学園生活①
牢から出されて、王宮で生活するようになって二週間。
学園の長期休暇も終わり、今日からわたしは二年生になる。
そもそも、王家の監視下にあるわたしが学園に通うのが良いのかどうか、という問題があったはずだが、聞いたらむしろ何で駄目なんだ、という返答が返ってきた。
普通、クラス分けは期末期のテスト結果を元に分けられる。
だから、順当に行けばわたしはCクラスのはずだったのに、テストの受け直しをさせられた。
何回もテストを受けるなんて嫌だ、と言ったけれど、学園長先生に黙殺された。
「手を抜いたら、怒りますからね」
ニコニコと笑顔なのに、メチャメチャ怖いってなんだろう。
今までのテストだって、別に手を抜いたわけじゃない。全力で、点を取らないために頑張ったのだ。
そう主張したら、学園長先生のお顔がさらに怖くなった。失敗だったらしい。
――全力でテストを受けさせて頂きました。
その結果、わたしはAクラスになってしまった。
※ ※ ※
「実はリィカ、すごかったんだな。まさか、魔法の実技で一位を取るなんて」
同じクラスになってしまったカルビン様に、しみじみ言われた。
お互いに話す時は、敬語は完全に抜けていた。
「……わたしも、一位は驚いた。いや、同率だけど」
他にも魔法の実技の一位はいる。有名すぎるくらいに有名な人だ。まさか、そんな人と並んで一位とは、恐れ多すぎる。
「あの人、結構根に持つタイプだからなぁ。いきなり一位に上がったりして……」
「おや、カルビン。誰が根に持つタイプだと言うのですか?」
カルビン様が話している途中で、わたしの後ろから声が割り込んできた。
ビクッとしたわたしだけど、カルビン様は平然としている。
「もちろん、あんたのことだよ。ユーリッヒ」
その名前に、わたしは首をすくめた。
ユーリッヒ様。
現・神官長様のご子息。この人が、もう一人の魔法の実技、第一位。今まで不動の、そして断トツの一位を勝ち取ってきた人だ。
「初めまして、ですよね。顔は知っていても、話すのは初めてですから」
穏やかな笑顔で、ユーリッヒ様がわたしに話しかけてきた。
目が笑っていないから怖い。
「僕はユーリッヒと申します。リィカ、あなたとはいいライバルになれそうですからね。これからも、よろしくお願いしますね?」
「……あ、はい。よろしくお願いします」
宣戦布告された気がする。
劣等生だった奴が、同率とは言え、いきなり一位に躍り出たのだ。面白くないのは分かるけど。
根に持つタイプだ、というのが、何となく分かった気がした。




