宝⑧
そんなこんなで、二人は五階層を抜けた。
そして、安全地帯の湖に体を洗う為に——二人はプカプカと浮かんでいた……
「……少しは、落ち着いたかエリアル」
「……ぇぇ……取り乱して、悪かったわね。
色々と想像したら……気持ち悪くて、パニックになってしまったわ……」
「そうか……そうか……まぁ、あれだ! もし、お前がお嫁に行けなかったら……俺が貰ってやる!」
「冗談よね……」
「冗談だ……」
「やっぱり……」
「…………エリアル……」
「なに……?」
「オシッコしていい? なんか……開放的で、オシッコしたくなっちゃった」
「ダメに決まってるでしょうがぁ!!! 汚いわね! 何考えてんの! 外でしてきなさい!!!」
「ちッ……分かったよ」
そして、二人は湖から上がると……食事を取る事にした。
「ねぇ、アンタって元は——人間だったのよね? 人間だった時も、そんな感じだったの?」
フロックは、さっき捕まえた虫をムシャムシャ食べながら答えた。
「いや……くちゃクチャ……昔は、クチャクチャ……こんなに、クチャクチャ……人と話す事は、クチャクチャ……なかった。クチャクチャ……」
「ちょっと待って! 食べ終わってからで良いわ……アンタのそしゃく音が気持ち悪いから」
そして、食事が終わると……
「よしッ! 行くか!!!」
「いや、待ってよ! アンタの昔の話は?」
「えっ!? あぁ……あんまり話す方じゃ無かったと言っただろ! それだけだ」
「他にも、何かあるでしょう? 昔の仲間の事とか……」
「ああ……昔の仲間ね。
無口だったから、ほとんど話さなかったが……エルフとドワーフで、いつも喧嘩していたから途中の街でおいて行った。
その後、敵と戦って死んでカエルに転生した。それだけだな……」
「今はとは別人ね……アンタが無口なんて、想像もつかないわ。
しかも、仲間を置いて行くなっんて……普通しないわよ!」
「その時の俺は、仲間たちに何て別れを告げれば良いのか分からなかったから……そうしたんだな。
まぁ、今思えばリーダーなのに無口な俺のせいでアイツらは、いつも喧嘩していたのかも知れないな……」
「まぁ、エルフとドワーフは——もともと仲が悪いから貴方とは、関係無しに喧嘩はしていたと思うから、気にしなくて良いと思うわ!」
「それなら、良かった。
まぁ、俺の話はこんなモンだ! 先を急ごう」
「ええ、そうね。早く! あのお爺さんを探さないとね」
そう言って、二人は先を急いだ……




