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Walk Hand in Hand  作者: 阿瀬 ままれ
序章 今、剣を振る理由
1/66

 玄関の方から、ドアを乱暴に叩く音が響き渡る。一部屋しかない小さなログハウスの中で、少年は部屋の片隅に縮こまりながら、恐怖で身を震わせていた。


 少年は追われていた。母と兄と、一緒に外で遊んでいたときに、突如それは起こった。

 田舎村ゴンガノの、平和でのどかだった日々。人々の平穏な生活を一瞬にして砕いた、二大帝国同士の戦争。何の前触れもなく現れた騎士達の手によって、村人達は老若男女を問わず、少年の目の前で斬殺されていった。地面は返り血で彩られ、ゴンガノは一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

 惨劇を目の当たりにし、呆然と立ち尽くす少年の手を、母が引っ張って先導した。群れを成して襲い掛かる騎士達から逃れるように、母は二人の子供を連れて、ログハウスの中に駆け込んだ。そして、今の状況に至る。


 恐怖で震えている最中、横で「大丈夫か」と心配してくれる兄に対し、少年は何度もうなずいた。だが、それで本心を隠すことなどできなかった。頬を伝う大粒の涙が、少年の心境を強く物語っていた。

 いくらうなずいてごまかそうとしても、はぐらかそうとしても、恐怖心が込み上がってくるのだ。怖い、怖い、怖いと……。嘘でもうなずかないと、どうにかなってしまいそうだった。


「悪あがきはよせ! 大人しく姿を見せるのだ!」


 次第に、ドアを叩く音と共に、騎士の叫び声が少年の耳を伝った。

 窓も含めて施錠をしていたが、鍵は決して頑丈な物ではない。騎士達が強行突破に出れば、すぐにでもがたがきてしまいそうなほどに脆い。

 ドアの軋む音を聞き、少年は両手で耳を塞ぎながら、ぎゅっと目を瞑った。――これは全部夢なんだ。どうか夢であって。

 そう切に願うも、騎士の叫び声も、ドアを叩く激しい音も、一切止むことはなかった。


「お母さん、見て! 火が……!」


 兄が、窓の外を指差しながら叫ぶ。

 いつの間にか、少年達がログハウスの中に立て籠もっている間に、村は火の海に呑まれていた。騎士達の付け火によるものだった。放たれた火は地面を伝い、少年達のいるログハウスにも燃え移っていた。


「このままだと、僕達……!」


 ――自分達も火に巻き込まれてしまう。そのことに焦りを募らせ、兄は切迫した様子で母に言った。

 母は、兄の言葉にうなずいてみせると、少しの間悩んだ末、口を開いた。


「分かった……二人共、ここで待ってて」


 そう言うなり、母は部屋の奥に向かって走り出し、屋根裏へと続くはしごをよじ登った。屋根裏に辿り着くと、母は天井の扉を開け、そこから屋根の上へと回っていった。

 程なくして、ばしゃんと、滝が水面を打ったかのような激しい音がこだました。少年が窓に駆け寄り、外の状況を恐るおそる覗き見てみると、家の周りは水浸しになり、燃え上がっていた炎が全て鎮火してしまっていた。

 少年が呆気に取られている一方で、騎士達は屋根の上を指差し、青筋を立てながら怒鳴り声を上げた。


「あの女、小癪にも魔法を使って来やがった!」

「上にいるぞ! 弓兵、撃て!」


 合図を受けると、弓を持った騎士達は屋根の方に照準を合わせ、一斉に矢を放った。矢羽根の風を切る音、屋根に矢尻が突き刺さる音が次々に鳴り響く。

 ――窓からでは上の状況が確認出来ない。もしかすると、母が騎士達から攻撃を受けているのかもしれない。不安のあまり少年が叫ぼうとしたとき、母が屋根の上から戻って来るのが見えた。

 戻るなり、母は急いでポケットから鍵を取り出し、天井の扉のウォード錠に差し込んで施錠をした。次に、屋根裏から覗き込むようにして少年達を確認した。少年達が無事であることが分かると、母はほっと安堵の息を吐き、一階へと続くはしごを片手で降りて行った。


「お母さん……!」


 母がはしごから降りて来るなり、少年達はすがるように母のもとへ駆け寄る。そして、母の右腕を目にし、少年は驚愕した。

 母の右腕には、おそらくは騎士達にやられたのであろう、二本もの矢が深々と突き刺さっていたのだ。


「お母さん、それ……!」


 少年が息を呑みながら、母の右腕を指差す。


「大丈夫。平気……平気よ」


 それに対し、母は肩で息をしながらも、少年達に穏やかな表情を見せ、続けた。


「クレス……ラース……手伝って。今からすぐに……玄関と全ての窓を塞ぐの」


 服の袖が血で滲んでいく。それでも、母は穏やかな顔を一切崩さなかった。


「うん……分かったよ、お母さん!」


 母の言葉に、少年達は大きくうなずいた。

 



