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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: Mr.RX
【便利屋の一味の大冒険】

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エロ鍛冶職人ドルク

 薄暗い洞窟の入り口に立つと、湿った冷気が肌を刺した。

 ここが使いどころだと判断し、スマホを取り出し、本日一回目のナビを使用する。


「ノア、ここから先のルート等の最適解を教えてくれ」


 手元の端末から、聞き慣れた女性の声が響く。

《涼さん、現状を分析します。現時点での探索に支障はありませんが、この大陸での戦闘強度の増大を予測》

《生身のまま旅を続けるのは、長期的に見て生存率の低下を招きます》


(ふむふむ、確かに作業着じゃそろそろキツイかも)


《せっかく腕利きの鍛冶屋に行くのであれば、今後の激戦に備え、防御力と機動性を両立したミスリルアーマーの精製を推奨します》

《ミスリルは物理防御は勿論の事、魔力防御にも優れ、その上軽量です。この洞窟内、座標X-102の宝箱に高純度のミスリルが埋蔵されている反応を検知。そこを経由して最奥の鍛冶屋へ向かうのが最適解です》


「今のうちに身を固めておけってことか。ルートは把握した、助かる」


 俺たちはノアが示した座標と道順を参考に、魔導マグライトを装備して鍾乳洞の深部へと進んだ。

 スマホナビはチートだった。迷路のような分かれ道を迷うことなく突破し、指定された地点に辿り着く。


(そうか、ライアンも恐らくこういう使い方をしているのだろう)


 苔むした石台の上に、古びた宝箱が鎮座していた。


「待って……妙な魔力反応があるよ」

 レイナが杖を向けると、淡い光が宝箱をなぞる。

「二重罠。内側に呪術がある」


 エリスが前に出て祈る。

「……解除します」

 光が包み、嫌な気配が薄れた。


 俺はマジックポーチから工具を取り出す。

「最期は俺の現場仕事だな」

 しゃがみ込み、鍵穴を覗く。

 俺は工具を差し込み、内部の引っ掛かりを一つ潰す。

「……よし」

 ――カチリ。

 宝箱のロックが外れた。

 蓋を開けると、中には月明かりを固めたような大量の美しい銀色の金属バーが収まっていた。


「これがミスリルか。よし、次は最奥の鍛冶屋だな」


 俺たちはナビを頼りに、さらに奥へ進む。

 熱気が肌を焼き、重低音のような槌の音が洞窟内に響き始めた。

 赤く燃える溶岩の流れを橋で渡った先に、巨大な金床を構えたドワーフの仕事場が見えてくる。


「着いたぞ、ここが最奥の鍛冶屋だ」


 俺たちは、ひときわ大きな炉の前で凄まじい気迫で鉄塊を打ち据えているドワーフ――港町で紹介されたドルクの背中に声をかけた。


「すいませーん、ちょっといいですかー? 俺たちはエルミナの造船所にいる親戚のガルクさんの紹介で来たんですが」


 その言葉を聞き、ドルクはピタリとつちを止めた。

「……あぁん? あの船バカからの紹介じゃと?」


 ギロリと鋭い眼光で俺たちをねめつけ、鼻を鳴らす。


「ふん、まあ話くらいは聞いてやろう。だがな、小僧。ワシに極上の武具を打たせたいなら、金なんか積んでも無駄じゃぞ」


 ドルフは、すぐ傍の作業台に視線をやった。そこには、禍々しいオーラを放つ黒い金属の削りカスが残っている。

「ついさっきも、『マスター・アサシン』が来おってな。そいつの伝説の刀の黒刀化を成功させたばかりじゃ。ワシの腕はそのレベルだが、お前さん達のレベルはどんなんじゃ?」


 カインの顔が少し曇る。

(なるほど、カインの兄貴の事か)


「で、お前さんらはワシに何を望む? そして……ワシの職人魂を震わせる『金以外の対価』として、一体何を用意できるんじゃ?」

 ドルクがニヤリと笑い、試すような視線を俺たちに向けてきた。


 俺が視線を送ると、リリアが一歩前に出た。

「まだAランクの腕で申し訳ないが、俺のアーマーをどうしても修復して欲しい」


「何?Aランクじゃと? じゃが、ワシは女に装備は作らんと決めている」


「何故だ?」


「すぐ死におるからじゃ。想像してみなされ、自分の作った武具の持ち主の死を知る時のわしの気持ちを」


「そうか……ジジイ、邪魔したな」

 と言って仕方なく諦めたリリアが後ろに振り返り、足元のアーマーを拾おうとして、ど迫力の90センチヒップをドルクの方へグイッと突き出した瞬間――

「ちょっと待ったーーー!」


 驚くリリア。

「何だ?どうかしたか?」


「あっ、えっとーえっと、そうじゃ!それじゃ!そのドラゴンスレイヤーじゃ!そのドラゴンスレイヤーはワシの作品じゃ!」


「え?」


「そうかそうか、既に装備済みか。女には持たせないというのはもう古い考えじゃな。うんうん

 よし!アダマンタイトをわしの分と合わせて二倍分持ってくるなら、アーマーどころかお前のドラゴンスレイヤーも一緒に鍛えて、パワーアップしてやろう」


「ほっ本当か?」


「いいじゃろう。ジジイは嘘つかない。ただし、準備の為の採寸は今すぐワシがやる。リリアとやら、そのままじゃ正確に測れない。すぐに下着になるのじゃ」


 ここで俺は良かれと思って口を挟んだ。

「リリアの身長、体重、それにスリーサイズとかは知ってるが……」

「だまらっしゃーーー!! しっ素人が口を挟むな! 

 アーマーは『プロ』が全身のサイズを特に正確に測る必要がある」

「涼よ、後で話がある」

 俺は悟った。後でリリアにヤキを入れられるのだと。

「まあ、採寸の為ならしょうがない。剣も防具も父の形見だしな」

 そう言ってリリアは服とズボンを脱いだ。


 ジジイはというと、いかにもな事を言った割には、胸周りと下半身周りばかりしつこく採寸し、30分以上もかけた。


 エロジジイと同じレベルにある俺とカインは、とっくに半分エロ目的な事に気付いていたが、俺たちは俺たちでめちゃくちゃ覗いてたから余計な事は言わずWinWinの関係になった。


 「おいカイン!今日は青の上下セットだぜ」

 「兄貴、銀貨払うから早く記録しろよ」

 小声で悪事を企む二人。


 エリスとレイナは流石に暇だったのか、部屋端のテーブルを借りて持参した昼食の弁当を先に食べ始めた。

「お前たちは昼飯食べにいかないのか?」

 とリリアは気を使ったが、俺たちは声を揃えて言う。

「「腹減ってないから」」


 そして、鼻血を垂らしながらジジイが言った。

「よし、完了じゃ。行っていいぞ」


 俺は真面目な顔で会話を続けた。

「あと、俺Bランクだし、ついでに出来る事じゃないのはわかってるんだが、できれば俺のミスリルアーマーを製作してほしい。こう見えてもリーダーなんだ。 これ、多めのミスリルと俺のサイズだ」

 と言ってマジックポーチから取り出したミスリルバーと、ノアから聞いた寸法を書き留めた紙を添えて置いた。


「リーダーは大変な責務じゃよな。考えておこう。スーパーレア素材のアダマンタイトは黒鉄の森の東にある黒鉄鉱山で採れる。但し、この大陸の中でも特に魔物が強いから十分気をつけろ」


「有難う、じっちゃん!行って来る」


 俺たちは洞窟を抜け、東の黒鉄鉱山へ向かった。

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