第16話 山・賊・撃・退!
エロヒム村から出て一ヶ月くらい経ち、俺は地図を見らながら確認している。
あれから野宿や宿屋に泊まりつつ、王都に向かっている。
だが、時々地図を見て確認しなければ、自分がいる場所が分からなくなってしまう。
だからこうして地図を見ているが、正直言えばかなり面倒くさい。
これほど科学の力が偉大だったのか身に染みて分かる。
ハァ、グーグルマップやヤフー地図みたいな魔法はないのか?
ちなみに自動地図作成は移動しないと作成できないから、ダンジョン以外使わないようにしてある。
何て考えていると、後ろから何かがやって来た。
俺は振り向いて確認すると、やって来たのは一台の馬車だ。
台座に乗っている小太り気味な商人は俺に質問する。
「おや、貴方も王都に向かっておりますか?」
「貴方も……もしかして王都に向かっているのか?」
俺は小太り気味な商人の言葉を聞いて質問する。
すると小太り気味な商人は頭を掻きながら答える。
「アハハ、実は私は宝石を売っている者で、王都で取引するから向かっている所です」
「なるほど……」
俺はそれを聞いて思いつく。
小太り気味な商人について行けば、王都につけるじゃないか?
俺はそう思いながら小太り気味な商人に聞く。
「なぁ、もしよかった一緒についてきていいか? 王都に初めて行くからな」
「ついて来ても問題ありません、一緒に向かいましょう」
小太り気味な商人の言葉に俺の心の中で喜ぶ。
ヨシ! ダメかと思っていたが、まさか承諾するなんてな。
何がともあれ、これで一々止まる必要が無くなったな。
そう思いつつ小太り気味な商人が乗る馬車について行く。
さて、王都に行くのは解決したが、問題はその後だ。
逢魔神殿ゴエティアはソロモン学園の近くにあるけど、入るには学生証が必須だ。
仮に不法侵入なんてしようものなら、俺は国際犯罪者になってしまう恐れがある。
逢魔神殿ゴエティア以外に楽園神殿パラダイス、地獄神殿インフェルノの三つだが、真理の王はゴエティアしかないからな。
パラダイスの方は守護する万物の盾、インフェルノの方は断罪する万物の刃で、ゴエティアにある真理の王より前の二つの方が強そうだ。
それなのに魔導騎士団は真理の王が奪われる事に驚いていたな。
一応これらについては王都に着いてから調べるか。
そう思っていると、目の前に武装した連中がやって来る。
小太り気味な商人は武装した連中を見て怯える。
「な、貴方達はマウンテンシーフ……!」
「アァそうだ、大人しく馬車に載せてる宝石を貰おうか……」
怯える小太り気味な商人の言葉に、リーダー格の男が粗鉄の斧を構えて脅す。
後ろにいる連中も粗鉄の剣や斧を構え始める。
俺は馬から降りて馬車の前に立つ。
するとリーダー格の男は俺を見て鼻で笑いながら言う。
「ハッ、ガキが前に出て何するんだ? 俺達を撃退するのか?」
リーダー格の男の言葉に他の連中は笑い始める。
オイオイ、そんなに油断していると痛い目にあうぞ?
俺はマウンテンシーフが笑っているうちに、空間所持からAK47を取り出し、それをマウンテンシーフに向けて引き金を引く。
銃口から7.62×39mm弾を放ち、マウンテンシーフはもろに食らって叫ぶ。
「「ギャァァァ!?」」
「何だ、あれ!? 魔法か?」
「と、とにかく林に隠れろ! そうすればあの攻撃は当たらねぇ!」
他の連中は俺の攻撃に驚くが、弾丸を運よく避けた奴はそう叫びながら林に隠れる。
オォ、中には頭がいい奴がいるんだな。
だが、これはどうするんだ?
俺はAK47を下ろし、懐からジャガイモのように丸い手榴弾・M26手榴弾を取り出す。
それに付いている安全ピンを抜き、マウンテンシーフに目掛けて投擲する。
M26手榴弾がマウンテンシ―フの足元に着地すると、爆発し熱風と破片が襲い掛かる。
「ギャァァァ! アッツ、アツゥ!」
「イデー! 目に破片が刺さった!」
「何だよ、アイツ。滅茶苦茶だろ!」
マウンテンシーフは傷だらけになり、マウンテンシーフの一人が俺に指しながら恐怖に奮えて叫ぶ。
それにしても滅茶苦茶って……仕方ないか、この世界からすれば現代兵器は滅茶苦茶だろうな。
そう思いながら空間所持から荒縄を取り出し、マウンテンシーフに向けて詠唱する。
『力のエレメントよ。我が体内の魔力を糧に、傷を癒す光を放て!』
「回復光!」
詠唱し終えると、傷を癒す光がマウンテンシーフを回復させる。
治療した後は全員縛り上げると、リーダー格の男は俺を鋭く睨んで聞く。
「お前、一体何者なんだよ……!」
俺はその言葉に頬を掻きながら、その質問に答える。
「う~ん、通りすがりのヒーローって奴か?」
「何だよ、それ。クソッ!」
俺の答えにリーダー格の男は地面を蹴り、小太り気味な商人は俺に感謝する。
「ありがとうございます! どうお礼をすれば良いのか……」
「いや、お礼は大丈夫ですよ。マウンテンシーフが持つ武器は貰うのは良いか?」
「ハイ! 何ならこれをさし与えてます!」
小太り気味な商人はそう言うと、水晶のように透明な功績を渡す。
コレは何だ? 見た感じ水晶みたいだが……取り敢えず貰っておくか。
そう思いながら拘束したマウンテンシーフを馬車に乗せ、王都に向かって行く。
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