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31 叫び

「うわあああああ!!!!」

 レンブランドは走り出しラインハッシュへ剣を振り下ろす、間一髪のところでラインハッシュはその剣を受けた。


「お前は!俺たちを!ずっと騙していたのか!」

「そうだ、騙してたんだよ、憎いだろ、もっと本気で来い」

 剣と剣がぶつかり合い、ぶつかる音が鳴り響く。


「レンブランド様!おやめください!あなたが手を下す必要はない!そいつは俺がやります!」

 シャルドが叫び二人の間に割って入ろうとするが、ラインハッシュが片手で攻撃魔法を発動しシャルドを寄せ付けない。さらにはアルフォンス達にも攻撃魔法を向け、誰も近寄れないようにする。


「邪魔するな!さあ、レンブランド、もっと本気で来いよ。憎いだろ、本気で殺しに来い!でなければ俺がお前達を殺す!」

 ラインハッシュが叫ぶと、レンブランドは喚き声をあげながらラインハッシュに飛びかかる。


 レンブランドの剣を避けようとして、ぐらっとラインハッシュが足元をフラつかせる。その一瞬を見過ごさずにレンブランドはラインハッシュを床に叩きつけた。


「これで終わりだ」

 ラインハッシュに馬乗りになったレンブランドは低い声で告げ、ラインハッシュの首に剣を向ける。

「レンブランド様!」

 シャルドが叫ぶが、レンブランドはラインハッシュを睨みつけたままだ。そして、ラインハッシュは変わらず薄ら笑っている。


 レンブランドが剣を振り下ろし、ラインハッシュが笑顔のまま目を瞑る。


 ザシュッ!!!!



「……なぜ殺さない」

 ゆっくりと目を開けたラインハッシュの首のすぐ横の床に、剣は突き刺さっていた。


「……せない」

「殺せよ!憎いだろ!なぜ殺さないんだ!!」

 ラインハッシュが怒鳴ると、そのラインハッシュの顔に水滴がぽたり、ぽたりと降り注いだ。


「……殺せるわけない。ずっと一緒にいて、あんなに信頼していたお前のことを、簡単に殺せるわけ、ない、だろ」

 両目から大粒の涙を流して、レンブランドは微笑んでいた。







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