宝⑦
そうこうしているうちに二人は、五階層に入った。
その頃には、エリアルのカエル化は解けていた。
しかし、問題なく……そこからは、フロックを先頭に【水千手観音】で敵を一掃しながら、ゆっくりと進んだ。
「ねぇ、フロック……何で!? あんた、倒した虫達を食べているの?」
「この術は魔力と体力をとてつもなく消費するから。こうやって、食事とMPポーションを取り続ける事で持続させているんだ!
この前もこうやって、ここを切り抜けたんだ!」
「へぇ〜……その時は、もちろん私の事は丁寧に運んでくれたのよね?」
「勿論だともエリアルくん。ちゃんと俺が、お姫様抱っこで——丁寧に運んだぞ!」
「それは、ありがとう。
でも、一つ聞いて良いかしら……私、今——アンタの後ろを歩いていて、アンタの食べカスと唾液が凄く地面に落ちているのよ!
これって、抱っこしていた私にかからなかった……?」
「…………」
「かからなかった? って、聞いているのよ」
「かからなかっ……た!」
「ねぇ……私が、目を覚ました時に——貴方かが言った『洗っていた』って言うのは、この事!?」
「ちがう……」
「アンタね! 人が意識を失っている時に、なんて事をしてくれてんのよ!!!」
そう言いながらエリアルは、後ろからフロックの首を締め出した。
「やめろ……エリアル……じゅつが……解ける解ける……」
「アンタが悪いんでしょ!!! 私は、誇り高いエルフなのよ。モンスターの唾液と虫まみれ!!! もう……こんなんじゃ……お嫁に行けない……」
「こんなモン……今までと、比べると大した事ないぞ……だから、手を離せ……」
「えっ……これ以上の事が、あったって言うの……」
すると、エリアルのフロックを掴む腕に——よりいっそう力が入る。
「殺してやる! アンタを殺して私も後を追うわ!!!」
「やめろ……! 心中なんて……俺は、お前の事なんて好きでも何でもない。
出来れば、好きな人としたい!!!」
「殺してやる!!!」




