十二頁 公開処刑
無事受験は終わりましたね。私事でしたか。
それではどうぞ。
これから実技か……。
多少なりとも緊張はするな……。
実際に魔法を発現させ、その威力や安定性、その他諸々を測るために設けられている試験。それが、今から僕たちが行うモノである――。
事前に言っていた通り……。
というかなんだあれは? 変装してと言っていたにしてはバレバレなんだが……。少なくとも俺にはそう思えた。
一般学生受験生シリーズたちの中に一人だけ見覚えのある顔立ち……。
ってかあいつ、魔法の威力めっちゃ下げてるな……。
その理由はすぐにわかることになった。
5〜8人程が横に並び、グラウンドに仮置きされていると思われる的さんたちへと、試験監督の指示で彼らの魔法が飛んでいく。
そんな光景を見て彼女が受験前に俺に言っていた言葉の意味を理解した。
全体的に魔法のレベルが低いのである。しかも、これが彼ら彼女ら受験生の全力であるという。
まぁ以前の世界の兵器、武器に例えるとするなら……火炎術式、火炎魔法はその名の通り火炎放射器の下位互換程度といったものか? 実物を見たことがあるわけでもないので一概に比較ができるわけではないが。
この流れだと僕の魔法はおそらく場違い。
早々に問題――おっと、めんどくさいことに絡まれたくないので、周りの奴らのより少し強いくらいにスキルを調整しよう。
今俺はスキルと言ったな? えぇそうですよ? はなから魔法を使う気はないのですよ。
魔力を使い切ると大っっ変に疲労が込み上げてきますのでね、えぇ。
……許してくれ。
と、そう虚ろに懇願する。
「次、292〜300まで、ここに並びなさい。それでは各自番号の若いものから順に、もっとも得意とする術式を用い魔法を放ちなさい」
そう監督の先生が言った。
次はいよいよ僕の番だ!
このような試験ではごくごく稀に多少なりとも、多くの受験生は動揺する。
一部の圧倒的に優れた存在である彼女ですら、裏の世界――社会、政治面でのことを指す――ては有名でも、一般庶民の人たちにとってみればただの少女に過ぎない。少なくともそうとしか見えない。
いや要するに何が言いたいのかというと、本来僕たちははその実力の差という名の忌避感を乗り越えねばならないということだ。
だが。僕は、平然と、そして淡々と事理明白の解答を読み上げるように応じる。
えぇ……あれぐらいで驚くのか……? と。
今まで見せられてきたものが彼ら彼女らの全力であったのだ。ふむ。
では僕のあとに行ったこの彼女はあたかも、人間として大切なものをどこかへほっぽり出し勉学に逃げる秀才そのものである。過去の経験からいって、そういう人たちはどこか思いつめた口調や、滲み出る風格があるものである。が、しかし彼女は明らかにそれとは異なっていた。そこで思った――。
あぁ……スポーツ万能、加えて成績優秀で生徒会長です〜みたいなそっち系のキャラは決定したな……と。
そう、何を隠そう、僕は大したことを披露することもなく無事に(?)実技を終えていたのだ。
無論他の方々が発現させていたようなものとは違うよ? 日頃からの練習の成果っ!! ――を披露するわけにもいかないというのは途中で察したので……。
普段の60〜70%くらいの威力に調整して行っていた。
にも関わらず、僕の直後に試験を行った彼女は、僕の通常魔法の80%くらいには当たるであろう魔法を使って見せたのだ。普通に見れば天才であろうな。――いや、天災か?
まぁむしろ、そういう者がいる方が悪目立ちせずに済むであろうか、と無意識のうちに考えていたのだった……
〘視点回帰、試験後〙
彼女が友達と話しているところを目にする機会があった。すると案の定「なんでもやってやるわ!★」と言わんばかりに、気さくな雰囲気なのだ。
いや、彼女にしてみれば、おそらく自分がしようした魔法のレベルが圧倒的に場違いであるものだと認識はしていたのであろうが、それをあんなところで使うなんてな……。
性格悪いなぁ〜と、そう思うしかなかった。
無事に受験は終わり、あとは合格発表を待つのみである。
合格発表、うむ。なんて不快な四字熟語なのだろうか? 人にこうも不安を駆り立たせることができるなんて。私用で使いたいものだな。
とそんなことは心の中にしまっておくとして。
朝の10時からの発表だそうだ。実際に学校に赴き、自分の番号を探すのである――。
発表時刻。
僕の番号はなかった。
え? どうしよう……!
流石に焦った……。その時彼女がやってきてこう言い放った。
「ほらね? 選抜コースのとこにしっかりあったでしょ? 番号!」
本当に焦らせてくれたな。まぁ今の言葉で安心した。
家を出る前に選抜した本人がいるのだから聞かない手はなかろう?
「どうだった……? 筆記と合わせてそのクラスに行けるだけの力、あったかな……?」
今朝聞くと、
「さぁ? どうだろうね!」
と、はぐらかされた。その反応では2通りの想像ができていたが、一瞬悪い方を引いたかと不安に思った。
結局あったのでいいんですけどね。
発表が終わると、指定の服と教科書だけを購入し帰宅。あとは実際の登校日を待つのみとなった。
いやぁ風がすごいですね。(現実の世界でのお話です)なんでしょう。気象庁のサイトを見る限り強風注意報とありますねぇ(´。つω•。`)。警報は「暴風」注意報は「強風」これ統一するべきでは?と思う今日この頃。夜行性の私にしてみればうるさくてうるさくて仕方がありません。加湿器の駆動音に耳をやり、暇を潰す生活にも飽き飽きです。
追記
やけに受験の設定がリアルですねぇまるで経験したかのようn




