の子が逃げていった先に体を向けた。


「ま、待ってください!」


 慌てて呼び止めるセラに目もくれることなく、ラースは枝を飛び移りながら女の子を追っていった。


 木の上でならそう簡単には追いつかれないだろうと、女の子はどうやら高を括っていたらしい。ラースがまっすぐ進んでいくと、女の子の姿はすぐに見つかった。枝の上に腰掛けながら、女の子は鼻歌混じりに、ラース達から奪った荷物の中身をがさごそと漁っている最中だった。

 速度を落とすことなく飛び掛かり、ラースは女の子を掴もうと手を伸ばした。しかし、直前に蹴った枝がぽきりと折れてしまい、その音で女の子に気配を気付かれてしまう。金切り声を上げながら跳んで逃げられてしまい、ラースの伸ばした手は惜しくも空を切った。


「チッ……まるで猿だなこりゃ!」


 先程まで女の子が立っていた枝に着地しながら、ラースは再度舌打ちをこぼす。対して女の子は、反射的に避けたせいで、足場を失ってしまった。


「危なっ……!」


 しかし、冷や汗をかきながらも、女の子は意外と冷静だった。ポーチから今度は鉤縄を取り出すと、女の子はそれを別の木の枝に引っかけた。そして、振り子のように上へ上ると、女の子は鉄鉤を外し、近くにあった枝に着地した。


「しつこいんだよお前~ッ! いい加減諦めろって~!」


 着地するなり、女の子は縄を片手で掻き集めながら、ラースに怒声を飛ばす。それを聞き、ラースは再び青筋を立てながら笑った。


「ハハハ。てめぇ、どの立場でものを言ってんだ、ア? てめぇこそとっとと観念しろ!」


 ラースが女の子に狙いを定め、枝を踏み込んで跳び、また手を伸ばす。


「うわっ! ちょ、タンマ!」


 まだ縄を集めきれておらず、女の子は焦りを見せる。だが、咄嗟の判断で、女の子は枝から降り、縄を持っていない手で枝を掴んだ。

 またしても避けられてしまい、ラースは枝の上で体勢を崩す。途切れ途切れのこの足場では、急ブレーキをかけることも難しい。


「えいっ!」


 その一瞬の間に、女の子は片手を捻らせ、鉤縄を一気に手繰(たぐ)り寄せた。同時に、女の子は足を振って反動をつけた後、もう一方の手を放し、前方に見える別の枝に飛び移る。枝に手をかけると、鉄棒のように一回転し、その勢いで上に跳び、枝に着地した。

 女の子の身のこなしには、ただただ感心させられるばかりだ。おそらくは、あれがニンジャ特有の身体能力なのだろう――。やはり一筋縄にはいかないかと、ラースは舌打ちを零しながら、再び逃げていく女の子の後を追う。


「だーかーらー! しつこいってばあ! しつこい男は嫌われるんだぞ!」


 諦めずに追ってくるラースに対し、女の子は足を止めることなく叫んだ。


「知ったことかよ! そっちこそ、お前が今担いでる荷物さえ返してくれれば、俺も追うのを止めてやるよ!」

「んなっ……! 無理! 絶対渡さない! これはあたしの物だもん!」

「あーはいはい、お前の気持ちはよ~く分かった。お望み通り、とことんまで追いかけ回してやる!」

「うげっ!」


 ラースの言葉を境に、二人の速度はさらに増していった。

 右、左とじぐざぐに跳びながら、ラースは女の子の後を追っていく。最初は距離を縮めることで頭がいっぱいだったのだが、少しして、ラースはふと、自分達はノアールのどの辺りにいるのだろうという疑問を抱いた。こうも不規則に動いていると、自分達がどの方向に向かっているのかすら分からなくなる。

 少しでも現在地の手がかりが欲しいと思い、ラースは速度を下げることなく、一瞬だけ上を見上げる。だが、空は枝葉によって隙間なく埋め尽くされ、覗くことができなかった。

 分かってはいたことだが、改めてそのことを知ると残念に思い、ラースは首を垂れる。そして、今は泥棒猫を追いかけることだけに専念しようと、前を向き直したときだった。


 視線の先の光景に、ラースは目を丸くした。今まで決して光の見えることがなかったこの森で、奥の方から一筋の光が差し込んできていたのだ。

 それは、湖のある所のような仄かなものではなく、何にも遮られずに日光が降り注いでいるかのような、強いものだった。森の外に出られるとラースは思ったが、すぐに綻ぶのを止めた。道から大きく逸れてここまで来たのだから、まだノアールの森を抜けていない可能性の方が高いだろう。ともかくこの先を確認しなければと思い、ラースは女の子に続いて、光の奥へと身を投じた。