 外にいる騎士達に、『別の侵入口を探す』という思考回路はないようだった。騎士が玄関の方に気を取られているうちに、少年達は速やかに、侵入口になりえそうな所全てを、ベッドなどで塞いだ。

 最後に残った玄関の扉を、そこに三メートル程の大きな本棚を押し込むことで封鎖する。それにより、騎士達の叫び声もドアの叩く音も聞こえなくなり、辺りはようやく静まり返った。


「ふう……最後のは結構重かったね、兄ちゃん」


 少しだけ安心できたのか、少年が息を整えながら兄に笑ってみせる。それに対し、兄も「そうだね」と微笑みながら言葉を返した。


「これでもう、奴らがここに入ってくることはないと思うけど……」


 兄の言葉に、今度は少年が大きくうなずいてみせる。三人がかりでようやく動かせたもので塞いでいるのだから、そう簡単に入れるはずがないと、少年は確信した。


「後はここでじっとしていれば、あいつらも諦めてくれるかもしれない! ね、お母さん!」


 そう言って顔を綻ばせながら、母の方を振り向いたときだった。少年の視線の先で、母は両膝をつき、矢の刺さった右腕を手で押さえながら、苦痛で表情を歪ませていた。

 少年の顔が青ざめる。服に滲む血はすでに、母の肩や胸の辺りにまで行き届いていた。家の床にも、母の右腕から滴り落ちた血が付近一帯に広がっていて、その傷の深さを雄弁に物語っていた。


「お母さん……!」


 耐えられなくなった少年達が、急いで母のもとに駆け寄る。遅れて、二人の視線に気付いた母ははぐらかすように、またすぐに柔和な笑顔を少年達に向けた。


「ゴメンね……私が、しっかりしてなくちゃいけないのに……」

「お母さん……」


 母の謝罪に、兄は言葉を返せずにうつむいてしまう。その一方で、横にいた少年は混乱のあまりむせび泣いてしまった。

 ――他の村人達は全員、騎士達に殺されてしまった。心の拠り所である母ですらも、危険な状態に陥ってしまっている。

 つい先ほどまで当たり前だった日々が、徐々に、そして確実に壊れていくのが耐えられず、少年の瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。


「ラース……おいで」


 母が穏やかな笑みをそのままに、両手を広げて少年を呼ぶ。それを聞き、少年は声を上げて泣き叫びながら、母の胸にすがり付いた。

 胸中に渦巻く不安を掻き消すように、母がそこにいるという事実を噛み締めるように、少年は自身の顔を母の胸に埋めた。




 少しの沈黙が流れた。しばらく母の腕に包まれている内に、少年は僅かながら落ち着きを取り戻すことができた。

 頬で、母の胸の温もりを感じる。耳で、母の鼓動の音を聞き取る。この暖かい感触、一定のリズムに、少年は眠気が催してくるような心地よさを感じる。

 寝付けない日はこの心地よさを求めて、よく母のもとに行き、眠りに就けるまで傍にいてもらった。眠れないときだけでなく、少年が悲しい気持ちや不安な気持ちになったときにでも、母は全てを受け止め、その腕で包み込んでくれたのだ。


 しかし、今は違う。母の懐に抱かれていても、少年の心は晴れない。不安な気持ちは霧消するどころか、募っていくばかりだった。

 少年はちらっと、母の右腕を盗み見た。母の右腕はすでに、傷口から流れる血で赤一色に染まってしまっていた。

 ――お母さんは無理をして、大丈夫そうに振る舞っているんだ。それが分かっているからこそ、少年にとって母の空元気はとても、見ていて痛々しかった。同時に、胸騒ぎを感じた……このままだと、母が、どこか遠くに行ってしまいそうな気がしたのだ。


「お母さん……」


 少年が、母に向かって口を開く。母を呼ぶ少年の声は震えていた。


「……ラース、あなた達は私が必ず守るわ。だから安心して」


 少年の不安な心を察したのか、母は少年をなだめながら、少年の背中を優しくさすり始めた。

 ――怖い夢を見たときなども、こうして背中をさすってくれたことがあったっけ。そのことをふと思い出し、少年は思わず顔が綻んだ。だが、それで決して懸念が拭い取れたわけではなかった。


 確かに、騎士達が自分達を殺しにかかるのは怖い。そして、そんな状況の中での「必ず守る」という母の言葉はとても救われる。心の支えになる。

 だが、そうではないのだ。騎士達が怖いのではなく、母が自分達の傍からいなくなってしまうかもしれないという、根拠のない懸念。それが一番怖かった。『当たり前』が徐々に崩壊していく中、それだけは、どうかそれだけは、起こってほしくなかった。


