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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: Mr.RX
【便利屋の一味の大冒険】

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40/50

エリスのヒップと災厄の七武神

 キャビンはドワーフ爺さんがおまけでつけてくれたと思われる魔導冷蔵庫やコンロ、ティータイムができるカップセット、お酒用と思われるグラス迄揃ってる豪華客船仕様であった。


「皆さーん、15時のティータイムしません?」と言いながらデッキに上がってきたエリスが海水で足元が滑り、思いっきりすっ転んだ。

 その瞬間、聖女のスカートが大きくめくれ上がり、男性陣の目の前で、90センチはあろうかというド迫力の突き出したヒップをなんとか収めている純白のパンティが、全開で晒された。


「ウオッ!」

 俺は思わず声を漏らし、鼻下は通常の三倍の長さに迫る勢いで伸びた。

 カインも歓喜し、真面目なルークは目を逸らした。

 しかし一番ウケるのは、一番目の良いサスケが上からこっそりガン見していた事だ。


「イテテテ。私ったらまたやっちゃった。テヘッ」


 エリスの後にすかさずレイナが突っ込む。 


「ちょっとエリスちゃん! 涼の目の前で今のは絶対わざとでしょ!? て、 『ドスン!』 痛っーい」


 滑って転んだフリをするレイナ。

 思いっきりガン無視する男性陣。

 カインが凄んで突っ込む。

「おいレイナ!オメーは全くわかっちゃいねーな? パンツの一つも見せねーで、そんなわざとらしいのを涼の兄貴は求めてねーんだよ! 俺たちの求めてるのは完璧なラッキースケベなん……」

「【変態粛清ペナルティー雷撃ショック】!」

「ギャワーー!!」

 調子に乗ったカインが感電した。


 一通り見ていたリリアが呆れて言う。

「俺、やっぱり抜けてもいいか?」

 俺が慌てて返答する。

「それは困る。だがリリアも、もう一回下着になってくれると俺は嬉しい」

「オロすぞ?」

「調子に乗りました。ごめんなさい」


 そんなくだらないやりとりをしているうちに雲行きが怪しくなってきた。

 そして、 いつの間にか、船の周りは濃い霧に覆われていた。


 ――その時、

『涼殿! 前方から何かこっちに向かって近づいてきてるでござる』

 鷲の目を持ったサスケがいち早く気付いて報告する。


(このありがちなパターンは敵に急襲されるやつだな……。せめて平均魔獣レベル10以下でありますように!いや、低いと帰還率があんまたまらんからややこしい状態だな)


 そうこうしているうちに、巨大なガレオン船が霧を裂いて姿を現す。マストには、白い髭をあしらった海賊旗が、風になびいていた。


「また海賊かよ。サスケ!そのまま上空から偵察してみてくれ」

『御意!』


 サスケが軽やかに飛び上がり、上空からガレオン船を偵察してすぐに引き返してくる。


『涼殿、おかしいでござる。船上はボロボロで、人っ子一人見当たらないでござるよ』

「幽霊船か?」

『いや、それにしては血の付いた武器が落ちていたりと、ついさっきまで人がいたような痕跡があるでござる』


 その時だった。

 ガレオン船の後方、海面が大きく波打ち、同サイズの巨大な魔導船が浮上してきた。

 

「「なっ、なんだ!?」」


 姿を現した奇妙な形をした船の舳先に、見覚えのある大男が立っていた。


「ゼハハハハ! あの時以来だな、便利屋ァ!」

「黒ひげ……!」

「それよりどうよ?この船は? あのドワーフのジジイに蒼海石を10個も貢いで、この最新型の大型魔導潜水艦を手に入れたのさ。とはいえ、その10個は元々俺のモンじゃねえがな! ゼハハハ!」


「テメーらしいな」


「そうだ、うちの新しい副船長を紹介しとくぜ」

 

 黒ひげの傍らに立つ人影を見て、レイナの顔がサッと青ざめた。

「あっ……あいつは……!」

「なんだ、レイナ。知り合いか?」

「イザーク・メルキオール……! 元メフィストの一番弟子。 つまり、レイナの兄弟子だよ」

 レイナの声が震えている。


 俺はすぐさま尋ねた。

「レイナ大丈夫か?」


「あいつは元々凄腕魔導士だったんだけど、師匠の言う事を全く聞かずに禁呪に手を出しまくって、うちが独り立ちするより前に破門にされてるの。それに、性格がめちゃくちゃ悪いんだよ!」


「ハッハッハ。可愛い妹弟子にそこまで言われるとは心外だな」

 ――イザークが、薄く嫌な笑みを浮かべる。

 その足元の影が、不自然にうごめいた。


「あんたを本当の兄弟子だと思った事は、一度もないよ!」


「どうやら知り合いのようだな。 まあいい、とりあえずこの海に君臨していた『白ひげ海賊団』は今日、イザークと俺が壊滅させた。寝返らない奴はブチ殺して、残りは全員俺の部下となった」


 黒ひげは両腕を広げ、得意げに笑う。


「黒ひげ海賊団はパワーアップして大復活ってわけよ! そして今、イザークの禁呪のお陰でうちの幹部たちは全員能力者になって最凶だぜ? 俺に至っては、無敵の能力を手に入れた!」

「お頭!今日はその辺で……」

 イザークが冷静な声で制止する。


「そうだな、ついつい自慢癖が……。急造組織で忙しいから今日の所は見逃してやるが、俺様のライバルのお前も、強くならないとここから先は厳しいぜ?」


「生憎だが、俺のライバルはライアンだけだ」


 俺が言うと、黒ひげはニヤリと口角を上げた。


「ゼハハ、特別サービスだ。ついでに教えてやるよ」

「お頭、その辺で……」

「いいじゃねえか、今日は『新生黒ひげ海賊団』誕生のめでたい日だ!」

「……情報なら教えてくれ。聞かせてもらおうか」

「ゼハハ、お前のそういう現金なところは嫌いじゃないぜ!? 最新情報だ。前に各大陸の災厄級のヤツらが集まってるって話をしたよな?」

「ああ」

「それがな……判明したリーダーはお前もよく知ってる奴だぜ?」

「だっ誰だ?」

「光の勇者『ライアン』だ!」

 

「なっ……!?」

 俺は思わず息を呑んだ。


「世間や貴族達のヒーローの表の顔とは別に、裏で糸を引いて集めていやがったのよ。

 そしてヤツらはこれから何かデカい事をやろうとしてるって噂だ」

 

(あのチート勇者が、裏で災厄級を集めていただと?ギルガメッシュもその一人か)


「そして、そんな化け物達が全部で七人もいる! 裏の世界じゃあ、ヤツらは【災厄の七武神】と呼ばれ始めてるぜ」


(あんな化け物たちが七人も……)


 黒ひげは不気味な笑みを見せながら、魔導潜水艦のハッチに手をかけた。


「じゃあな、便利屋! 俺に殺されるまで、勝手に死ぬんじゃねーぞ!」


 言葉を残し、魔導潜水艦は再び海面下へと潜り、濃霧の中へ消えていった。


 話を聞いていたレイナが心配そうに言った。

「涼、ひょっとして……」

「ああ、恐らくお前の師匠のメフィストもメンバーの一人だろうな」


 ―――だが、とりあえず俺たちは目の前のできる事をやるしかない。

 メンバー達は不安を抱えたまま次の港町へ船を進めた。

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