宝⑥
そう言うと、フロックはあの時の人の姿へと変身……
「おまえ……『その顔は……』」
カエルの姿にイケメンの顔……それを見た冒険者達から湧き上がる怒りの感情。
「ふざけんじゃないわよ!!! 私達の恩人を侮辱するなんて!!! 気持ち悪い!!!」
「このクソが……人をおちょくるのも大概にしろ!!!」
「いや、この顔には見覚えあるだろ!?」
「あったとしても、そんな気持ち悪い姿のはずがないでしょ!!! 私を助けてくれた王子様は、すらっと長い手足のイケメンよ!」
あの時の助けたフロックの姿は、美化されていた……
「いや、本当に俺だって……」
「うるさい黙れーーー!!! アンタなんて、私が地獄に送ってやる! サンダーボルト!!!」
「ウギゃあぁぁぁァー!!!」
女性冒険者のサンダーボルトを食らったフロックは、煙を上げその場に倒れると……
冒険者達の怒りはおさまったのか、何処かに行ってしまった。
「…………なんで…………なんで……本当に、助けたのは俺なのに……しかも、あの時の姿のままじゃないか…………どう言う事だよ! エリアル!?」
「私にも、何が何だか分からないわ! きっと、あなたは人に感謝されない体質なのね」
「そんな体質あるかーー!!!」
そんな事を話しながら……冒険者達と別れた二人は改めてダンジョンに入る事にした。
そして、難なく巨人の部屋へと到達……
「本番は、これからね……」
「なぁ〜エリアル、頼みがあるんだけど……
この階層は、お前の新しい技で一気に突破してくれない……そした、次の階層は俺が頑張るから」
「ええーーー!!! とは、言ったけど……
確かに、ここは私が突破して次の階層をフロックに任せた方が賢明な判断かも知れないわね。分かったわ……ここは、私が頑張るわ!」
「やったー! これで楽チンちんだ!!!」
そう言うとフロックは、小さくなりエリアルの胸元に飛び込んだ!
「な……ちょ……何処に入ってんのよ! このエロガエルが!!!」
エリアルは、フロックを捕まえると地面に叩きつけた!!!
「ゔべぇッ……
何すんだ!!! この人でなし……」
「あんた、その言葉——意味わかって使ってるの? てか、普通に考えて女性の胸元に飛び込むバカがいるか!!!」
「基本的に小さくなったら、そこがセオリーかと思って……」
「いや、普通は頭か肩でしょ!?」
「そうなのか? 男達の普通は、胸元と決まってると思うが……まぁ、いい今回は頭で許してやろう」
「許すも何も無いわ! 早く行くわよ」
エリアルは、そう言うとフロック特製のあの薬を飲み干すと……カエルに変身する。
そして、全身から微弱な魔力を放出すると体全体に電撃を纏わせる。
「新技……【電流ひつまぶし!】」
「そんなダサい名前にしないわよ! 技名は、後で考えるから。行くわよ! フロック、しっかり捕まってなさい……」
そして、電撃を纏ったエリアルは身体能力が大幅に向上して、電光石火で一気に巨人の階層を駆け抜けた。
途中、ボロ雑巾! モップ犬に見つかるも足元をジグザグに走り躱すと……これも一気に振り切った。
建物を出で外に出ると、巨人の父親に見つかり砲弾みたいな弓矢がいくつも飛んで来たが……その時にはフロックが大きくなり【水千手観音】を使い弓矢を受け流した。
しかし、移動はエリアルに任せているためにフロックはエリアルの腰に自分を舌で巻き付けると……
「気持ち悪い……アンタの舌も背中も、なんかヌメヌメする」
「仕方ないだろ! 俺だって、舌がピリッピリッするの我慢してるんだ。お前だって、我慢しろ!」
そうこうしているうちに二人は、五階層に入った。




