表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/42

カルビンとの対話④

結局、どういう意味なのか、教えてもらえず、わたしは諦めた。


「カルビン様は、今後どうされるのですか?」


代わりに、カルビン様ご自身のことを伺った。

曖昧な質問だったけど、何を言いたいのかは分かって下さったようだ。


「元々婚約する予定だった女性と、今度こそ婚約できそうです」


照れた様に笑うカルビン様の言葉に、わたしは目を見張った。


「おめでとうございます」

「ありがとうございます」


お互いに好き合った結果の婚約だった、と聞いた事がある。

それを、横からわたしが掻っ攫ってしまったのだ。

本当に良かった、と思った。



「リィカは、今後も学園に通うんですか?」


話はもう終わりかと思ったけれど、カルビン様は用意してもらった椅子に座って、本格的に雑談の姿勢だ。


わたしも否やはない。

柵を挟んだ対面に座ったけれど、カルビン様の質問には首を傾げるだけだ。


「何とも……。処罰の内容次第かと思いますが……」

「そうですね、すいません。変な事を聞きました」


通うも通わないも、今の時点でわたしの意思で決められることじゃない。

カルビン様は、すぐ気付いたように頭を下げる。


「ただ、リィカは勉強でも実技でも、もう少し頑張った方が良いですよ、と思っただけです」


続けられたカルビン様の言葉に、ムッときた。



国立アルカライズ学園のテストは、筆記試験の他に、剣と魔法の実技試験もある。

それらの成績から総合的に判断されて、上位から順にA・B・Cクラスの順に分けられている。


カルビン様は、実技はそれほどでもないけれど、筆記試験は常に上位に食い込んでいて、Aクラスだった。

二年生でも、多分Aクラス入りすると思う。


ちなみに、アレクシス殿下は、剣の実技で常に一位で、Aクラスだ。


わたしは、残念ながら筆記も実技も底辺を彷徨っていて、ほぼ学年最下位を独占だ。

なので、わたしはCクラスに在籍している。


カルビン様の言うことも、分からないではないけれど、余計なお世話だ。


「カルビン様だって、あまり偉そうなことは言えませんよね。上位に食い込むだけで、トップ争いには程遠いじゃないですか。たまには王太子殿下と競ってみてはいかがですか?」


ツンッと不機嫌そうに言い返す。

えぇ? とカルビン様の困惑声があがった。


「無茶言うなぁ。どうやって王太子殿下と競えと。あの方と競えるのは、殿下の婚約者殿だけですよ」


その言葉に、思わず笑った。



アレクシス殿下の兄殿下、実は誕生日が一週間しか離れていない、王太子のアークバルト殿下は、筆記試験でいつも一位だ。


そして、王太子殿下の婚約者であるレーナニア様は、同じく筆記試験でいつも二位。


筆記試験の一位と二位は、このお二方が独占している。

将来の国王夫妻は、優秀過ぎると思う。


ただ、実はお二方とも、実技に関しては底辺を彷徨っていて、先生に叱られている、というのは公然の秘密だ。


「叱られた後のお二方は、本当、落ち込んでてさぁ。その時の顔と言ったら……」


王太子殿下に聞かれたら不敬罪になりかねない話題を、カルビン様は王宮で堂々と口にする。


でも、楽しい。穏やかな時間だった。

カルビン様と、こんな時間を共有できる日が来るなんて、思ってなかった。


二人で笑いながら、たくさん話をした。



次回から二話続けて、アレクシスの視点になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