決戦⑥
こうして、キバとコルバチョフの一騎討ちが始まった。
コルバチョフは大きな斧を振り回しキバを襲う!
それをキバは、剣でさばき——かわしながら交戦の隙を伺う。
「その図体で、なかなか速いっすッね!
でも、先輩に比べたらスピードも力も——まだまだすッよ! まぁ、だからと言って俺が勝てるかは分かりませんが……」
「減らず口は良いから死ぬ気で来い!!!」
「あんたも、ディープインパクト! 使わないんですッか!?」
「ディープインパクトでは無い! オルフェーヴルだ!!!
望みとあらば——見せてやろう! 我、最大最高出力のオルフェーヴルを……」
そして、コルバチョフはエネルギーを溜め! 飛び上がると、斧に——その全火力を乗せたオルフェーブルをキバに放った!
キバは、そのオルフェーヴルを剣で受け止めるが……
バッッッツコーーー!!!
物凄い衝撃と共に、辺り一帯は砂煙に包まれた。
そして、砂煙が収まると……血を流し——膝をつくキバの姿が……
「どうした!? 小僧——何故、避けんかった……」
「へッ……避けるわけないじゃないですかッ!
魔族の中でも最強クラスの威力を誇るディープインパクトと並ぶ威力のオルフェーヴルを味わうチャンスなんて、二度とないすッからね……」
「バカな奴だ! だが、生きていた事だけは褒めてやろう」
「何言ってんすッか! こんな大技、そんなにポンポンと打てる訳がない。
こっからが、俺が反撃する番すッよ!!!」
すると、キバはボロボロの体で立ち上がるとコルバチョフに斬りかかった。
キバの攻撃を受けるコルバチョフの反応速度は、明らかに下がっている事は分かるが……それでも、致命しようを与える事は出来ない。
すると、コルバチョフが……
「もう、いい小僧——お前の実力は、分かった。あと一撃オルフェーヴルを放てば、直撃をしなくともお前は倒れる。
ならば——この勝負、我の勝ちだ! 後の始末は手下達に任せるとする」
「まだ、勝負はついてないっすッよ! コルバチョフにげるんすッか!?」
しかし、コルバチョフはキバの話には耳を傾けず……残った五千の手下達でキバの部隊を包囲する。
「くそッ……コルバチョフ一人なら、いけると思ったのに——この人数で来られたら、正直——お手上げすッよ……
お前達! 俺が魔法で退路を開く……その隙に逃げろ」
キバは、自分一人で敵を引きつけて仲間達に撤退の指示を出す。
「でも、隊長……」
「大丈夫すッよ! 俺一人なら、逃げられる。
それに、こんな所で負ける様では——あの人達の隣に立つ資格はないすッよ!」
そして、キバは覚悟を決めると……ありったけの魔力を使い火炎魔法を放つと、退路を切り開いた。
「行け! お前達……」
部下達はキバの指示通りに撤退すると、残ったキバは——魔王軍五千に一人で挑んだ!




