第29話 見下し制裁
今回から学園戦争編で、少し胸糞がありますが、中盤でスカッとします。
二人を訓練させてから一週間が経った。
あれから二人が訓練しているうちに何度も試したが、傀儡天使や巨大鍬形虫に阻まれて調べることができなかった。
う~ん、まさかあそこまで侵入をさせないとは、もはや逆にすごいな。
俺はそう思いながら学園戦争に出る生徒の控え室で、好成績を叩き出す作戦を考えながら歩く。
すると黒髪少女の肩にぶつかってしまい、俺はハッと我に返って謝る。
「アッ、すみま――」
「いきなり何するのよ! この下民風情が!」
黒髪少女はそう叫んで俺の謝罪を遮る。
しかし俺は黒髪少女の糾弾を聞いてフリーズしてしまう。
えっと、俺が下民? しかも謝っている途中で叫んで遮ってきたし。
いきなり糾弾されたことに固まっていると、エステルが首を傾げながらやってきた。
「いきなり叫び声が聞こえたら来てみたけど、どういう状況なの?」
「そんなの俺が聞きたいわ……」
エステルの質問を答えながら額に手を当てて悩む。
マァ、いきなり叫ばれている場面に出くわしたら、誰だって首を傾げたりするもんだ。
そう思いながら、いきなり騒ぎ出した少女をどうやって黙らせようか考えている。
すると叫び声を聞いた人たちがやって来て、俺達を指さしながら話し出す。
「オイオイ、あれって異魔人ジークフリート家の長女、ニヘル・M・ジークフリートじゃないか?」
「ほんとだ! でもなんで一年の二人に突っかかっているんだろ?」
「あれじゃね? 二股とかそういうの」
野次馬たちの話に少し耳をかたげて聞いて、いきなり突っかかってきた奴が異魔人の子孫なんてな。
あと最後の奴、俺は二股とか絶対しない主義者だ!
最後の失礼すぎることに心中切れていると、ニヘルはエステルを見て嘲笑う。
「なんで調べることしか能がないゴミ種族がココにいるのよ? さっさとおうちに帰って、ゴミみたいな本でも読んだら?」
ニヘルはそう言いながら嘲笑い、後ろからダビデ学院らしき生徒もエステルを見て嘲笑う。
エステルは苦笑しながら言う。
「あ、アハハ……否定はできません」
エステルはそう言っているが、悔しさを押しつぶしているように見える。
しかし反論してこないことに、ニヘルはさらにひどい悪口を言おうとする。
俺は即行でニヘルの顔面に強くぶん殴って叫ぶ。
「吹っ飛べ!」
「ゴバッ!?」
ニヘルは俺の拳をもろに受けてそう叫び、野次馬やダビデ学院らしき生徒、その上エステルはニヘルが吹っ飛ばされるさまを見て驚く。
「「エェェェェェェェ! 殴ったぁぁぁぁ!?」」
俺と殴り飛ばされたニヘル以外叫ぶと、ニヘルは鼻血を垂らしながら立ち上がる。
おっ、顔面陥没してもおかしくなかったが、異魔人だが耐久性も高いんだな。
俺は新しく知ったと思っていると、ニヘルが鋭く睨みながら叫ぶ。
「あんた頭腐ってんの!? ダビデ学院二年でジークフリート家の次期当主の私をぶん殴るなんて!」
ニヘルはそう叫びながら俺を忌々しく恨む。
だが俺はこいつの気迫を鼻で笑いながら言う。
「ハッ、お前のゴミみたいなプライドなんてどうでもいいし、名声と自尊心を無駄に欲するなんて破滅以外ないぞ?」
俺はそう言いながらニヘルを見下す。
コイツはまるで前世の世界で殺した下衆みたいな性根だ。
するとニヘルは散々侮辱された怒りの限界が来たのか、両手に風炎の玉を生み出して叫ぶ。
「貴族の恥晒しの末っ子の上に、ゴミの庇う発言をするなんて、どうやらよほど死にたいようね!」
ニヘルはそう叫んで風炎の玉を俺に向けて放とうとする。
その時、誰か野次馬の隙間を通り抜き、風炎の玉を何かで切り消した。
俺とエステルはいきなり目の前に人が現れたことに声を出せずに驚く。
姿は白のショート、目つきはつり目の漆黒、体格は中肉中背のように見える青年だ。
いきなり俺とエステルの前に現れるなんて、こいつは一体何者なんだ?
俺とエステルが驚いていると、ニヘルは青年を睨んで叫ぶ。
「ゲーツ、あんた何邪魔してんのよ! さっさとどきなさいよ!」
ニヘルはそう叫びながら苛立つが、いきなり現れた青年……もといゲーツは振り向いて言う。
「お嬢、それについては難しい」
「なんでよ! こいつが私をゴミだのなんだの侮辱したのよ!」
ゲーツの言葉にニヘルは反論するが、ゲーツは毅然とした態度で言う。
「だけどお嬢が先に侮辱しただろ? それにソロモン学園の理事長が豪傑獅子レグルス・G・アドルフになっているから、少し強めのお灸をすえられる羽目になるよ?」
「ウッ……」
ゲーツがレグルスの名前を出すと、ニヘルが露骨に嫌がっている。
もしかしてレグルスに嫌な思い出でもなるのか?
そう思っていると、ニヘルは舌打ちをしてこの場から立ち去る。
これで騒ぎは収まったが、あいつの性根はほぼヘドロと同等かってぐらい腐っているからな。
そう思いながら俺とエステルもこの場から立ち去ろうとする。
するとゲーツは俺とエステルに向けて頭を下げて謝る。
「すまない、僕の身内がとても失礼なことを言って」
「いや、だからってあんたが謝ることはないだろ?」
俺はゲーツの謝罪に対し、間違っているという。
謝罪は本人が行わなければ、誠意を感じることはできないからな。
そう思っていると、エステルは少し頬を掻きながら答える。
「大丈夫ですよ。陰で引きこもりだの、オタクだの、なんだのと言われてきたので」
エステルはそう言うが、ゲーツは首を横に振って言う。
「いや、だからって見下したり、侮辱したり人としていけないんだ。っとそろそろ時間だから敵として再び会おう」
げーつはそう言うとこの場から去る。
アッ、そういえばそうだった! ニヘルのせいであんまり作戦を練ることができなかった。
くそ! とにかく急いでリザのところへ向かわないと!
俺はそう思いながら、エステルと共にリザのところに向かって走る。
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