第30話 宣・戦・布・告!
俺とエステルはリザのところまで走り、リザを俺とエステルを見て手を振りながら呼ぶ。
「お~い、二人ともなんか疲れているけど、何があったの?」
リザは明るい口調で聞くが、俺は少しため息をついて説明する。
「ハァ……実はな」
俺はさっきの騒ぎをピンからキリまで説明する。
それを聞いたリザはニヘルに怒りを湧きながら叫ぶ。
「何それ! 異魔人の子孫だからって、さすがに暴論過ぎじゃん!」
リザの怒りが込められた叫びに同調するように頷く。
まったくだ、次期当主や異魔人の子孫だからってそれはないからな。
そう思いながら作戦を考えていると、もうすぐ始まりの時間が近づいている。
場所によるが作戦はある程度考えたから、少しくらい大丈夫だろ。
俺はそう思いながら二人と共に会場に向かっていく。
少し早めに歩いていくと会場に着き、俺と二人はソロモン学園の方に並ぶ。
そうして少し待っていると、マイクのような魔道具が置かれているステージから突風が発生する。
俺たちは突風に驚くが、逆にダビデ学院の生徒はうんともすんとも驚いていない。
俺はどうして驚いていないか首を傾げると突風が収まり、そこにいたのは黒い上に大きいとんがり帽子をかぶった少女がいた。
とんがり帽子をかぶった少女はステージに置いてあるマイクを掴んで叫ぶ。
「レディース&ジェントルメン! 私は司会のエレア、ソロモン学園とダビデ学院の生徒達の交流会……もとい学園戦争の始まりだー!」
「オォォォォォォ!」
とんがり帽子をかぶった少女はそう叫ぶと、非参加の生徒たちの喝さいが鳴り響く。
観戦する生徒たちの喝采を見る限り、この学園戦争はかなり生徒たちの娯楽みたいになっているな。
そう思いながらステージに映る映像を見る。
そこには学園戦争に使われるエリアが映っており、とんがり帽子をかぶった少女……もといエレアは映像をさしながら説明する。
「ルールは敵の代表が着けてあるアクセサリーを奪えば勝ちだけど、今回の戦闘エリアはなんとゴエティア騎士領域の第一階層・フルカス! 魔力が満ちた森林や時々降ってくる隕石を駆使して勝利を掴め!」
俺はそれを聞いて考える。
なるほど、魔力が満ちた森林や降ってくる隕石を駆使するのも、何かに役立ちそうだな。
俺はそう思っているとエレアの説明が終わり、レグルスがステージに立って、エレアにマイクをもらって言う。
「説明が終わって始めたいが、ソロモン学園の新星ルーキールイ・アークに宣誓をしてもらう!」
「ファッ!?」
レグルスの言葉に参加生徒たちは一斉に俺に振り向くが、俺はいきなり呼ばれたことに困惑する。
えっと俺なの? こういうのは互いの代表が言うんじゃないのか?
心中驚くが、このまま待たせるのはあまりよくないだろう。
俺は心の中でため息をしつつステージに上がり、エレアからマイクを受けって言う。
「えっと宣誓、我々ソロモン学園は……」
うろ覚えだけど「なんたらシップにのっとり、正々堂々競い合います」を言おうとする。
だが途中でニヘルが言った言葉を思い出す。
『なんで調べることしか能がないゴミ種族がココにいるのよ? さっさとおうちに帰って、ゴミみたいな本でも読んだら?』
俺はそれを思い出し、少し演出を加えて言う。
「……ダビデ学院の参加生徒の腐ったプライドをぶち壊すと誓います」
「「ハァァァァ!?」」
俺はそう言うと予想通り、ダビデ学院の生徒たちはハトが豆鉄砲を食ったような表情になる。
ダビデ学院側の先生や理事長も唖然と取られているが、逆にソロモン学園側の先生は若干呆れていた。
マァ、いきなり腐ったプライドをぶち壊すなんて、いきなり言われたら驚くだろう。
そう思っていると、ダビデ学院の参加生徒の一人が俺をさしながら叫ぶ。
「テメェ、俺たちのことをなめてんのか!?」
「そうだ、そうだー!」
「ふざけんじゃねぇぞ、このイカレ野郎!」
ダビデ学院の参加生徒の一人がそう言うと、続くように俺を侮辱する。
その態度を見たらほぼ図星だろう。
そこまでイラつくならあえて言わせてもらうぞ。
俺は心の中で嘲笑しながら、この場にいる全員に聞こえるように叫ぶ。
「そもそも英雄になれるのは何だと思っているんだ? 魔術や剣術のうまさか? それとも鍛錬された力か? だけど全部違う! 本当の英雄は正義感だ。英雄は誰かのために戦うことは物語にも書かれてあるが、ダビデ学院の生徒は町娘の強姦・弱い者の暴力や恐喝、まるで我欲の忠犬だ!」
俺はダビデ学院の生徒をさしながら侮辱すると、ダビデ学院側の理事長が顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「貴様、これ以上我が学院と生徒を侮辱するなら――」
「縛!」
ダビデ学院の理事長の言葉を遮って拘束したのはレグルスで、ダビデ学院の理事長はレグルスを睨みながら叫ぶ。
「貴様、この拘束を外せ! 貴様の生徒は我が学院と生徒を侮辱したんだぞ!」
ダビデ学院の理事長はそう叫ぶが、レグルスは笑いながら答える。
「ハッハッハ! 確かにそうですが、貴方達の生徒が裏で何かやっているのも、諜報員を使えばいつだって公表できますぞ。もちろんそこで見える貴方達や理事長もですよ?」
「ウッ……!」
レグルスの言葉にダビデ学院の理事長は顔を青ざめて呻く。
生徒が犯罪をやらかしまくってはもみ消しているのは噂で知ったが、まさか教師も何かをしでかしていたんだな。
ダビデ学院の腐れ度に呆れつつ、俺は最後の言葉を言う。
「俺はゴエティアを最奥にある真理の王を調べたいが、その前に腐ったダビデ学院の連中を叩きのめす! 俺の正義感に誓う」
俺はそう言うとマイクをエレアに返し、当の本人は驚きながら言う。
「い、イヤーさすが新星のルーキーだけはありますね! 少しハプニングがありましたが、一時間の準備を終えたら開始します!」
エレアはそう言うと、俺たちはゴエティア内のフルカスに転送される。
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