*Twitter*【#140字小説】No.251~260
No.251【#1010】
あるところに、エチケットやマナーを重んじる、とてもデリケートなお姫様がおりました。静寂の世界を川のせせらぎのように~緩やかに~この身を守ってくれるのです。あぁ〜…あ、お姫様の鼓動がピカピカ点滅し始めると、音の箱の流れへ帰られてしまいます。すかさず私は手をかざす。25秒、延長します!
No.252【#水分補給】
このところ気温が上がり営業中も汗だくだ。「喉乾いたな。アイスコーヒーでも飲むか?」「暑いですからね。」部下と有名コーヒーショップに入る。「僕、初めて来たので注文の仕方わからないです。」「若いのに珍しいな。」「だって、ここってお酒呑めないじゃないですか。」外回りでどこ行ってんだよ。
No.253【#ややこしい】
蟹の怖い話あったよな?怪談的な都市伝説的な?人食いの話。姉ちゃんから家族に送られたメッセージを見た俺は、なんかそれを思い出してゾクッと肝を冷やしたね。《マジ蟹迫って参りました》蟹食べ放題に行く日が近いって話で、んー…間違っては、ない。てか、無言で貪り食う家族が間近に迫って参るわ。
No.254【#まどろっこしい】
今年の春に入社した子が「天然」だの「あざとい」だのと可愛がられてる。誤字も平然と送るから、さすがに注意しといた。すると、後に謝罪メールが届く。謝罪じゃなくて取材だったけど。《家間違えてしまい、申し訳ご財増せんでした。取材いたします。》謝る気ないだろ。誰ん家で財産の取材するんだよ。
No.255【#遠い日】
四六時中も好き…と歌ってくれた、あのラジカセ覚えてる?あの頃まだカセットテープで、時代を感じて笑える。白いベンチコート姿を包むように舞う雪、運転する横顔。七夕は、君に会えそうな気がして天の川を見上げる。「ハッピーバースデー」君の旅立ちが嘘じゃなかった日から、地球は何回まわったの。
No.256【#電話に出んわ】
1時間前か。母から不在着信があり掛け直す。呼び出し音が響くが出なかった。すると再び母から着信。「もしもし?」「電話した?」や、何その"何かご用ですか?"のテンション。「は?かけてきたのそっち。」「え?えーと…なんで電話したか忘れちゃったのよ。」や、電話してきたことすら忘れてたよね?
No.257【#お祝いの気持ち】
「お誕生日に来てくれて嬉しいな♪今日のために特別なシャンパン用意したんですよ♡」黒服の手に包まれたボトルに目配せ。「…え?本当に?」よし、感動してる。「いいの?…うわぁー嬉しいなぁ!」おじさん、可愛い反応だな。「今日は最高にハッピーなバースデーにしましょうね♡」支払いよろしくね♡
No.258【#どこからつまづいていた】
苦手な数学が初の赤点じゃない!よし!合コンだ!浮かれてたら先生から呼び出し。「俺、凄い?褒めたいんでちゅか?」「なぁ…問1、何?」は?「3-8は?」「-11。」「足してマイナスつけるな。サービス問題外すなよ…」「サービスで間違えといた。」放課後はデート。算数ドリル持参のおっさん先生と。
No.259【#理想と現実】
「あんた、ちゃんと貯金してるの?」ヒッキーやコドオジと世間で色々言われてるけど、子供は可愛いじゃない?「欲と脂肪は溜め込んでる。」せめて夢と希望。「愛と勇気くらい言えないかね。」「ワイと陰キャなら友達さ。」あ、は、パンパンマン~♪子供を持つなんてね、言うほど楽なもんじゃないのよ。
No.260【#You】
「おまえのために歌うから、しっかり聴いてて?」プロポーズみたいな渾身のラブソング。こっ恥ずかしいのは俺だって百も承知の助だよ。でも、俺の想いを届けたいんだ。「これ、俺の気持ち。」へへ。「私、"おまえ"て言われるの嫌で、歌が全然頭に入ってこなかった。」そこは百歩譲っといてくれないか。