第24話 転生者として覚悟
コイツ、俺が転生者だと気づいているのか!?
レグルスの言葉に驚いてしまうが、少しでも反論しないと、本当に転生者だと確信してしまう。
俺は急いで転生者ではないとごまかす。
「何を言っているのですか! 身体能力は鍛えて、判断は勘に近いものですし、転生者だといえる証拠はあるのですか?」
俺はそう叫ぶとレグルスは黙る。
山勘ならば証拠がない限り、俺が転生者だと証明することがない。
これなら大丈夫だろうと思っていると、レグルスはゆっくりと説明する。
「ふむ、証拠か……ならば先ほど迷路の様子を見たが、剣や杖などの武器を使っていた。だがお前だけ筒状の武器を使ったうえ、我輩の心眼で貴様の魂が少し変であったぞ?」
「ウッ……!」
俺はレグルスの言葉で黙ってしまう。
前半はリーン様の加護によって与えられた知恵だと言えばいいが、後半は否定するのは難しい。
どうやってごまかせるか考えるが、レグルスは拳を強く握って叫ぶ。
「豪!」
レグルスはそう叫ぶと、拳の形をした魔力の塊が俺に向かって襲い掛かる。
「ぬぉ!?」
それを見た俺は驚きながら回避する。
あぶねぇ! もしかして考える暇も与える気はねぇのかよ!
こうなったら、やりたくなかったけど完全に制圧するしかない。
俺はそう結論付けると、腰に下げてあるトンプソンコンテンダーを、レグルスに向けて引き金を引く。
銃口から放たれた.308ウィンチェスター弾は、レグルスに向かっていく。
だが本人は慌てる様子を見せずに、手刀の構えを取ってつぶやく。
「斬……!」
レグルスは呟くと同時に手刀を切り上げる。
すると.308ウィンチェスター弾を切り捨てた揚げ句、魔力の斬撃が俺に向かってくる。
俺は魔力の斬撃を回避した同時に、空間所持からAK47を取り出す。
それをレグルスに向けて、容赦なく引き金を引く。
銃口から7.6mm×39mm弾の弾幕が放たれる。
さっきは一発だから切り落とされたけど、大量の弾丸なら切り落とすのは難しいだろ!
そう思いながらマガジンが空になるまで引き金を引き続けるが、レグルスは右腕を前に出して言う。
「潰!」
そう言いながら拳を強く握ると、襲い掛かる7.6mm×39mm弾を魔力の手で握りつぶした。
しかしそれだけではなく、AK47の銃口先からマガジンの前まで、ペチャンコにつぶされてしまった。
俺はそれを見て思わず叫ぶ。
「ゲェ! AK47がペチャンコになった!?」
俺はそう叫びながら、無残な姿になったAK47をじっと見る。
銃口先からマガジン前までペチャンコになっており、これでは使い物にならない。
クソッ! 黒いして開発していたから、潰されたことがメチャクチャ悔しい!
ていうか何だよ、それ! 魔力の斬撃を放ったり、思い重力場を張ったりなんて、もはやデタラメすぎるわ!
デタラメだからこそ、大英雄と呼ばれているんだなと、AK47をぶっ壊された悲しみを紛れさせる。
すると脳裏に解決策が降ってきた。
そうだ! これならいけるんじゃないか?
俺はそう思いながら、レグルスに向けて言う。
「理事長、もしこのまま暴れたら、騒音に気づいた受験生たちにこの事がバレルかも知れませんよ?」
俺はそう言うと、レグルスは豪快に笑って言う。
「ハッハッハ! そう言われると思って、他の魔術師に遮音の結界を張っておるから、問題ない!」
俺はレグルスの言葉を聞いて、心中舌打ちをする。
チッ! これなら戦闘を止められると思っていたが、まさか自ら罠に入った何て、情けすぎるったらありゃしない。
どうやって落ち着かせようか考えようとすると、レグルスは腕を下ろして言う。
「しかし、いきなり襲ってきた事は申し訳なかったな。転生者が持つ力を使わなかったが、少し話し合おうか」
レグルスはそう言って戦うのをやめるが、俺はいきなりのことで首をかげる。
どういうことだ? さっきは俺を倒す気満々だったのに、今は話し合おうなんて、どういう魂胆だろうか?
しかし戦闘を終えるのはありがたい。
正直容易く弾丸を切り落としたりAK47をペチャンコにしたりできる怪物に、勝ち筋はほぼ見えなかったからな。
俺はそう思いながら近くの切り株に座り、どうして転生者が持つ力(チート能力)を使わなかった事と、転生した理由を隠さずにすべて話す。
事情を全て包み隠さずに話すと、レグルスはアゴヒゲをさすりながら言う。
「ふむ、女神リーン様の頼み事か……それならこっちも襲ってきた訳を言おうか」
レグルスはそう言うと、どうして俺に襲い掛かってきた理由を話す。
どうして襲ってきた理由は、それは俺以外の転生者が天魔と協力関係を築いていたからだ。
その悪行はイーラエス王国外の侵略・破壊・殺戮・強姦・強奪などだ。
俺はその悪行を聞いて、頭を抱えていく。
そりゃそうだ。
そんなことをすれば、俺もあいつ等と同じだろうと思われてしまう。
ってアレ? もしかしてフォンも……。
俺はそう思ってレグルスを見ると、本人は静かにうなずく。
アァ、そうだったのか。
しかしリーンの力で転生させれたが、もしかしたら別の奴がヤバイ奴を自分の手駒にしようと転生させているのだろうか。
そう考えると、かなり面倒だな。
そう思っていると、レグルスは鋭く睨みながら質問する。
「さて、一応女神によって転生されたことは理解したが、どうするつもりだ? もし裏切ればどうなるか分かっているな?」
俺はレグルスの睨みに少し押されるが、その質問を答える。
「もちろん、殺されても文句は言わないし、ちゃんと因果応報として受け入れる」
俺の答えにレグルスは驚きもせずに黙る。
マァ、俺は前世人を殺しつくしたから、誰かに殺されるのは仕方がない。
そう思っていると、レグルスは立ち上がって言う。
「そうか、ならば我が学園の生徒として迎え入れよう」
「ハハ、それはうれしいけど大丈夫ですか?」
俺はレグルスの言葉に苦笑いをしながら言う。
一応、迷路の壁をぶち抜いた以外問題は起こしていないが、多少心配する。
しかし俺の心配に、レグルスは笑いながら言う。
「安心せい! ちゃんと話し合って決めておくぞ!」
「そうですか、色々とありがとうございます」
俺はそれを聞いてホッとしつつ、そう言ってこの場から立ち去る。
その後はペチャンコになったAK47を何とか修理することに成功した。
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