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爆弾と呼ばれた男  作者: 岡上 山羊
猛獣の檻の中で
4/50

彰は、両親とも健在だった。

しかし光一郎はこの事について「お前はまだマシや」だとか「ワシとはちゃう」とは言わなかった。

一方的に殴り付けただけだったが、始めて出会い喧嘩したあの日から自分と同じ匂いを感じていたからかも知れない。

例えばの話、何も食料を持たない人間と、腐った物しか持たない人間がいたとしたら、どちらがマシか?この事について光一郎は

「どっちも変わらん。腐ってるんやったら、それはないのと一緒や」と答えただろう。


彰の父親は左官屋しゃかんや崩れでその後アルコール中毒となり、仕事もせず、日がな一日中酒をあおっては、母親や彰自身に暴力を振っては暴れ回った。

母親は母親で、そんな父親に愛想を尽かした様に場末のスナックで働き始め、日銭を稼いだ。しかし、それだけでは金が足りず客に上手く摺り寄っては身体を売り、金を稼いだと言う。

そんな環境に身を置いている彰は結局は施設に身を置く自分自身と何一つ変わらないと思っていた。

そんな二人は学校ではいつもの場所で仰向けに寝そべって、何も言葉を交わさず過ごしたり、イカサマ用の麻雀牌を使ってダマツモの練習や牌の入れ替えの練習を繰り返したりしながら過ごした。

昼食は彰がたまに親から握らされた500円玉で買ったパンを二人で分け合ったり、水道水をガブ飲みして空腹を紛らわせた。

そして、週に一度は二人して早退して、駅前のコインロッカーに入れておいた私服に着替えて雀荘やらパチンコで金を稼いだ。

クラスが違った二人が同時に早退する事で学校側も特に気にも留めていなかったが、遂には二人してパチンコ店で補導されてしまった。

二人の計画は二人だけの秘密であり、何者にも邪魔される訳にいかなかった。

こうして、二人は補導員から逃げ切り易い夜に、行動を始める様になって行った。

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