第15話 情報と新たな地へ
ディザスターは貫かれた胸を見て吐血する。
「ガハッ! マジかよ、俺が負けるなんて……」
ディザスターはそう言うと後ろに倒れ、見ていた魔導騎士団は喜びの雄叫びを上げる。
「「やったぁぁぁぁぁ! 天魔を倒したぞぉぉぉぉ!」」
俺は魔導騎士団の雄叫びを聞いて微笑む。
初めての天魔討伐にしてはかなりいい出来だ。
犠牲者はゼロだし、それにエルメスの両腕は回復特化の騎士によってくっついたからな。
そう思いながらディザスターの方を向き直して言う。
「さて、お前にはすべての情報を洗いざらい吐いてもらうからな?」
「グフッ……分かった。お前の言う通り、すべて嘘偽りなく答えてやるよ」
ディザスターは吐血しつつ、俺の言葉に文句を言わずに頷く。
おっ、前世の記憶だと逆上やとぼける奴が大抵だけど、こいつは大人しく答える方だな。
だったら最初はアレにするか。
そう思いながらディザスターに質問する。
「それじゃあ、天魔を生み出しているのは誰だ? そしてどこにいるんだ?」
「「ッ――!?」」
俺の質問に魔導騎士団は声を出さずに驚愕する。
それもそうだ、もし黒幕の情報を知れたらかなり進展するだろう。
その質問にディザスターは面倒くさそうに答える。
「いきなり、スゲー質問だな。黒幕は知っている、だけど正体や居場所は知らねぇよ」
「そうか……」
俺はそれを聞いて残念がる。
せっかく黒幕に近づけるチャンスが無くなったからな。
俺はそう思いながら別の質問をする。
「じゃあ、天魔はどれほどいるんだ?」
「確か名無を合わせたら、千体ほどだったぞ」
俺はその質問が本当なのか、近くにいるエルメスの部下に聞く。
「天魔は千体ほどいるって本当か?」
「ハイ、王都の豪傑達が倒しておりますが、千体ほどいます」
俺はそれを聞いて眉をひそめる。
嘘だろ? 仮に別の天魔を倒しても情報を持っていなかったら、情報を手に入れるまで倒し続ける事になるぞ。
面倒くさい事になる事に頭を悩ませていると、ディザスターは俺を見て言う。
「だったら最高の情報をやるよ」
「何?」
俺はそれを聞いて目を細める。
それが本当ならありがたいが、嘘だったら容赦なくハチの巣にしよう。
そう思いながら言う。
「嘘だったら容赦しないが、それは本当か?」
「本当だ。一度だけ言わねぇから耳の穴かっぽじって聞いておけよ?」
ディザスターはそう言うと、魔導騎士団は一言一句聞き逃さない様に集中する。
俺も最高の情報について気になるし、ディザスターはあまり嘘をいう事になれていないから大丈夫だろう。
そう思っていると、ディザスターは情報について言い放つ。
「俺達、天魔の目的はただ一つ。イーラエス王国にある法具・真理の王の強奪と六聖神全員の殺害だ」
ディザスターの言葉にエルメスの部下は一気に慌て始める。
「セフィロトを容易く滅ぼすと言われる真理の王を強奪する上に、六聖神様を全員殺害するだと!?」
「もしそれが本当ならとんでもない事態だぞ!」
エルメスの部下たちは慌てる中、両腕を治療したエルメスが怒りをあらわにしながら近づいて叫ぶ。
「六聖神様を全員殺そうなんて、ふざけた事を言うな!」
エルメスの言葉にディザスターは鼻で笑いながら言う。
「ハッ、さっき助けてーとかうわぁぁぁぁぁぁぁとか叫んでいたくせによぉ」
「貴様、減らず口を……!」
ディザスターはそう煽ると、エルメスは屈辱を感じて顔を赤くしながら睨む。
このままじゃ話もくそもなくなってしまうな。
俺はエルメスとディザスターの合間に入り、最後の質問をする。
「これが最後の質問だ。その真理の王とやらは何所にあるんだ?」
俺は天魔たちが追い求める法具・真理の王がある場所を聞く。
ディザスターは頭を掻きながら答える。
「確か三大ダンジョンの一つ、逢魔神殿ゴエティアの最奥だ」
「そうか……」
俺は真理の王がある場所を聞いて考える。
確か逢魔神殿ゴエティアがある場所はソロモン学園だったはず……。
そう思っていると、ディザスターは吐血して聞く。
「俺から質問だが、さっきの攻撃に何か仕込んだだろ?」
俺はその言葉に答える。
「そうだ。お前に食らわせたのは魔導破壊弾と言うものだ」
「そうか……ガハッ!」
ディザスターは俺の答えを聞いて頷きつつ吐血する。
魔導破壊弾は弾頭に魔力を破壊する力を込めた対天魔兵器だ。
俺は魔導破壊弾で出来た.308ウィンチェスター弾をリロードし、トンプソンコンテンダーの銃口をディザスターの額につけて言う。
「これで終わりだ。何か言いたい事はあるか?」
「特にねぇよ」
「……そうか」
俺はそう言うと引き金を引く。
銃口から.308ウィンチェスター弾を放ち、ディザスターの額を貫く。
額を貫かれたディザスターは塵芥と化し、風に流れていく。
風を使うのに、風に流されるなて皮肉だな。
そう思いながら黒嵐刃を拾って空間所持に収める。
死体あさりは興味ないが、これは新たな武器として使わせてもらうぞ。
そう思いながら向こうを眺める。
その後はエロヒム村に帰り、村人から俺たちの事を「村を救った英雄」としてたたえる。
その中でエルメスは申し訳なさそうにしながら称賛を答えていた。
村に帰る中で、エルメスが持っていた豪風の絶叫を渡された事に断った。
あの時は気が動転していたが、家宝を貰うなんて居心地悪いからな。
そうして家族からも俺が無事な事に喜び、宴は深夜まで行われていた。
ちなみに魔導騎士団は夕方頃で王都に帰った。この事を王に話すとかなんとか。
そうして村人たちは宴の疲れや酒の酔いで寝ている中、俺はと言うと……。
「よし、これぐらいで良いだろ」
……倉庫にある鉄と火薬を空間所持に収めていた所だ。
俺は逢魔神殿ゴエティアの近くにあるソロモン学園に向かうため、今ある物を回収している。
もしも真理の王が天魔に奪われたら、セフィロトが崩壊する恐れがある。
だから止めるために向かおうとしている。
財の方は金貨五十枚ほどで、別の村で食料を買って行こうと思っているし、移動は村にある馬で向かう。
回収や準備を終え、いざ新たな地へ行こうとした時に誰かに呼ばれる。
「ルイ、どこに行くんだ?」
俺は馬から降りて、声がした方に振り向く。
俺を読んだのは父さんで、俺はその事に驚く。
「父さん!? 何で起きているの?」
「少し隠しているんじゃないかと思っていたが、何をしようとしてのか?」
息子に優しい親バカからとても厳しい父親になり、俺は自然と目的地と訳を話す。
それを聞いた父さんは俺を抱いて言う。
「そうか、その事は俺から言う。だからお前は自分の道にまっすぐ行きなさい」
俺はそれを聞いて涙を流す。
前世ではロクデナシな父親だったが、今の父さんは優しくて子供の未来を応援する。
アァ、これが父親って奴なんだな。
俺は満面の笑みで答える。
「うん! 俺、絶対帰って来るから!」
「アァ! それまで頑張って来い!」
俺は父さんの激を受けつつ、ソロモン学園に向かって行く。
プロローグ完 次回王都守護編
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