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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: Mr.RX
【便利屋の一味の大冒険】

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39/50

涼一行、新魔導船で出港

 「ルーク、リリア。お前らも俺たちと一緒に行こうぜ」

 俺が声をかけると、ルークは深く頷いた。

 「ええ。次の港街は方向が同じですから、こちらこそ頼みます、涼さん」

 「俺も形見の甲冑アーマーを直すために鍛冶屋に行きたいからな。こっちこそよろしく頼む」

 リリアも力強く頷き、俺と拳を合わせた。


 「親方、色々と世話になったな。最高の船をありがとよ!」

 『おう! 気をつけて行けよ、便利屋の!』

 見送りに来てくれたドワーフの親方に大きく手を振り、俺たちは新たな船へと乗り込んだ。


 停泊していたのは、マストが存在しない全長十メートルほどの流線型の魔導船だった。


 「すげえ……! これが俺たちの新しい船か!」

 カインが目を輝かせて甲板に飛び乗る。


 「見事な魔導回路です。外装は無骨ですが、無駄が一切ないドワーフの傑作ですね」

 ルークも操舵輪の周りにある計器類コンソールを見て感嘆の声を漏らした。


 しかし、ここで一つの大きな問題が浮上した。


 「……で、誰が操縦するの? 私たちの中に航海士なんていないよ?」

 レイナがもっともな疑問を口にする。

 船の操舵輪の周りには、魔力計や見慣れない計器がずらりと並んでいた。


 「以前、小型船なら運転した事がある。それに、ノアにアドバイスを貰えばいけるだろう」

 そう言うと俺はコンソールの空きスペースに、腰のポーチからスマホを取り出し『天使の羽』のマークを指でタップする。


 「ノア。次の港町への方向と、この船のオートパイロットのやり方を教えてくれ」

 《了解しました、涼さん。最適航路を算出しました》


 ノアの画面に表示された図解と的確な短い音声指示に従い、俺が操作を終えると、操舵輪が勝手にスルスルと微調整を始めた。


 「凄い……! まるで熟練の航海士が操ってるようだ。そしてその小さな機械も凄いですね」

 ルークが目を丸くして驚嘆の声を上げる。新入りのリリアも信じられないものを見るように、俺のスマホを見つめていた。


 「しっかり掴まってろよ! 出港だ!」


 俺はスロットルレバーを一気に押し込んだ。


 ズドガァァァァンッ!!


 船体後部に備えられたドワーフ特製の『魔導スクリュー』が激しく水を掻き回し、凄まじい水しぶきを上げて船が急加速した。


 「うおぉぉぉっ!? はええええええッ!!」


 「きゃああああっ! 振り落とされるぅぅ!」


 あまりのG(重力)に、カインとレイナが甲板の手すりにしがみついて驚きの声を上げる。

 風と帆の力で進むのが当たり前のこの異世界で、まるで現代のモーターボートのような推進力。

 ドワーフの異常な技術力と、ノアの完璧な航路計算が合わさったそのスピードと安定性は、完全に次元が違っていた。


 やがて船が安定した巡航速度に入り、潮風が心地よくなった頃。

 甲板では、砕かれて錆びた重甲冑を船の荷物部屋に押し込み、私服姿のリリアが海風を浴びていた。

 俺は彼女の隣に並び、本題を切り出した。


 「なあ、リリア。ただの同乗者としてじゃなく、これから正式に俺たちのパーティーと一緒に来ないか?」

 「……この俺を誘うのか? 涼」

 「ああ。お前みたいな強い奴は特に大歓迎だぜ」

 俺が笑って言うと、リリアは満足げにうなず

 「しばらく同行してやる」

 「いいのか?」

 「かっ勘違いするなよ」

 「は?」

 「借りを返すだけだからな。あの場で命を繋いだ礼だ」

 「……なるほどな」

 「それと俺の最終目的はギルガメッシュだ」

 「わかってる」


 ――ふと、視線を少し離れた所で海を眺めていたレイナへと向けた。

 「だが涼、このパーティーには子供もいるのか?」

 聞こえたレイナが過敏に反応する。

 「……何だとー?  誰が子供よ、この筋肉女!!」

 「リリア、レイナはこう見えてもDカップあるんだぞ!?」


 俺が全力でフォロー(?)を入れると、背後から殺気が膨れ上がった。


 「ちょっと涼ォッ!! 何であんたがウチのサイズを知ってるのよ!!」

 「ほう? 筋肉女とは大きく出たな、小娘」

 「だから小娘じゃないって言ってんじゃん! 燃やされたいのか?」

 「ほう、お前こそこの剣でオロされたいのか?」


 顔を真っ赤にして杖を振り回すレイナと、余裕で応戦するリリア。

 一気に騒がしくなった甲板で、「まあまあみんな落ち着いて」とナイスガイなルークがツッコミを入れつつ仲裁に入り、エリスは「ふふっ、皆さん仲の良い事」と的外れな微笑みを浮かべている。

 操舵室の屋根の上では、サスケが『やれやれ、また涼殿が余計なことを言ってござる』とばかりに呆れたように見下ろしていた。

 ちなみに、出港時に一番はしゃいでいたカインは早々に船酔いして、今は船倉でダウン中だ。


 「まあ、なんだかんだ賑やかで悪くねぇか」


 便利屋一味の新たな船出。

 新魔導船は波を切り裂き、次なる目的地へと真っ直ぐに進んでいった。

 ―その進路の先に、巨大な“影”が潜んでいるとも知らずに。

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