第42話 ちょっとした休憩
火翼蜥蜴の集団を倒してから2~3時間ぐらい経ち、今は少し木陰で休憩している。
あれからずっと歩いて探索を続けたが、次の層に向かうゲートは見つからず、とりあえず休憩することになった。
エステルはマナポーションを一口飲んでから言う。
「ふぅ、数時間くらい探索したけど、全然見つからないね」
「あぁ、時間がかかると思っていたが、まさかここまで広いとは思わなかったな」
エステルの言葉に俺は頷きながら水を少し飲む。
この調子で進んでいけば最奥に行けるまで数日ぐらいかかりそうだな。
俺はそう思っていると、ゲーツが携帯食を一口かじりして質問する。
「学園戦争の時に見たが、君たちが持っている道具は一体なんだ?」
「あぁ、これの事だな」
俺はゲーツの質問を聞きながら、空間所持からトンプソンコンテンダーを取り出す。
何度もだけどこの世界の住人にとっては未知の武器で、疑問を持つのは当たり前だろう。
俺はそう思いながら事情とソロモン学園に入学した理由を話す。
事情と理由を話すと、ゲーツはあごに手を当てて言う。
「なるほど……天魔の目的は真理の王を奪う事ということは分かったけど、まさかリーン様からの加護をもらっていたなんて……」
「あー、マァな」
俺はゲーツの言葉に歯切れ悪そうに答え、携帯食を一口かじる。
銃に関する知識は前世の記憶だけど、俺が転生者だと言えば大混乱待ったなしだ。
自分が転生者だというのはあまりバレない様にしよう。
そう思いながら水で喉の渇きを潤す。
リザは携帯食を一口かじってから聞く。
「そういえば噂で聞いたけど、保健室から宝石栗鼠のような魔物が出現したって聞いたけど?」
リザの言葉に俺とゲーツは思わず吹き出してしまう。
それ絶対呪われし宝石栗鼠の事じゃねぇか! 保健室から出たから目撃者は現れるんじゃないかと思っていたが、噂になってしまうとは……。
俺はそう思いながら口周りを拭いて、ゲーツをちらりと見る。
見るとゲーツは眉間にしわを寄せており、噂として広がっていることに対して頭を悩ませているんだろう。
エステルとリザはゲーツの様子を見て首を傾げ、一体どうしたんだろうと思っている。
仮に「実はニヘルが情報を言おうとしたら呪われし宝石栗鼠になって、どこかに向かって逃げた」なんて言っても、こんがらがってしまうんだろう。
そう思っていると、こっちに近づく魔物を獣の勘で感知した。
休憩中だろうが、もしも魔物が来た時の対処法として起動してよかったな。
そう思いながら立ち上がり、エステル達を呼びかける。
「そろそろ探索を再開するぞ。荷物がしっかりあるか確認しておけよ?」
俺の呼び声にエステル達は荷物の確認をし、確認し終えて探索を再開して歩みだす。
俺も歩みだそうとすると、ゲーツが小声で話しかける。
「偶然とはいえ、あれはある意味助かった。ありがとう」
「マァ、本当は魔物がやってきた事に気づいて言ったけど、どういたしまして」
俺はゲーツの言葉に答えて探索を再開する。
▲▽▲▽▲▽
ルイ達が探索をしている中、バインドは顔を青ざめながら言う。
「クソ……人間の姿に化けて情報を集めようとしたけど、全然良い成果が出てこねぇ!」
「ジュピター様にこの事知られたらまずいんじゃねぇの?」
バインドの言葉にイーターは冷や汗を垂らして言う。
このまま良い成果を出さなかったら、ジュピターにお仕置きとして雷を食らわせに来るんだろう。
それを考えただけでバインドとイーターは身を震え、バインドは地面を蹴って
叫ぶ。
「くそ! いきなりソル様に頼みごとをされたのに、俺とお前じゃ情報を聞き出すのに向いてねぇんだよ! なのに紙に書いてある龍を探せって無理だっての!」
「あぁ、だけどジュピター様が許してくれるんだよな?」
バインドの叫びにイーターはそう言いながら、最悪の未来を頭によぎり出す。
どうやって情報を集められるか考えていると、そこに全身目玉がある怪人がやってきた。
バインドはひと目で天魔だと察したが、イーターは首を傾げながら聞く。
「お前は見ねぇ顔だけど、もしかして天魔か?」
イーターは質問すると、目玉怪人は頷いて答える。
「ハイ、私はガンマ。瞳の力を持つ天魔で、ジュピター様が貴方達と協力しなさいと言われ、あなた達に協力しに来ました」
目玉怪人……もといガンマは若干上から目線で言うと、バインドは苛立ちながら叫ぶ。
「だーくそ! 今はあいつの名前なんか出すんじゃねぇ!」
バインドはそう叫ぶと背後に六本の鎖を生み出し、それをガンマに向けて放つ。
鎖は弾丸のように襲い掛かり、肉を穿つほどの風圧を発しながら突き進む。
だけどガンマは驚きもせず、鎖の攻撃をわざとギリギリで回避する。
バインドはわざとギリギリで避けられたことで苛立ち、鎖を収束してモーニングスターにして叫ぶ。
「わざと避けるなら、コイツならどうだ!」
バインドはそう叫ぶとモーニングスターをガンマに向けて振り下ろす。
するとモーニングスターの鉄球と持ち手をつなぐ鎖から、別のモーニングスターが生み出される。
それを連鎖していくとモーニングスターの網が出来上がり、このままいけば押しつぶされるだろう。
しかしガンマは体中にある目玉に触れる。
するとぎょろりとモーニングスターの網をむき、魔力のレーザーを放ってモーニングスターの網に穴をあけて通る。
バインドは自分の必殺技を容易く攻略されたことに驚く。
「ナッ……嘘だろ!?」
「今は戦うべきではないでしょう? とにかく戦うのは別にしましょう」
「あぁ、そうだな」
驚くバインドにガンマは呆れながら言い、イーターはガンマの能力に感心しながら言う。
バインドは歯を食いしばって呻いて言う。
「グッ……分かった」
バインドはそう呻いて人間の姿に化ける。
イーターとガンマも人間の姿に化け、紙に書かれた龍を求めて情報収集を始める。
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