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02 金色の瞳 ♢

辺境の地にある私の住まいは屋敷の周りをほどよい自然が囲んでいる。

屋敷には執事と複数人のメイド、料理人や厩舎担当がいるけれど最低限だ。私の世話をするのは最低限で構わないだろうとお母様が決めたこと。


屋敷の横には畑があり、農作物は料理人が自ら作ってくれている。

実は私も自分で好みの紅茶を飲みたいがために茶畑で紅茶用の茶葉を作っているのだけれど、これが楽しくて美味しくてやめられない。


私のせいでこんな辺鄙な所で働かされている皆には申し訳ない思いでいっぱいなのだけれど、皆とてもいい人達ばかりだ。


「お帰りなさいませ、お嬢様……って、何ですかその人?!」

「道に倒れてきたのよ。怪我をしているみたいだから治療してあげて」


出迎えすぐに驚くメイド達へ、ことの成り行きを説明するとすぐに納得してくれた。


「とりあえず客間へお通ししますね」

「治癒魔法が使える者を向かわせます」


突然の出来事にもテキパキと動くメイドたちに、頭の下がる思いだ。本当にいい人達ばかりで私は幸せ者ね。




客間のベッドへ横にして、治癒魔法を施された男は、まだ気を失ったままだ。


「キレイな黒髪……」

あまりに美しい黒髪なものだから思わずサラリと触れてしまう、すると閉じられた瞼がふっと動いた。


「……?」

ゆっくりと瞳が開かれて目が合う。


開かれた両目は金色に輝く美しい瞳で思わず息を呑む。なんて美しいのかしら……!


はっ、と我にかえる。そういえば勝手に髪の毛を触ってしまっていたんだった。


「ごめんなさい、あまりに美しい髪の毛なので思わず触ってしまいました」

慌てて謝ると、金色の瞳をしたその人は、フッと微笑んでこう言う。


「大丈夫、とても優しくて気持ち良かった…から……」

そう言ってまた気を失うように寝てしまった。


その微笑み、とてつもない破壊力!心臓がドクドクとうるさいし、顔もなぜかとても熱い。

私、とてつもなく大変なものを拾ってしまったのではないかしら。






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