三十頁 航空魔導演習
色々とツッコミどころの多い発言であった。
まず、僕たちは別にのんびりと待っているわけではない。
ーー前の世界で例えたところの、小中学校の音楽の授業のリコーダーの鑑賞のようなものだ。個人個人で他の班を評価し、紙に記入、という作業を行わなければいけない、彼女はそれを全班分すでにチョチョイのチョイと書き上げていたのだ。
そう、今がまだ開始から3班目、全部で6つあるうちの半分しか終わっていないのに、だ。
彼女も途中までは真面目に書いていたようだが、次が自分たちの班であるとふと思い出すや否や残りの分も書き終えた...そういうところだ。
一応は採点者でもあるティルディア先生が次の班のメンバー、僕達を「次の班、開始位置に」と重々しく呼んだ。
先生も大変な仕事だなとしみじみと噛み締めながら、僕はゆっくりと立ち上がる。
そのあと少し遅れて、まるで糸で結び付けられているのでは、と思えるほど同じように連動して右手を地面につけてミリもまた、素早く機敏に、静かな動きで立ち上がる。よほど早く終わらせたいのだろう
「いこっか…」
「うん。ちょっと緊張するね!亮太くんって飛行魔術得意…?」
亮太は得意だよ、とは言わずに、「まぁ、それなりには」と濁して言うとそのままゆっくりあらかじめ決められていた10人ほどの小隊規模のメンバーで列を組み、並んだ。
「第4班、航空魔導演習、はじめとする。全員飛行術式展開!」
先生はそう言うと少し離れていった。
演習時間は10分だ、限られた時間内で目標を全て撃破するのが今回の演習のミソである。
「はじまりだ…」そう亮太が言葉を零した。
すると、全員が飛行術式特有の風を地面に発生させながらゆっくりと上昇していく、亮太はというと少し違うようだった。
亮太の魔力だとみんなは忘れているようだが長時間飛行術式を展開していると他より先に魔力切れになって倒れてしまう。そのためにもあらかじめスキルで「飛行」を獲得していたのだ。これが扱い安いのなんのって小回りも聞くしなにより速度が飛行術式のそれよりもかなり早いんだ、隠れて練習していた時を思い出すなぁ、心の中で呟くと
ミリの言葉が聞こえてくる。
「さて、みんな?今回の小隊長は私、それじゃ着いてきてね〜!」
「うん」
「おう」
返事を聞くと、「おっけおっけ」と言ってミリは再び上昇に集中した。
上昇を終え通常、魔導師が飛行する高度ーー
そうだな…だいたい1000mくらいの高さに着くと再び先生の魔法で増幅された大きな声が響いた
「それでは〜!始め〜!」
その合図と共にミリについて行くように全員急加速。
すこし、他よりも速めかな、さすがミリだ。みんなもさることながらって、まぁ僕は余裕でついていけるが。さすがの速度であったーー
そんなことを亮太が思っているとミリが
「最初の目標発見!全員火炎ないしは爆裂術式用意!」
数秒のあと
「撃てっ!!」
すると的さんの元では爆発が起り、撃破を確認した僕達は次の的へと向かう。




