「G」カップの衝撃!再び(アゲイン)
生き残った聖騎士たちが、仲間の骸を土に還していく。
敵だったアンデッドも、元を辿ればベゼルを信じて戦った同胞たちだ。
アデル大神官は最期の気力を振り絞り、散った者たちへ弔いの言葉を贈った。
神殿の重厚な門をくぐった俺たちの足取りは、疲労で鉛のように重い。
洗脳されていたとはいえ、ベゼルが背負った罪は深すぎた。
明日の国葬に彼の居場所はなく、エリスの家族だけで、この後ひっそりと別れの儀が営まれる事になった。
――神殿内
アデル大神官が握りしめていたのは、ベゼルの遺した【聖光の杖】だった。
すると杖が淡く発光し、まるで意思を持っているかのように、エリスの両手へと吸い込まれていった。
「……そうか。ベゼル、お前の願いなのだな。エリス、その杖を継ぐがいい。弟の魂は、今お前に託された」
亡き叔父の想いをその身に受け、エリスが大僧侶への階段をまた一歩、力強く踏みしめた瞬間だった。
――
その間、俺たちにはリュグレイン最高の料理が振る舞われていた。
ファルコンのサスケも国を救った英雄という事で、その姿のまま大広間に通された。
リーダーシップを発揮したい俺はあえて空気を読まずに声を上げた。
「湿っぽいのはここまでだ。死んだ者は生き返らない。だから生きてる俺た……」
「兄貴!このアーマー・チキン、めちゃめちゃ美味そう! 銀色のブーツまで履いてやがるぜ! ハハハ!」
(まだ俺が話を……こいつだけは……)
「見てみてー涼! レイナ、こんな可愛いデザート見た事ないよー」
(あっ、ここにもいたのね……)
戻ってきたエリスが泣き腫らした目で俺を見る。
「涼さん、私の大好きなポトフをどうぞ!」
「有難う、でももう泣くな、エリス」
「えーん!」
また泣かせてしまった……。
そこにエリスの母がやって来て言った。
「あらあら皆さん、本日の激闘、本当に有難うございました。こんな夜更けとなってしまいましたが、料理の次は、準備ができましたお風呂で身体を癒してからお休み下さい」
「ふーーろ! ふーーろ!!」
カインとレイナが深夜の割に異常に元気がいい。
面倒だが一応突っ込んでおく。
「子供かっ!」
「涼、話がある」
サスケが気まずそうに俺を奥に呼び出した。
「どうしたサスケ?」
「涼、謝っても許される事じゃないが、昨日から色々とすまない。お前の命を狙った俺や、レイナやエリスお嬢様迄助けてもらって。俺はお前に、返しきれない程の恩を受けてしまった」
「サスケ、今日はお前ら兄弟も活躍した事だし、その件はもう許す!
……と、心の広いヒーローなら言う所だろうが、俺はそんな単純じゃない」
「二つ要求がある」
「なっ、何だ言ってくれ。何でも聞こう」
「そうだなー。二つ目は脱衣場に着いたら言うとして、まず『ケーゴ』だ。サスケはこれから俺には敬語を使うのじゃ」
「敬語?」
「そうだ。中二のカインとギャルのレイナに言ったところで無駄だ。あいつらアホコンビは諦める事にした。だがお前は違う。二十五歳という年齢の割には心正しく、筋も義理も知っている。そして、そんなお前が皆の前で敬語を使えば、俺のイニシアチブが間違いなく上がる。イケるか?」
「わかった。いや、畏まった」
「よし、次は風呂に行こう。
英雄ファルコンは風呂にも入れるのじゃ。
俺とお前とカイン、三人の裸の付き合いだ」
「御意」
脱衣場に三人が集合する。
「サスケ、男女の風呂の境には約4メートルの壁がある。壁の向こう側にはエリスとレイナが既に入浴を始めたという、カインからの確実な情報も入っている。飛べるのはお前だけ。言いたい事がわかるか?」
「涼……殿、まさか二人を背に乗せて、妹の裸まで覗かせろと……」
「サスケの旦那~。今後の為にも兄貴の言う事は聞いておいた方がいいと思うぜ~?」
「う、うぬまでプレッシャーを……」
「あれ? 何でもするって言っただろ? それにお前だってエリスの裸見たいだろ?」
「旦那、ムッツリじゃないところを証明しろよ」
「湯船でカインのローグと雷光十字刃の自慢話を聞かされるのと、幼馴染エリスの成長した「G」を拝めるの、どっちがいいよ?」
「……了解したでござる」
いよいよ三人が運命の扉を開けて大浴場に入る。
壁の向こうからレイナの声が聞こえる。
「キャーーー、エリスちゃん、胸大きすぎー」
「兄貴、俺もうしんぼうたまらねっす」
「落ち着けカイン。よし、サスケに乗って壁の上まで運んで貰うぞ」
サスケの背に裸で乗る二人。
「ゆっくり、ゆっくりだぞ」
バランスを崩しながらも羽ばたき、3人がなんとか壁の上に到達した。
――瞬間、全裸エリスの胸を見てカインが思わず声を出す。
「ドワーーー!! (しっ、しまった)」
「馬鹿野郎!」
「その声、涼さん?」
「しまった!」
隣にいたレイナが叫び、放つ。
「ギャーーーーー!! 【泡沫・雷撃】!!」
「「「ギャーーーーー!!」」」
バッシャーーン!
感電した男三人が同時に悲鳴をあげ、バランスを失ったサスケごと男湯の湯船に墜落した。
「そもそも拙者の上に成人男子二人はきついでござる」
「先に言えよ!」
「今、兄貴もいただろ? エリスちゃん、あいつら三人本当終わってるわ」
「そっ、そうなんですか?」
「ヤバッ! エリスちゃん、ひょっとして天然? ヤバ!」
その後、更に石鹸で転んで大開脚転倒したエリスを見たレイナは、この日から完全に天然ドジ娘として認識した。
そして、俺はリーダーとしての格が危険領域まで低下していた。
それでも全く懲りない俺は、親睦を深める為に皆で広間で寝ようと提案するも、エリスママにあっさり拒否され、皆、男女別々の部屋に寝た。
流石にファルコン・サスケは外で寝た。
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