 しばらくぶりの、外の光。すぐに目が慣れず、ラースは思わず瞼を閉じてしまう。だが、もうこの先に木々が乱立していないことだけは、一瞬だけだが確認できた。

 枝から飛び込みながら、二人は芝生の地面に着地する。次第に、目が慣れてきたようで、ラース達は瞼を開かせ、前方に何があるのかを確認した。すると、視界に入って来たのは、澄み渡った青空、果てしない大海……言い換えれば何もない。森の中を突き進んでいった先に待ち構えていたのは、家十軒を縦に並べても及ばないほどの、非常に高く険しい断崖だった。

 女の子は愕然とし、ラースの方は勝ち誇った表情を浮かべた。森を抜けたわけではなかったというのが少し残念だったものの、泥棒猫を追い詰めることができただけでも十分だった。


「随分と手こずらせやがって……。さぁ、そろそろ観念してもらおうじゃねえか」


 ラースがこきりと拳を鳴らしながら、じりじりと女の子に詰め寄った。女の子は真っ青になりながら後退りをした。しかし、すぐに踵が崖と地面の境目に達してしまい、女の子は退くことができなくなる。


「こ、こっち来んな!」


 それでも抗おうと、女の子は腰の右側に装着していた小刀を逆手に取り、引き抜いて構えた。しかし、ラースは動じることなく、険しい表情で女の子に言った。


「止めておいた方が賢明だぜ。俺はあいつのように優しくはねえ。いくらガキとはいえ、戦うってんなら容赦は一切しないぞ」

「が……ガキって言うな! ガキって!」


 そう言い返しては見るものの、女の子は動揺を隠すことができなかった。虚勢を張りながらも、女の子は気付かぬうちに涙目になってしまっていた。


「ら、ラースさん! いた!」


 遅れて、セラが森の方から姿を現した。


「お、セラ。なかなか早かったじゃねえか」


 向きをそのままに、視線だけセラに移して言う。


「だって、怖かったんですもの……。暗い所に一人でいると、お化けとかが出てきそうで……」


 涙声で言いながらへたへたと座り込むセラを見て、ラースは鼻で笑う。


「なら、もう安心しろよ。今ここで終わらせれば、これ以上森の中をさまよう必要はないだろ?」


 ラースがセラに言った言葉は、女の子に向けられたものでもあった。ラースの鋭い視線に気付くと、女の子は再度、小刀を右手に身構えた。

 目付きをそのままに、ラースがさらに女の子との距離を縮める。後がない絶体絶命の状況の中、女の子は焦りを募らせながらも、打開策を見出そうとしていた。

 崖っ縁に立たされた今、これまでのように逃げることはもう不可能だ。許しを請うたとしても、相手は絶対に見逃してくれないのだろう。そうなると、やはりこの男に立ち向かうしか選択肢は残されていないんだと、女の子は悟る。


「一応訊くけどさ。見逃してって言っても、見逃してはくれないよね?」


 小刀をくるくると弄びながら、女の子は言った。


「何を馬鹿な。そんなの訊くまでもないことだと思うぜ?」


 ラースの返答を聞き、女の子は意を決した。


「じゃあ、悪いけどそこ、どいてもらうから!」


 女の子は小刀を握り直した。ラースも女の子を警戒して身構える。当たって砕けろという覚悟で、女の子が突撃しようと片足を強く踏み込ませた途端――ぼこりと、足元の地面が崩れ落ちた。


「えっ」


 何が起こったのか把握する間もなく、女の子は崩れた石つぶてと共に、崖に真っ逆さまに落ちていった。


「ぎゃああああああ……!」


 女の子の悲鳴が響く。ラース達は息を呑んだ。あとは女の子を捕まえて荷物を取り返すだけだと思っていたが、まさかこのような事態になろうとは予想だにしなかった。

 ラース達は間髪を容れずに、女の子が落ちていった方に走り出した。この足場から海面まで、かなりの高さがある。この高さから下に落ちたら一溜まりもない。仮に生きていたとしても、下からここまで引き上げることも厳しいだろう。


「おい!」


 ラースが崖から身を乗り出し、女の子に向かって叫んだ。女の子は悲鳴を上げながら、なおも海面に落ち続けている。

 もう、手を伸ばして届くような位置ではない。自分が飛び込んで女の子の身を庇ったとしても、確実に女の子を救える保障はないし、その後また陸に戻れるかと問われるとほぼ不可能だ。他に方法はないかと、ラースが一瞬考えを巡らせたとき、ごうごうと、風を切る大きな音が聞こえ、ラースの思考は停止した。

 その音は、破裂した気球が墜落するかのような勢いで迫っている。上に何かいると感付き、ラース達はすぐに顔を上げた。すると、空から降ってくる巨大な何かが見え、ラース達は目を丸くした。


「うわっ……!」


 その何かは、周囲に強風を巻き起こしながら、ラース達の目の前を一気に過ぎ去り、急降下していった。

 強風が治まったところで、ラースは瞑っていた目を開ける。すると、何かが過ぎ去った辺りに、いくつものふわふわした物が漂っていた。セラが一つ手に取ってみると、それは仄かにきらめいた朱色の羽根だった。

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