「お母さん……」


 母を抱きしめる力を強めながら、再度少年が口を開く。そして、思いの丈を打ちまけた。


「お母さん……大丈夫だよね? いなくなったりなんかしないよね? 僕、もう一度お母さんの子守歌を聴きたい……。また一緒に外で遊びたい……。もっとお母さんと一緒にいたいんだ……。だから、お願い……ずっと一緒にいて……」


 少年の思いの丈の籠った言葉に対し、母からの返事はなかった。


「お母さん……?」


 少年が顔を上げて母の顔を覗き見ると、その表情は曇っていた。気付くと、母もまた少年の顔を見つめていた。少年を見るその目は、どこか潤んでいるように見えた。

 どうしたのか尋ねようとしたとき、少年は急に、自身の顔を母の胸に押し当てられた。目を覆う形となり、少年は母が何をしているのかを視認することができなくなる。

 しかし、母の体は小刻みに震えていた。すぐ近くにいて、それだけは感じ取れた。

 まだ、自分の問いに対する返事をもらっていない。そう思った少年がもう一度母に訊こうとしたとき、ドン! という大きな音が、家の中の静寂を破った。

 その音は、玄関の方から来るものだった。驚いた少年が母の手から離れ、すぐに騒音のした方を確認してみる。そして、少年は予想外の事態に目を丸くした。玄関口を塞いでいた、三人がかりでようやく動かせた本棚が押し返されるように倒れ込んで来たのだ。


「そ、そんな……!」


 本棚に並べられていた本が、ばらばらと辺りに散漫する。玄関の扉は少年達の気付かぬ間に、亀裂が生じるほどに突き破られかけていた。

 扉の亀裂から、男達の声が侵入する。


「隊長! 奥で扉を塞いでいた何かが倒れました!」

「続けろ! もうじきその扉もがたが来る」


 騎士達の声――そのことに気付き、少年は一気に血の気が引くのを感じた。


「手こずらせやがって……そこで待っていろよ、女。総力を挙げて、貴様らの息の根を止めてやる……!」


 騎士は逆上している。扉越しにでも、騎士達が殺気立っているのがひしひしと伝わってくる。

 自分達は、騎士達の逆鱗に触れてしまった。騎士達は直に扉を破壊し、この家の中に突入してくることだろう。そうなればもう、自分達に逃げ場はない。斬り殺される末路を、怯えながら待つ他ない……。


「うあ、あぁ。ああぁぁあ、ああぁ」


 少年の口から、言葉にならない悲鳴が漏れる。

 自制心など、疾うに失ってしまっていた。あるのは一つの真正直な感情……死にたくないという感情。殺されたくないという感情のみ。全力で死を拒否するも、死に神の足音が確実に近付いてくるのを感じ、少年は発狂する。


「クレス……今から私の言うことをちゃんと聞くのよ……」


 緊迫した状況の中、口火を切ったのは母だった。

 真っ白な頭で、少年が頬の涙を拭うことなく振り返ると、母はうつむいて座ったままだった。少年や兄に目を向けることもないまま、母は兄の名を呼んだ。


「お母さん……何……?」


 焦りを隠せないながらも、兄が母に返事を返す。すると、母はゆっくりと左手を持ち上げ、部屋のある一点を指差し、続けた。


「本棚が置かれていた所……ちょうどその真下の床……そこに、外へ通じる抜け道がある……」


 兄が目を丸くする。そしてすぐに示された所に駆け寄り、その床を調べてみると、そこには母の言葉通り、床下へと繋がる抜け道があった。


「そこを通れば、村の外へ行けるわ……。そこからラースと一緒に逃げなさい……。村の外に出たら、ゴンガノからずっと北西の方角に進むのよ……。そのうちリバームルって街に辿り着くから……」


 一通り言い終えると、母は上げていた左手をぷらんと下げた。

 母の言葉を聞いた兄はうなずこうとした――しかし、あることに気付き、途中でそれを止めた。「ラースと一緒に」という部分に、母が含まれていないのだ。


「お母さんは……? お母さんはどうするの……?」


 たまらず兄が尋ねる。すると、母は歯を食い縛り、右腕の激痛に耐えながら立ち上がった。そして、今にも突き破られそうな玄関の方に体を向け、母は二人に答えた。


「私はここで……あいつらを足留めする」


 母から告げられた言葉に、少年は思わず息を呑んだ。


「クレス……ラース……安心して。あなた達は、私が必ず守る。それが私の……お母さんの役目なの。私がここであいつらを食い止めている間に……あなた達だけでも逃げるのよ」


 少年は叫び声を上げて反対した。


「嫌だ! そんなの絶対に嫌だ! お母さんも一緒に逃げようよ! 今ならまだ……」


 少年の言葉に、今度は母が首を横に振る。


「駄目よ……直に、騎士達もここに入ってくる……。もし全員でこの場から逃げたら、その抜け道もすぐに見つかってしまうわ……。誰かがここで食い止める必要があるの。その役目は……私が引き受ける」

