十六頁 訪れる変革
- 16話 -
皆が不安な形相を表にしつつ、「本当に大丈夫なのか?」と何人か口にするものもいた。
あぁ、少なくとも今は大丈夫だろうな。でも僕のあれを見たあとじゃ学校での僕は少なくとも大丈夫じゃないと思うのだけれどね……と、そんなことを考えていた。
中佐は手を軽く握り口に当て不思議そうに言う。
「彼とはどのような関係で?」
彼女は言う。
「ちょっとね♡」
そんなことを話している2人の横を通り過ぎ、僕は内心不安ながらも表向きは堂々と、かつ颯爽とテントの入口をはらりと捲りまくり外へと出る。
すると、ぞろぞろと皆も後ろから出てきて、テントに沿って横に並んだ。それと同時に、
「見学会じゃないんだからさ…」
と呆れて僕は呟く。
後ろからがんばれ、大丈夫なんだろうな?と口々に声が聞こえてきた――。
流星は目の前、さぁて! 本番だ! と意気込む。
※ ※ ※
はぁぁあっ……!!
と、|水蒸気爆発(展開)《マルチプルスチームバースト》を駆使し迫り来る大規模破壊魔法に魔弾をぶち込む。
やはり、複数の出力は骨が折れる。
「うぅ……はあッ……!!」
常に光線状の魔弾を出力し続けているのだ。
前に突き出したままの両手両腕に、ありったけの力を込める。
ドン! と、鼓膜さんにさよならを告げなければいけないレベルの音が鳴ったことにより、放った魔法が無事に流星へと命中したことを知らせる。腕をさらに伸ばし、背中を少しくの字に曲げ、少しでも、少しでもと放った魔法に力を込める。
遥か前方に轟々と爆発が起き、ずしりとした衝撃が頭のてっぺんから足の指の先までを駆け抜け、全身を震わせた。
しかし僕は魔法の手を休めず、細かく飛び散る敵の流星の欠片――魔弾の欠片に向かって、頭の中で、自分の魔法をコントロールするイメージを膨らませる。すると、それは直後に具現化した。
ほんと便利なスキルだよな。
かと言って、全て自分だけでは間に合わない量だな、と思い。
「みんなも!」
同じ言葉をもう一度繰り返した後には少しばかり、緊張から逆に落ち着いたのか、首から上だけはみんなの方を向き、振り返るとこう言葉を続けた。
「力を貸して! 僕だけじゃ、飛び散る魔弾の処理が追いつかないんだ! あの場所の下にいる連合軍の兵士さんたちにあの流星の破片が落ちようものなら、損害は考えられたものじゃない!」
それを聞いたみんなは、衝撃に狼狽え蹲っていた者も、関心していた者も、呆気に取られていた者もみな、
「おう!」
「うん……」
「わかった!」
「了解だ」
と口々に賛同してくれた。
もっとも彼女は……決して恐怖からではない謎の想いを胸に、僕の近くに駆け寄ってきて、
「……ほんとに心配したんだからねっ! もう……いつのまにあんなにこと出来るようになったのよ……一段落ついて家に帰ったら、しっかりと話、聞くからね!」と言ってくれた。
一心不乱に作業していた僕は想念を停止させ、一言だけ「わかったよ。ごめんね心配かけて」と告げたのだった。




