二十八頁 どうしてこうなった!?
時は流れ、特にやばい山場などもなくーー
いや、まぁ応援席に戻ったらクラスメイトに散々お疲れだのヤベェだのよかっただのヤベェだの言われたのでそこそこ個人的にはヤバかったんだが......
僕はなんだかんだ勝ち残ってしまい。決勝もなんとか勝ちその後休憩で數十分休ませてもらった後、ある意味本命であるミリさんとの試合である。
「それでは、決勝をここまで勝ち抜いて来た志水亮太くんVSかの魔導師フォースカム・ミリアリアさんとのエキシビジョンマッチを執り行います。双方準備はいいですか......?」
そう告げられると、数秒後開幕の合図が先生の口から零れる。
「それでは、はじめ!」
先生の声と同時にミリが飛び込んでくる。
先手必勝、よく言えたものだ。
「はっ」
「自ら飛び込んできてくださってどうもありがとうございます!」
真っ直ぐ向かって来て、魔弾を構えていた彼女を風魔法で流し、ミリの後ろに回り込む。
後ろからちょい弱バーストを決めると、身体を捩って避けられた。
「今の避けるかよ...普通...でも!さすがだな、ミリ!」
「そっちもなかなかよ!」
しばらくこの様な激アツ胸バク(?)な攻防が続く。
始めは騒がしかった場も、次第に僕たちの息遣いと魔法の相殺による、爆風と爆発音だけが響いていた。
「はぁっ!…そろそろ終わらせないと、だね!」
「勝ったつもりかよ...!!」
ひょいっと両手にそれぞれ別属性の魔弾を構えお互い距離を開ける。
もう、持たない。
僕の息が荒いのに比べ、すぐに息を整えたミリはゆっくりと手を構える。
「行くわよ...!」
声を出すとともに駆けると、僕も後から同時に動き出す。
……。
「そこまで!勝者、フォースカム・ミリアリア!!」
「え、うそ...」
「ふふ...は〜っはっは〜!私の勝ち!ね!やった〜!」
お互いの放ったそれなりに大きい魔弾同士がぶつかり、ブラインドで後ろにもう数発放っていたミリが一枚上手であった。
それをまともに食らった後に、ミリとの接近戦、バランスを崩している上にダメージもあってろくに戦えなかった。
「…まさか……うそだろ……」
本心から驚きの声を零した
まさか今のダメージでやられてしまうなんて...ととても驚いたという様子でその場に膝をついてミリの言葉に耳をやる。
「まだまだね!でも正直驚いたわ...隠し弾を打たずにそのままやりあったら多分負けていたのは私だったわ...」
顔を伏せたままの僕の肩に手を置こうとすると、その手を握り立ち上がる。
観客の人たちも一介に湧く。
「...最初から勝てる...とは思っていたん?」
「いいえ?負けるわけにはいかないと思っていたけど、正直勝敗は開始時点ではおそらく五分五分だったと思うわよ」
「ふーん...まぁいいや...ありがとう」
「私もよ...ありがとね!楽しかった!」
未だ実感のわかないまま話す僕を少々見上げながら話すミリは、ほんの少し顔を赤らめている。
…...そういうところもあるってのが可愛いんだよね...
素直にミリの言葉を受け入れる亮太は、冷酷だの魔法バカなどと言われる人間に相応しくないほど純粋で、純潔なものであったのだった。




