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プロローグ-1
本日、プロローグ三話を順次更新していきます。
こちらは、更新1話目です。
短いです。
ある日、小さな村に住んでいるリィカと母親の前に、金ぴかの馬車に金ぴかの服を着た人物が現れた。
息を呑む母親を見ながら、リィカは母親の手をギュッと掴んだ。
「娘、名は何と言う?」
何の前触れもなく、見下すように言われ、リィカは母の手を掴む手に力を込めた。
「リィカ、と言います」
代わりに答えたのは母だった。
金ぴかの服を着た男は、鼻でフンと笑う。
「貴族に相応しい名ではないな。ふむ。慈悲だ、元の名も残してやろう。今から貴様の名はリィカルナだ。良いな、リィカルナ」
この日、リィカという一人の平民の少女が消え、リィカルナという貴族の女性が産まれた。