手紙②
そして、フロックは順を追って説明をする。
「まず……この体勢から、目の力を抜く……それから……鼻、口の力を抜く……頬の力を抜き顔全体の力が抜けて来たら……首の力を抜き……胸の力を抜く……肩の力を抜き……腕、指の力を抜いて行く……それれから、下半身の力を徐々に全て抜いて行けば……」
「zzz」
話を聞きながらエリアルは、戦闘の疲れもあったせいか寝てしまっていた。
「エリアル、起きろ!」
「……ぇ!? あっ……ごめん。寝てた……
この訓練、何もしないし……魔力切れ、戦闘の疲れから、すっごく眠くなる」
「間違っていないから、安心しろ。
基本的に自然エネルギーとは、寝ている時に誰でも微量ながら集まって来る。
その為に、傷や体力が回復する! それを強制的に集めて戦闘に応用する為の訓練だ。
だから、回復の為ではなく! 自然エネルギーをコントロールしたいのなら、起きているのと睡眠の狭間でエネルギーを集める必要がある」
「それって、かなり難しわよ。
ここまで魔力も体力も消耗していると、自然エネルギーを集めなくても眠くなるし……
戦闘訓練前に、この修行を行えないの?」
「それは、まだ無理だな! 自然エネルギーを集める為には、空っぽになる必要がある。
だから、事前に戦闘で魔力と体力を消耗させているんだ」
「そう言う事なのね……分かったゎ。
なら、また寝てしまったら起こしてちょうだい!」
*
*
*
そうして、二人の修行が数日たった。
ある日……エリアルの目元に、赤いラインが入った。
「……おっ!!! エリアル、目元だけカエル化しているぞ。やったな!」
「……ぇっ……ほんと……やった〜…………」
ぼ〜としながらエリアルが答える。
「エリアル、そのままの状態で俺と戦闘をしてもらう」
「そんな事をしたら……カエル化が解けちゃうわよ!」
「大丈夫だ! 一度なれば、自然エネルギーが無くなるまでは持続する。と、言うわけで
行くぞ! エリアル……」
そして、二人は軽く手合わせをする。
*
「一分って、ところか……まぁ、初めはこんなもんだろう」
「……はぁ……はぁ……一分じゃ……戦闘で、使えないわよ!
もう少し長く持続出来るように訓練して!」
「初めてだから、仕方ないと思うが……分かった。
確かに、目だけなら数十分は持続出来た方がいいからな。と、言う事で……もう一度、カエル化をして——これを飲め!」
そう言ってフロックは、エリアルに乳白色の液体の入った瓶を渡した。
「…………これは!
(私は、これを飲みたくないから自分で自然エネルギーを集める訓練をしているのに……)」
しかし、今は仕方がない……そう自分自身を納得させてフロックから渡された液体を飲んだ。
「…………ゴクンッ!
(この味と喉にへばり付く感覚が……何とも不快……)飲んだわよ!!!」
「よしッ! なら、全身のカエル化を止めて! 目だけに力を集めろ」
「……やってみる」
すると、エリアルの目だけが……さっきよりカエルに近づいた。
「凄いな! お前、エルフだけあって——魔力の扱いとか上手いな……」
「あんたなんかに褒められたからって、嬉しくなんてないんだからね!」
「……どうした!? いきなりツンデレ?
まぁ、いい。じゃ〜行くぞー」
そうして、二人の手合わせが……また始まった。




