不穏な空気
学院に通って一週間が過ぎた。
火薬の研究を続けているシセン達3人だが進捗は何一つ無い。
ー昼休みー
「進展が何一つない」
「困りましたわ、ここまで手がかりが無いと本当に固有能力なのかどうかすら怪しくなってきますわ。」
「そうは言っても固有印はついているんだけどね。まあ、あんなの見たこと無いけど。」
「だからその辺も含めて別物と考えるのがいいのではないかしら。」
「確かにそれもそうだけどさー」
本当に困った、だが困ったことと言えばもう一つある。
「本日のニュースです。ナタリア王国に続きオリビア王国でも、謎の飛行物体が目撃されました。」
「また科人族か...」
「魔力の無い薄気味悪い連中が」
「最近のニュースって飛行物体のことばっかだよねぇ」
「オリビア王国にまで目撃情報が出ているのか、心配だ。」
「そういえばシセンちゃんはオリビア出身だったね。」
「そうだよ、それに私のいたオード村って海辺の村だから。」
「また前触れもなく襲ってきそうで怖いですわ。」
「あ、そういえばあの噂知ってる?」
「えぇ勿論です」
「なんの話?」
「シセンちゃんはまだ知らないのね。」
「その飛行物体を腕の立つ魔女達が調査を始めるって噂。」
「調査って言ってもどうやって?」
「それが、ナタリア王国の王様がその魔女達に箒を提供するんだって!」
「ほう、それはすごい」
「いいよね~私も調査のメンバーに参加できないかな~」
「研究授業すら進めれてない私達には無理でしょう。」
「ぐふぅ...今のは効いたよ、ベルマちゃん」
「事実です」
「まあでも飛行物体に関しては進展しそうで良かった。」
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時を同じくして
「なぁ、聞いたか?」
「何の話だ」
「近いうち調査の範囲を広げるって話だ、なんでも魔族の土地の中心部まで行くらしい。」
「あぁその話か」
「なんだ知ってたのかよ。」
「まぁな、空母を目標の八隻体制に出来たからだろ。」
「そしたらよぉあの女ども、もう攻撃してしまってもいいんじゃ無いのか?」
「だめだ、上からの文句がすごいことになる。もっと入念に調査するべきだ!とか言って」
「それもそうか、けどよ俺達のご先祖様達をなんの前触れもなく奴隷にしようとした連中だぞ?またなんか仕掛けてくる前に殺してしまった方がいいぜ。」
「それに関しては俺も同感だ。あ、そう逆にこの話は知ってるか?」
「何だ?」
「新しいパイロット候補生の中に、魔女みたいなやつがいるって話。」
「なんだそれ?」
「見た目は女みたいに細身で力が無い。」
「なんだそりゃ、急降下した時、操縦桿を引く力が無けりゃそのまま地面に突っ込んでしまうだろ?」
「そうなんだが、そいつはなんでも少し先の未来が見えるだとか」
「はぁ?何言ってんんだお前」
「事実だ、だから魔女みたいだって言われてるんだよ。」
「つまり、そいつは魔女みたいな能力を持ってるから候補生に選ばれたとでも?」
「そう言う事になるだろうな」
読んでいただきありがとうございます。
今回の話は短いですがここまでにさせてもらいます。
次回も数日後!(適当)