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GG


 この国には神様ではなく"人"を信じる宗教じみた団体がある。善良な集いという意味のGood Gathering。通称 GG。なんと安直なネーミング····。

 秤くんが言うには、こんなに素晴らしい慈善団体は類を見ないのだとか。ちょっと洗脳されてないか?


〔人は皆善良であり、善良でない者は人ならざるモノ〕

 "人の心の在り方"を信仰するものだ。善人だけの世界なんて理想的だが、流石にちょっと気持ち悪いかも。

 この団体の特徴的な所は、よもや罪を犯す者には相当の理由があるという考え方だ。

 罪を隠せないこの世界で罪を犯すということは、かなりのリスクを伴うことだもんな。それを顧みず罪を犯すということは、罪を犯さなければならない理由があるはずだ!って。

 なるほどだけど、どんだけ純粋(ピュア)なんだよ。


 この考え方な結果、情状酌量を訴える動きが活発なんだそうだ。しかし、逆もまた然り。

 GGの同情が得られなかったら、こんな世界で罪を犯す極悪人として最大級の刑罰を求められる。ちょっと考え方が極端すぎないか?

 まぁでも、このGGの国民一人一人に向き合う姿勢と弛まぬ努力のおかげで、良識的な人間が平穏に生きることができる。



 忙殺を極める対害委員会もこのGGに属しているそうだ。信念を持ってるから頑張れるってか? ハハ、すげーな····。

 そして、この国の司法界はGGに属する人間が半数を占め、IQが世界トップクラスの1人の天才に支配されている。

 司法界のトップに君臨し、GGの代表をも務める天羽(あもう) 秀憲(ひでのり)だ。代々司法界を牛耳っている一族で、絵に描いたような善人ばかりと名高い。

 天羽の裁断でこの国は日々、安寧に暮らせる理想郷に近づいている。


 あの日から死ぬ間際まで、強く強く強く思い描き願った世界が此処には在った。

 こんな世界だったなら、駿の苦しみを少しは犯人に思い知らせる事ができたのかな。それ以前に駿は死なずに済んだかもしれないよな。

 俺も仇討ちなんてせずに、今も家族揃っていつも通りのほほんと暮らしてただろうよ。なんて無意味な妄想をしてしまうくらい、この世界は俺の理想過ぎるんだよ····。



 どこか違和感さえ抱くほど平和な世界。果たして裏があるのだろうか。それとも裏表の無い単純な良心の塊なのだろうか。







ーーーーー



天羽(あもう) 秀憲(ひでのり)

年齢:36歳、身長:187cm

GGの代表。善良な市民には神の様な存在であるが、正当な理由なき犯罪者には悪魔の様な存在になる。

迷惑人を根絶やしにすることを信条にしている。

趣味:天使の羽グッズの収集

一人称:俺


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