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火薬の魔女  作者: 鳥夏
第一章
8/16

第一次攻撃

青々とした空を優雅に鋼鉄の鳥達が風を切って羽ばたく。

だがそれもつかの間のひと時だった。


「どうやら、迎えに上がってくれたらしい。」


「それも結構な数だな」


目の前には横並びに構える人影がずらりと並んでいる。


「数は俺達より少し多いか」


魔女兵は82人に対し、第一次攻撃隊 艦上戦闘機22機、艦上攻撃機40機、計62機


「まあ大した戦力差ではないだろう、訓練通りに行くぞ。」


「了解、out(交信終了)


無線を手放し操縦桿を握りしめ、それに合わせて自然と息を呑む。




「のこのこと出てきやがったぜ」


「さぁ同志諸君、かたき討ちと行こうか!」


横一列、一斉に飛んで行く。


ヘッドオン(正面衝突)状態から双方、銃と魔法の撃ち合いが始まる。

航空機達は魔女達の懐に入るかのような動きで加速しながらすれ違う。


風を切る音と銃声で周りの様子が確認しにくい。


横を見ると苦しんだ顔で涙を流す仲間がいた、片手で血だらけの腹部を押えながら、もう片方の手で口を押え血反吐を吐いている


普通なら即死するようなケガだろう、だが身体強化魔法により生命力が上がっているためとてつもない苦痛を味わってしまっている。


視界には他にも負傷した仲間が何人か目に留まる。


「動きを止めるな!的になるぞ!」


一人の指示により反撃を開始する。


再び突っ込んでくる戦闘機の機銃掃射を間一髪で回避し追撃にかかる。

戦闘機が旋回を始めた事により速度が落ちる、そこを見逃さず炎の槍を連発した。すると一発が翼に命中し次第に燃え広がっていく。


「これだ!」


倒し方を発見し興奮を抑えきれず、すぐさま二機目に狙いを定めた。

すれ違ったタイミングですぐさま追撃を開始した、その時後ろを向く科人族と目が合う、だが自然と視線はその下にある銀色の筒に移った。




「敵は取ったぞ!」 

燃える機体を眺めつつ厳しい目つきになる。


「下手に旋回をするな!奴らそこを狙ってくる。追撃する奴は俺が殺す!」


「あぁ、頼んだぞ」

攻撃機のパイロットは頼もしそうにそう語る。




「クッソ!押されている!」


数では有利だったが、いつの間にか互角な人数差になってきつつある。


「隊列を組みなおせ、数で押す!」


そうすると自然と周囲にいた、魔女三人組で一機の攻撃機に狙いを定める。


「痛ってぇぇ!」

魔法を撃つ右腕を弾丸が貫通する


「待ちやがれクソったれ!!」


やけくそになり魔法を連発しながらひたすらに追いかけた。

後部機銃の弾幕に対し三人がかりの魔法が放たれる。

すると一発が命中しかけた時、攻撃機は不自然にふらつく。そこを狙って一人が風魔法を放つと失速させる事に成功する。


「死にやがれ科人族!」


狙いを定めて放った魔法は機体の後部を破壊した。

操縦を失った攻撃機はナタリア王国の町中めがけて落ちていく。

追撃戦をしている最中、知らぬ間にに陸地へと近づいていた。


「もっと早くに落とせていたら...」


敵を倒したこと以上に後悔が残り、気分が乗らないまま戦線に戻る。




「ダメだ、機首が上を向かない!」

 

「爆弾を落とせ!何でもいい、出来ることをやるんだ!」


「分かった....」


800㎏爆弾は、町へ落ちる機体と離れ離れになる。

  ____________________________


町中から少し離れた広場で少女3人がはしゃいでいる。


「やっぱ外に出てきて良かったね。」


「でもそろそろ帰らないと、怒られてしまいますよ。」


「お昼が近いし帰った方がいいかもね。」


学院寮のある方向に顔を向ける

すると空から少しずつ大きくなる影があることに気づく。


「あれ何?」


疑問を持つがその間に大きくなった影を見てすぐに理解できた。


「科人族の...」


ドン.......... 


離れた場所でしばらく爆発音が鳴り響く。

何が起きているのか分からなかった。


「行ってみよう。」と言い落下をしている最中の攻撃機をめがけて飛んでいく。


そのシセンの言葉に二人は反応することは無かったが、勢いよく飛び上がりその後を追う。

落ちていった場所にはすぐ到着した。


「これは....」


辺りは今までに感じたことの無い鼻につく匂いが漂っていた。

崩れた民家、そこに不釣り合いな鉄の塊が鎮座していた。

十字の形状を何とか留めた鉄の塊、真ん中には二つの原型の無い肉塊、風車のような物からは炎が見える。


「ぅ.......................」


崩れた瓦礫の中に人がいた。


「助けないと」


「えぇ....」


駆け寄ろうとした時、目の前が一瞬で炎に包まれる、ひどい耳鳴りと視界のぼやけ。

爆発の衝撃に頭を抱える。


症状が治り救助しに行こうとしたが既に遅かった。

目の前で救おうとした人が燃えていた。


慣れない(燃料の)匂いをかき分け、人の焼ける匂いが届いて来る。


「うっ............」


思わず口に手を当てその場に倒れこむ。


ベルマとレイターは、シセンの後ろで腰を抜かしてその場から逃げ出したくても逃げれずにいた。


一度は我慢したが、やがて限界を迎える。


「オェ゙ェ゙ェ゙ェ゙」


何もかもがぐちゃぐちゃになる感覚。今日の行動に後悔し全てが嫌になる。


そこからの記憶は無い、気を失ったシセンはベルマ、レイターと共に駆け付けたナタリア兵達によって保護された。

読んでいただき、ありがとうございます。


前書きで機体の詳細な設定とか書いた方がいいのかなって、書いてる途中で思ったり。


まあ、いつも通り次回は数日後で

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