表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/42

告白後

アレクシス殿下に告白されて、やっとそれを飲み込めて、真っ赤になったわたしは混乱した。


混乱したまま、「あー」だとか「ううう」だとかしか言えないわたしに、アレクシス殿下は優しかった。


「悪い。でも、知って欲しかった。ゆっくり考えてくれればいい。お前は、王家の監視が解かれる成人までは婚約もできないから、時間はある」


わたしの頬に手を置いて、穏やかに笑っていた。


「俺も成人まで待つ。そうしたら、婚約しよう」

「………………?」


穏やかだけど、優しいけれど、あれ、と思った。

婚約するの、決定なの? と。


アレクシス殿下に婚約者がいないのは知っている。

けど、だからといって、自分はないだろう。


カルビン様との婚約を破棄されて、さらに罪を背負ったわたしが王子の婚約者なんて、どう考えてもおかしい。



考え込んだわたしに、王太子殿下の声が聞こえた。


「いやぁ、良かった。もしかして成人まで何も言わないつもりなのかと心配してたけど、良かったよ」


穏やかに笑いながら、王太子殿下が近づいて来ていた。

その後ろに、レーナニア様やバルムート様、ユーリッヒ様もいた。


そういえば、王太子殿下は一緒にいたはずだ。

それが何で、近づいてきているんだろう?


「二人きりにさせてあげなきゃと思ってね」


そのために、この場から離れて、物陰からこっそり覗き見していたらしい。様子を見に来た他のメンバーも一緒に。

神々しい方たちがそろって覗き見とか、嫌すぎる。


「リィカ嬢、心配いらないよ。アレクと君の婚約は、父上も承知している。成人すれば、ちゃんと婚約できるからね」

「…………………」


意味が分からない。

何が心配いらないのか。

国王陛下が婚約を承知しているってどういうこと。


「兄上! それはいいんです! 俺は父上からの命令という形で、リィカに婚約を了承させるつもりはありません!」


「分かってるよ。リィカ嬢自身に頷いてほしいんだろう? それをどうこう言う事はないから、頑張れ、アレク」


さっきアレクシス殿下に、婚約するのは決まってるみたいな言い方をされたけどなぁ、と頭の隅で考える。

別名、現実逃避だ。


「リィカさん、アレクシス殿下はいい方ですから、大丈夫ですよ。わたくし、リィカさんと義理の姉妹になれるのを、楽しみにしているんです」


その現実逃避すら許さず、レーナニア様がふんわり笑って追い込んできた。

人畜無害な笑顔で、逃げ道を塞いでくるって怖い。


バルムート様とユーリッヒ様は、ニヤニヤ笑うだけだ。



※ ※ ※



この日から、気付けばアレクシス殿下が側にいる。


わたしには優しいんだけど。穏やかなんだけど。

他の男性と……、カルビン様を筆頭に、バルムート様やユーリッヒ様と話をしているときのアレクシス殿下は、ちょっと怖い。


「お前ら、リィカとしゃべりすぎだ」


お三方に正面から向ける威圧がすごい。

バルムート様やユーリッヒ様に、しゃべるな口きくな、と言ってたのは、わたしが罪人だとかそういうのは全く関係なかった、とこの頃になればさすがに気付く。


「殿下って、独占欲強いんだな……」


ポソッとつぶやいたカルビン様の言葉は、聞こえない振りをした。


すごいのは、バルムート様やユーリッヒ様だ。アレクシス殿下の威圧を、気にする様子も見せない。

それだけじゃなく、怖がっているカルビン様にアドバイスめいた事まで言っていた。


「気にすんなって。どうせ何もしねぇから」


「そうですよ。王子の権力を振りかざすなんて、アレクにできませんから。睨んできても、無視して問題ありませんよ」


いや、これをアドバイスと言っていいのかどうかは微妙だけど。

アレクシス殿下がいる前で、平然と殿下をこき下ろすバルムート様とユーリッヒ様だ。


殿下は「気にしろよ!」「問題大ありだ!」と叫んでいたけれど、完全に聞き流されている。


こんなやり取りを経て、カルビン様も変わらずわたしと話をしてくれるようになった。


バルムート様やユーリッヒ様との交流も増えて、色々あるものの、基本的には楽しい生活を送っていたのだ。


――そんなある日のことだった。


ベネット侯爵領で暴動が起こった、との情報がもたらされた。

そして、その暴動鎮圧の責任者に、クリフが任ぜられたと聞いたのは。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