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11 狙われている理由 ♢

突然のことにアルも私も動揺している。だってそうでしょう、まさかアルが、隣国の第二王子だなんて!


「そうですねぇ、だったらご自分の本当の姿を見たら少しは思い出してくれますかね」

そういってシャルドは指をパチン!と鳴らした。すると、シャルドの時のようにアルの髪の毛の色も一瞬で変わってしまった。薄い青みのかかった美しい白髪。それは、ティムール王国の王家血筋を引き継ぐ者にのみ現れる髪色だと聞いたことがある。

まさか、アルは本当に第二王子なの……?


「鏡を見てみてくださいよ」

シャルドに促され、ためらいがちに鏡を覗き込むアル。そしてその鏡に映る自分の姿を見て、アルは両目を大きく見開いた。


「こ、れは……うっ」

そう言って、頭をまた抱えてうずくまる。

「アル、大丈夫?アル!」

「お嬢様、アル様を呼び捨てなさるのは……」

ジェームスがためらいがちに言うと、シャルドは笑いながら首を横に振る。気にするなということなのかしら……?


頭を抱えながら、ゆっくりとアルは顔をあげた。蒼白だが眼ははっきりとしている。


「……そうだ、確かに俺は、ティムール王国にいた。シャルドのこともなんとなく思い出した。だが、なぜ俺は誰かと戦っていたんだ?一体誰と戦っていたんだ?!」


あの日アルが馬車の前に倒れ込んてきた時、アルは剣を握りボロボロになってまるで何者かに襲われたかのようだった。


「アルフォンス様は第一王子に狙われているんですよ」

「?!」


シャルドの発した言葉の意味、それはたぶん後継者争い、ということなのだろう。

だが、ティムール王国が後継者争いをしているなんて聞いたこともない。むしろ第一王子と第二王子は小さい頃から仲むつまじく、成長してからも第二王子が第一王子を支えるであろうと言われていたくらいなのに。


「ティムール王国で後継者争いがあるなんて聞いたこともありません。何かの間違いではないのですか?」

どうか間違いであってほしい、そう願いをこめてシャルドに聞いてみるが、その願いは呆気なく打ち砕かれた。


「そのはずでした。お二人は小さい頃から仲が良く、どんなことでも相談し合う仲でしたから。とある人物が第一王子の前に現れるまでは」






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