宝③
「大丈夫ですよ。フロック様、エリアル様、キバ様……あの時の事は、咎めだりしませんから」
そう王女であるジュリエットが話すと……
「そうだな……一回目の要請は、打首にでもしてやろうと思っていたが……
今回は、違う要件だ! 戦争を終結させた功労者を咎めだりは……しない」
「一瞬、間がありましたけど……気のせいですよね?」
「……てか、あの王様の隣の女は誰だ!?」
「だれって……王女のジュリエット様よ!
見たら分かるでしょ。髪の色とか同じだし」
「いや、分かんねーよ! どれだけ痩せたんだよ……」
「あれ! あの時のオーク女なんすッか!?
全然、分かんなかったすッ……普通に王女様じゃないすッか!」
「もともと、普通に王女様よ!」
すると、国王が話し出した……
「ジュリエットは……ジュリエットは……お前達に屈辱を受けた後に、わしが心配をするのもよそに……食事制限と走り込みで、みるみる痩せて行った。
それはもう、見てるこっちからすると心配で……心配で仕方がなかったほどだ!!!
お前達に、分かるか——わしのこの苦しみが……」
「御父様その事は、もう良いのです。
そのお陰で、私にはダイエットの神様が降臨して——こんなにも綺麗になることが出来ました。
今は、この方々に感謝しかありません」
「……お前がそう言うなら。
確かに、痩せてからのジュリエットへの婚約の申し出が後をたたないのも、また事実だからのぉ……それは、嬉しくも寂しい事じゃ」
「もう、御父様……私に婚約は——まだ早いですよ!」
そんな話題で、二人が戯れていると……
「でッ! 国王、俺達は——何の為に呼ばれたんだ!?」
「そうであった! 前回と今回の功績を讃えて、何か褒美を授ける。
何か欲しい物はあるか? あるなら好きな物を言え、用意しよう」
「マジすッか!? 何でも良いんすッか!
だったら、俺は馬が欲しいすッ」
「良かろう……だったらキバお主には、馬を一年分授けよう!」
「馬を一年分って、何すッか!?
馬刺しすッか!? 馬刺しなんすッか?
俺、普通の馬が良いすよ!!!」
そして、キバの褒美は馬に決まった。




