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17 ティムール王国

「見つかったのか」

 ティムール王国の中心部にある王城の中で、アルフォンスの兄レンブランドが目の前に跪く密偵に問う。


 レンブランドもまた、アルフォンス同様に薄い青みがかった美しい白髪をしている。アルフォンスより短髪で少し背が高い。瞳の色は薄いアメジストのような色だ。アルフォンスが中性的な美しさだとすれば、レンブランドは男らしい顔だちをしている。


「隣国にておそらくアルフォンス様と思われる金色の瞳の人物が見つかりました。ただ、髪色が違うためまだ確定はできません」

「髪色なんていくらでも変えられるでしょう。魔力はどうだったのです」

 商人サイオスが言うと、密偵は首を振る。

「アルフォンス様の魔力は検知されませんでした。どうにかして隠しているのかもしれません」


「シャルドは見つかったのか」


 レンブランドの後ろに控えている男が聞く。

「シャルド様らしき方も同様に隣国にて見つかっております。ただ、その方も変装しているのか、見た目が微妙に違うため確証は持てません」


 ふうっ、とレンブランドの後ろにいる男がため息をつく。

「俺が隣国まで確認しに行ってきます。俺ならあいつが変装していようとわかりますから」

「随分自信があるんだな、ライ」

 レンブランドが言うと、ライと呼ばれたその男、レンブランドの側近ラインハッシュは静かに微笑んだ。




 レンブランド達との話が終わり、ラインハッシュは一人王城の中庭にいた。

 ラインハッシュはやや赤みがかった強めのブロンドの髪色で、瞳はサファイヤのような色をしている。スラリと引き締まった身体と甘めの顔に似合わず、物静かで冷静沈着なところが城内での女性からの人気に拍車をかけている。


 幼少期から第一王子レンブランドの側近として育てられ、常にレンブランドの側にいて信頼も厚く、政治的発言力も強い。アルフォンスの右腕がシャルドであれば、レンブランドの右腕は紛れもなくラインハッシュである。


 シャルドとは若い頃から第一王子、第二王子の側近としてお互いに切磋琢磨しあってきた仲だ。


「俺にはお前がどんな変装してるかくらい想像がつくんだよ、シャルド」 


 さて、困ったものだとラインハッシュはため息をつく。

 国内ならなんとでも処理できたものを、隣国に行かれたとなるとあまり大きく事を荒立てられない。かといって手をこまねいて待っているわけにもいかない。


「まぁいい。お前に会えばどうとでもなるさ、シャルド」

 ラインハッシュは口の端に弧を描きながらそっと呟いた。






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