第28話 隠・密・潜・入!
そうして走り着いた場所を見てつぶやく。
「マッ、当然警備兵はいるよな……」
俺はそう呟きながら、厳重に警備されているゴエティアをじっと見る。
本格的に入るのは今じゃないが、低階層を少しだけ探索するなら大丈夫だろう。
俺はそう思いながら、警備兵の隙が見えるまで待つ。
警備兵は鉄の槍を持ちながら話しており、俺は聞き耳を立てる。
「なぁ、聞いたか? なんでも入学試験の脱出試験で壁をぶち抜いて合格した奴がいるらしいぞ?」
「嘘だろ? ダンジョンの壁でどんな魔法を撃ち込んでも傷の一つもつかないのに、おとぎ話みたいなことがあるんだな」
「あぁ、そうだな」
警備兵はそう話しながら辺りを見渡し、俺は額に手を当てて思う。
アッ、それ絶対俺だ。
なんせレールガンで壁をぶち抜いて攻略したけど、あれには少し深い事情があるからな。
マァ、壁を壊したことはマジで申し訳ない。
俺はそう思いながら警備兵を見ていると、片方を残してどこかに向かっていく。
おっ、これって侵入のチャンスじゃないか?
俺はそう考えると片方の警備兵に気づかれずに近づき、片方の警備兵があくびを上げる。
俺はそれを見逃さずに、一瞬で警備兵の首を強く閉める。
警備兵はいきなり首を強く絞められることに驚いているが、応援を呼ぼうと叫ぶ。
「アッ……アッ……!」
「悪いが、もう少し強くするぞ」
「アガッ!?」
俺はそう言うと同時に力をもう少し込め、警備兵は呻き声を上げると意識が失う。
俺は警備兵が気絶したのを確認して、絞めるのをやめて横にさせる。
悪いな、これも世界平和のためなんだ。
俺は心の中で謝りながらゴエティアに向かっていく。
ちなみに警備兵は気絶しているだけであって、絞殺したりはしていないから安心してほしい。
そうしてゴエティアの前までついた。
そこはとてもすごく、灰色の神殿が厳つく鎮座しており、三大ダンジョンの名に恥じないほどのすごさを感じる。
まさに荘厳な神殿と呼んでいいだろう。
俺はそう感じつつゴエティアの内部に入ろうとする。
その時に天から何かが降ってきて、俺はそれに気づいてバックステップで、さっきの場所から離れる。
すると回避した数秒後、さっきいた場所に光の槍が地面に突き刺さる。
もしも気づけなかったら、胸か腹に刺さってしまうところだったな。
そう思いながら光の槍が降ってきた方向を向く。
そこには白い羽を生やした人形がいた。
何だ、あれ? 一瞬天使かと思っていたが、人形らしい特徴もあって断定はできないぞ?
そう思いながら攻撃してきた天使の正体を考えていると、サジェッサが攻撃してきた天使の正体を言う。
《マスター、あれは上級召喚士に呼び出された使い魔・傀儡天使です》
俺はサジェッサの教えを聞いて、思わず首を傾げてしまう。
うん、使い魔?
それって俺の前世でよく知るAI搭載のドローンみたいな感じか?
俺はそう言うと、サジェッサは《はい、その通りです》と答える。
ふむ、召喚士か……。
悪魔崇拝者たちが凶行に及ぶことがあるからあまり驚くことはないが、天使もどきを召喚しているから、警備兵の誰かが有事の際に呼び出しているだろう。
そう思っていると傀儡天使は光の槍を二つほど生み出し、俺に向けて投擲する。
俺はそれを見て横に回避する。
すると光の槍がそのまま地面に刺さらず、俺に追尾してきた。
チッ! それ追尾性もあるのかよ!
追尾してくる光の槍に対して面倒くさく感じ、こいつの対処法を考える。
普通なら逃げや召喚士を戦闘不能にすればいいが、このままだとエステルとリザが今日の特訓を終えてしまう。
二人が特訓している間にゴエティアを調査したい。
そのため、悠々に宙を飛ぶ傀儡天使を倒すことにする。
俺は空間所持からトンプソンコンテンダーを取り出し、傀儡天使に向けて引き金を引く。
銃口から.308ウィンチェスター弾が放たれ、傀儡天使に向かっていく。
だが傀儡天使は手のひらを前にかざすと、光の盾が展開して弾丸を防ぐ。
しかも盾の生成もありですかい。とことん面倒な敵だな!
俺はそう思いながらトンプソンコンテンダーを空間所持に納め、AK47を取り出す。
7.6mm×39mm弾がしっかり装填されていることを確認し、俺は肉体全強化を発動して走り出す。
それを見た傀儡天使は警戒度を上げたのか、数十本ほどの光の槍を生み出す。
それらを俺に向けて一斉に放つ。
俺は槍の雨を容易く避けながら走る。
そして向かっている場所は白く立つ柱だ。
そのまま走ってジャンプしても全然届かない。
「――だから、こうして向かってくんだよ!」
俺はそう叫びながら柱にたどり着き、柱の側面を蹴って飛び立つ。
傀儡天使は右手で光の盾を展開、左手で光の矢を放出する。
飛んできた俺を落とそうとしているが、体を捻ることで空中でも回避する。
そして光の盾を掴み、力強く引っ張ってAK47の銃口を押し付けて引き金を引く。
銃口から7.6mm×39mm弾が放たれ、傀儡天使の頭部を貫く。
傀儡天使の頭部を貫いたことで、体がぼろぼろと崩れていき、塵として消滅した。
これで何とかなったと思ったが、一気に地面に向かって落下する。
しまった、空中で浮かべるものがなければ落下してしまう。
俺は何とかうまく着地したが、警備兵が異変を感じてこちらにやってきた。
くそ! まだ調査はできてないが、今回はここまでにするか。
俺はそう思いながらこの場から立ち去る。
その後は鍛錬を終えた二人を労いながら寮に帰った。
だけど次こそは調査を成功して見せる!
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