「でも! でも……」


 反論が見つからなかった。他に母を止める方法が分からず、少年は目の前が真っ暗になるような感覚に襲われた。


「嫌だ……こんなの、嫌だ……」


 少年の頬を、大粒の涙が伝う。しかし、いくら少年が嘆いたところで、現状が変わることはなかった。

 残酷なまでに。非情なまでに。

 突き付けられた現実は、とても少年に耐えられるものではなかった。


「僕達……もう、一緒にいられないの……? もう、お母さんと会えなくなるの……?」


 絶望のあまり膝をついてうつむきながら、少年は母に尋ねた。


「ラース」


 少しの沈黙の後、少年を呼ぶ母の声が近くで聞こえた。声に反応して顔を上げてみると、いつの間にか母が少年の側まで歩み寄って来ていた。

 途端、母は片膝をつくや否や、左手で少年を自身の胸に抱き寄せた。不意のことに、少年は戸惑いを隠せない。


「……お母さんのお願い、聞いてくれる?」


 その一方で、母は少年を抱き締める力を強めながら、口を開いた。


「お願い……?」


 少年が訊き返すと、母は少年を抱き締めたまま、無言でうなずいた。そして、少年の肩に手を置いて抱擁を止め、少年と目を合わせながら、母は再び口を開いた。


「確かに、私達は離ればなれになってしまうかもしれない。それでも……」


 母が少年から目を逸らすことなく、続ける。


「信じて。私、もう一度あなたに会いに行くって、約束する。だから、それまで私のことを、待っていてほしいの」

「……本当に、必ず……?」


 少年の問いに力強くうなずくと、母は再び少年を抱き寄せ、少年に懇願した。


「必ず、会いに行くから……。お願い……信じて……」


 少年は返答に窮してしまった。

 母の言葉を、決して信用していないわけではない。でも、だからといって、母を置いて逃げるという決断ができるのか? 「無理だ」という言葉が、少年の頭に浮かんだ。

 ――お母さんを置いて行くことなんて、僕には……。


 その時、玄関の方で、再び扉に打ち当たる轟音が響き渡った。玄関の方を確認してみると、玄関の扉はすでに真っ二つに粉砕する寸前だった。

 あと何回かの一押しで、この扉は破壊される。残された時間は少ない。それを逸早く察した母は、少年を自身の腕から解放して指示した。


「……さあ。ラース、クレス、行きなさい。騎士達が来ないうちに、早く……!」


 母が少年の向きを反転させ、ポンと、少年の背中を押す。視界から母が消え、少年はすぐに母の姿を目で追う――しかし、それを遮るように、兄に自身の手を強く握られた。

 兄は、少年の手を引っ張りながら、母に教わった抜け道に向かって走り出した。少年は、兄に引っ張られながら、徐々に距離が離れていく母に向かって叫び続けた。

 お母さん、お母さん、と。

 兄が、抜け道へと通じる扉を開ける。少年が、叫ぶのを止めずに母の目を見続ける。

 母の目もまた、少年達を捉えていた。少年達を見つめるその目からは、一筋の涙が零れ落ちていた。

 少年も、泣かずにはいられなかった。お母さんと離れたくない――そう切に願うも、何度も叫び続けるも、母との距離は無情にもさらに遠のき、そして次第に見えなくなった。




 * * *




 ――この記憶は、いつのものだったか……。

 当時の記憶のことを振り返ってみると、その答えは、思いの外すぐに出た。

 ――十五年前。

 そうか。あれからもう、十五年も経つんだな……。そんなことを思いながら、青年は揺れた心を落ち着かせようと、鼻で大きく深呼吸した。

 できれば、あまり思い出したくない記憶。胸の奥隅に仕舞っていた、残酷な記憶。どうやらそれが、何の拍子にか、夢としてまた甦ったようだ。とんだ悪夢だったなと、青年は鼻で笑う。


 青年が、騎士の魔の手から逃れるように、リバームルに流れ着いてから十五年。あれ以来、青年達のもとに、青年達の母が戻って来たことは、ただの一度もない。それが何を意味するのか、青年にはもう分かっていた。

 その上で――いや、だからこそ、いつまでも悲しんでいるわけにはいかないと、青年は強く自分に言い聞かせた。自分達が前を向かずにずっと過去を引きずるのを、母が望んでいるとは思えなかった。


 もう、起きてしまおうか。青年はそう、自分自身に問いかける。

 あんな、過激なものを見せられたのだ。眠気など、すでに吹っ飛んでしまっていた。

 これ以上の睡眠は不要だ――そう思った青年が、瞑っていた目を開いてみると、いつもの見慣れた光景が青年の目に飛び込んで来た。

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