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火薬の魔女  作者: 鳥夏
第一章
9/16

同盟締結

「ん..........」


目が覚める、もうとっくに見慣れた寮の天井が視界に映る。


「あ、シセンちゃん起きた!」


レイターがタオルを片手に反応する。


「起きたんですね。」


ベルマとレイターの二人が看病をしてくれていたようだ、そこで長いこと寝ていたことに自然と感づいた。


「私ってどれくらいの時間寝ていたの?」


「3日間です」


「3日間か、結構長い間寝ていたな。」


「えぇ.....」


おもむろに暗い顔になる


「何があったの?」


ふと聞いてしまう


「科人族との戦争が始まったの。」


「国王様達から通達されました。」

      _________________________


ー 二日前・国王会議 ー


「集まるのは久々ですね。」


「ナタリアの国王よ、今回招集したのは科人族についてと聞いたが?」


「あぁ、単刀直入に話そう。ナタリア王国は科人族と戦争状態に入った。」


「科人族?あの魔法の使えない劣等種なんぞ、さっさと始末してしまえば良いだろ。」


「私も最初はそう思っていた。」


「と言うと?」


「まず、我が国に飛行物体が目撃されていたのは知っているか?」


「知っていますとも、我がオリビアでも目撃されています。」


「私たちも噂程度にですが知っています。」


「その飛行物体、我々は()()()と呼んでいるが、一昨日その飛行機の調査に腕の良い魔女3人に調査を依頼した。」


「ほう、それで結果は?」


「その3人は行方不明になった。調査の為に渡した箒がただ一本、海辺に流れ着いていた。」


「そうなると、襲われたと?戦争と言うほどの規模にはなりませんが。」


「本題はここからだ。昨日、箒82本使用し、魔女兵を科人族迎撃に出したが帰って来たのは5人だけだった。」


「はぁ!ふざけているのか!?」


「事実だ、それに科人族の戦力は飛行機が約60機、数で言えばこっちが上だった。」


「相手の損害は?」


「約40機ほど」


「5人生存に対して相手は20....」


「そして、戦闘の影響で一機が町に墜落、それにより死者7名、重傷、軽傷合わせて4名」


「今の戦力は?」


「国中の道具商から箒をかき集め約50本....」


「50本か....」


「しかしナタリアには最強の箒使いがいただろう?」


「いましたね、ベルマ一族が誇る空中戦最強の()()()()が。」


「彼女が居れば百人力じゃないか!」


「あぁ、行方不明になった調査隊3人の内の一人がその星の魔女だ。」


「何だと?」


「魔法が使えないからと言って下に見ていた結果がこれだ。」


「科人族は一体どれほどの戦力を持っている...」


「これは同盟を結ばないとだめそうですね。」


「はぁ、こればっかりは仕方ないな。」

      _________________________


「今のところ戦いはどうなってるの?」


三日間の眠りにより重たくなった体を起こす。


「待ってシセンちゃん、体拭いてたから今裸....」


「あぁ、私は気にしないから大丈夫。」


「いや、そこは気にしてよ!」


「いい物見れたぁ~」(戦況については公表はされていませんね)


「ベルマちゃん、逆になってるよ。まぁ噂では小規模な部隊がよく偵察に来ているとか。」


「そうだ、今のうちにオリビア王国に帰らなきゃ、アリスに会わないと。」


「前に話していた友達の事?」


「うん、オリビアでも科人族の目撃情報があったから心配で。」


「それなんですが...私達魔女は今、出国が禁止されていて。」


「徴兵の為に各国で出国禁止になっているんだってさ。」


「魔女学院生徒も?」


「えぇ」


「そうか...」


「なんでも箒を量産するために害獣の人口飼育の研究を始めるらしくて、魔女学院の生徒はその手伝いを行うらしくて。」


「ランクの低い害獣から初めて、最終的にはグリフォンの飼育を目指すらしいよ。」


「なるほどねぇ。」

      _________________________


ー 科人族・空母 ー


「今日も偵察任務だけか。」


「あの日、第一次攻撃で想像以上の損害を出してしまったからな。」


「あの時、生き残った魔女5人も燃料の問題で追撃できなかったのが悔しいぜ。」


「諸君、全員集まっているか、対魔女戦術に関する通達があった。

まず、魔女相手に旋回戦を挑むことは禁ずる。


飛行速度は我々が約時速450kmに対し魔女は推定時速270kmと勝っているが、魔女はホバリングを多用した旋回性能を持っている。


魔女の傍で旋回しようものならホバリング状態からの精密射撃が飛んでくる。


そのためか第一次攻撃では、基本的に旋回戦を行わない攻撃機の帰還数が多かった。


今後は高度有利から降下しながら速度を乗せて攻撃する、()()()()戦術を基本とした戦い方をするように。」


「質問よろしいでしょうか、上官」


「言ってみろ」


「今ある戦闘機を攻撃機に切り替えたりなどはしないのですか?」


「それはしない、対魔女戦闘に攻撃機は向いているが、攻撃機一機を操縦するのに2~3人必要となると人員不足によって機体数を確保できなくなる。

それと戦闘中に味方の援護を行う際には旋回性能が高い戦闘機の方が使い勝手が良くなる。

よって機体に関してはこれまで通りで行く。」


「了解」


「また、先ほどの内容を踏まえて明日には空母四隻による攻撃を開始する。

詳しい内容についてはまた明日説明する。」

読んでいただきありがとうございます。


次回も数日後です(定期)

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