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火薬の魔女  作者: 鳥夏
第一章
1/16

忌み嫌われる魔女

ー魔女ー


それは他の人間と比べて強大な魔力を持って生まれた女性が、魔法の修練を積みその実力を認められた者だけが得る称号


初めて魔女が誕生した際、魔法の恩恵によって人々の暮らしは格段に豊かになった。


そのため魔女は皆から尊敬されるような存在だ。


だが私、シセンは違った。


「気味の悪い魔女が...」


村の人達がいつも通り私に向けて嫌悪感を抱く


村唯一の魔女でありながら、村の人達は私を忌み嫌う。


私が暮らすオード村は、オリビア王国の海沿いの小さな村だ。

そしてオリビア王国と同じ大陸に、ナタリア、リリー、ソフィア、エマ、の4つの王国がある。


「はぁ...」とため息をつきながら村の外へ依頼の害獣退治に向かう。


害獣とは過剰に自然の魔力を取り込んだ、人以外の生き物が狂暴化した姿である。


「村から少し離れたこの滝で目撃されたらしいけど。」


ギギィィィィ


「なんて言ってたら、退治依頼にあった熊の害獣か...」


ダッッ

勢いよく跳ね上がる。


「身体強化魔法、思ったより強くかけたせいで上に飛びすぎたな...」


ちょっとしたミスを少し反省しながらも、無数の炎の弾を放つ


この世界の魔法には、炎、水、氷、岩、雷、風、の6つの属性がある

そしてそこからさらに習得難易度によって、初級、中級、上級、高等、の4種類によって分類される、初級魔法は基礎的なもので、ほぼ全員の魔女が使える、また身体強化魔法、飛行魔法もそれに分類される

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


「まあ、倒せたしいいか」


突然と現れた害獣は一瞬の間に倒された。


害獣退治を終えたシセンはこれ以外特に用もないので直ぐ村へ帰っていった。


村に着くなり、害獣退治を報告するため真っ先にギルドへ向かう


「お帰り、シセンちゃん」


声をかけてきたのは、ギルドの受付であるアリスだ


「今日の害獣退治はどうだったの?」


「まあ、いつも通りだよ」


アリスは私と同じ16歳で、このオード村で唯一私にやさしく接してくれる人物だ。


「はい、これ報奨金ね」


「あぁ、ありがとう」


余談だが、魔女はギルドから依頼をこなし生計を立てるのが一般的だ、そのほかには治安維持を行ったり

魔女学院で魔法の研究をしたりなど様々である。


シセンは報奨金を受け取りギルドを出ようとするが、ラジオから流れてきた内容にピタリと足を止めることになる。


「ニュースです、今日10時頃ナタリア王国上空で謎の飛行物体が2つ飛来してきました、飛行物体は5分ほどで姿を消したそうです」


「またこの飛行物体は、()()()によるものと言われています」


「またか...」


「最近多いよね、この話」


科人族、シセンが村の人から忌み嫌われる理由の一つ


科人族とは海を越えた先の大陸に暮らしている人種である。その昔マリアと言う魔女が魔法収集の際、航海によって発見されたと伝えられている。

科人族には大きな特徴がある、それは魔力を持っていないという点だ。

魔力を持ってないことにより魔法という概念が無かったため、マリアは魔法の布教活動を行った、だがそれは失敗に終わる。


科人族は魔法を受け入れなかった、受け入れなかったどころかマリア達を襲ったのだ。

襲われたマリア達は科人族の土地を離れることに成功したが、その際受けた傷によりマリアは船の上で息を引き取る事になる。


逃げてる途中、マリアの仲間が科人族の武器を回収していた

その武器の名前は()と呼ばれた、銃とは『火薬』に衝撃を加え発生したエネルギーを使い鉛を飛ばすというものだ。


この武器によりマリアは亡くなった。


この話がシセンの嫌われる理由とどのように繋がるのか。


それは彼女の持つ固有能力が『火薬』であるから。

魔女は人より強力な魔力の影響で、稀に固有能力を持つことがある。

固有能力は強力な武器になる。その一つの例で高等魔法と言うものがある。

固有能力と掛け合わせたオリジナルの魔法、簡単に言えば必殺技のような物だ。

これは魔女の憧れの一つでもある。


少し話が逸れたがそんな固有能力には一つ特徴がある。

それは、魔法に関連する物だけという決まりがある。


それに対してシセンの固有能力『火薬』は魔法とはかけ離れた存在。

そして魔女・マリアが殺された武器の動力源。


故に彼女は忌み嫌われる。


ラジオを聞いた後シセンは逃げるようにギルドを出る。


「私の固有能力がもうちょっと使いやすかったら多くの人に認められてたのかな...」


シセンの固有能力は、魔力を『火薬』と言う物質いや、概念とでも言うべきか、それを生み出す事が出来る。

火薬は熱や衝撃によって、一時的に膨大な魔法(エネルギー)を発生させる事が出来る。

これだけ見れば強い固有能力に見えるが使い勝手が悪い。


使い勝手が悪い理由は魔力から火薬を生み出すのに時間がかかるからだ、と言っても10秒ほどで生み出すことが出来る。

じゃあなぜ時間がかかると言っているのか、それは単純に魔女の戦いにそんな余裕は無いからだ。


魔女の戦い方は、身体強化魔法を使用し機動力を上げ魔法の速射や連射を行い削っていくのが基本的な戦い方となっている。

手練れの魔女に至っては、詠唱せずに上級魔法を連射してきたりもする。


そんな戦い方が基本的なため、シセンは固有能力を使って戦うことは無い。その影響で高等魔法の開発も進んで無かったりする。


「まあ、それ以前に科人族の事件が無ければ、私が嫌われることなんて無かったのに...」

読んでいただき、ありがとうございます


突発的に書き始めた物なので読みにくい所が多々あるかと思いますが、誤字等含め指摘していただけると今後の話に生かしていけるので助かります。


不定期更新ですが最低でも週に一度は投稿をする予定なのでぜひ今後ともよろしくお願いします。

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